今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「表裏一体(ひょうりいったい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「表裏一体」の意味をスッキリ理解!
「表裏一体」の意味を詳しく
表裏一体は、二つの意味をもちます。
まず、「二つのものの関係が切り離せないほど密接である」という意味です。また、「相反する二つのものでも、もともとは一つである」という意味ももちます。
以上二つの意味は、表裏一体の漢字を見るとよく理解できます。
「表裏」は「表面(おもてめん)と裏面」を意味します。「一体」は「一つに結びつく」という意味です。表面と裏面は、二つで一つのものであり、切り離すことはできません。
つまり、表裏一体は、矛盾(むじゅん)するように見える二つのものが、実は表と裏のように、切り離せないほど密接な関係にあることを表しています。
「おもてうらいったい」とは読みませんから注意しましょう。
「表裏一体」の使い方
- 光と闇は表裏一体だ。
- 始まりと終わりは表裏一体だ。何かを始めるためには、何かを終わらせなければならない。
- その姉妹は、幼い頃からいつも一緒にいる。まさに表裏一体の関係だ。
③では、「二つのものの関係が切り離せないほど密接であること」を表しています。
「表裏一体」の類義語
表裏一体には以下のような類義語があります。
- 不離一体(ふりいったい):一つになっていて、離れることがないさま
- 相即不離(そうそくふり):互いに関係しあっていて、切り離すことができないさま
- 三位一体(さんみいったい):三者が本質的にまったく同じであるということ
「相即」は仏教語です。二つの物事が溶け合って、差別なく一体となることを意味します。「不離」とは文字通り、「離すことができない」という意味です。
「三位一体」は、キリスト教から生まれた語です。神・キリスト・聖霊の三者は、もとは一つであるとすることから、「三つのものが、本質的にはまったく同じである」という意味をもちます。
「表裏一体」をはじめ、「不離一体」や「相即不離」は二つのものが一つであるという意味です。これに対して、「三位一体」は、三つのものが一つであるという意味をもつのです。
「表裏一体」の対義語
表裏一体には以下のような対義語があります。
- 二律背反(にりつはいはん):二つのものの関係が、両立できずに食い違うこと
二律背反は、ドイツ語の「アンチノミー」を訳した語です。「二律」は二つの法則や原理のことです。「背反」は対立するという意味です。
たとえば、「お腹が空いたから、揚げ物が食べたい」という気持ちと、「太りたくないから、揚げ物は食べたくない」という気持ちは、二律背反であるといえます。なぜなら、これら二つの気持ちを両立することはできないからです。
揚げ物を食べたら、「太りたくない」という気持ちは噓であることになります。逆に、揚げ物を食べなかったら、「お腹が空いた」という気持ちは嘘ということになってしまいます。
このように、二つのものを両立できない関係のことを、二律背反といいます。
表裏一体は、「矛盾するように見える二つのものが、切り離せないほど密接な関係にある」という意味ですから、二律背反は対義語であるといえます。
「表裏一体」の英語訳
表裏一体を英語に訳すと、次のような表現になります。
- two sides of the same coin
(表裏一体) - inside and outside unification
(表裏一体) - inextricably linked
(表裏一体である)
“two sides of the same coin” は、直訳すると「コインの表と裏」ということから、表裏一体という意味をもちます。
“unification” は統一という意味です。「inside(内側)とoutside(外側)の統一」という直訳から、表裏一体を表すことがわかります。
“inextricably linked” は直訳で「密接に関わる」という意味です。
まとめ
以上、この記事では「表裏一体」について解説しました。
読み方 | 表裏一体(ひょうりいったい) |
---|---|
意味 | 二つのものの関係が、密接で切り離せないこと |
類義語 | 不離一体、相即不離、三位一体 |
対義語 | 二律背反 |
英語訳 | two sides of the same coin(表裏一体), inside and outside unification(表裏一体)など |
表裏一体だと思えることは、身近にもたくさんあります。
ぜひ見つけて、表裏一体という語を使って表現できるといいですね。