四字熟語「以心伝心(いしんでんしん)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「以心伝心(いしんでんしん)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「以心伝心」の意味をスッキリ理解!

以心伝心(いしんでんしん):何も言わずに心が通じ合うこと

「以心伝心」の意味を詳しく

言葉を用いることなく、心を通じ合わせることの意味ですが、言葉を用いることなく、心を通じ合わせることの意味ですが、この「以心伝心」をそのまま読むと、心を以って心に伝えるという意味です。

つまり、重要なのは「心」であって「言葉」や「行動」ではありません。何も言動を行わずして、相手の気持ちが分かる状態が「以心伝心」なのです。

結婚に必要なのは「以心伝心」だと言います。長い時間、一緒にいるからこそ、夫婦は言葉や行動で気持ちを表さなくても、相手が何を求めているのか分かります。

例えば、食卓で夫が瓶ビールを飲もうと、瓶を手に取ったとき、妻は栓抜きを渡します。この一連の流れこそ、「以心伝心」です。夫は栓抜きが欲しいと言った訳ではなく、栓抜きを取ろうと行動した訳ではありません。何も言わずに妻は夫の考えを察して行動したのです。

 

また、恋愛では「以心伝心」はなかなか成り立たないとされています。付き合っている男女が相手の心がなかなか見えなくて、ドキドキするのが恋愛です。相手は何を考えているのだろうと、心の内が見えなくて興奮状態にあるのです。

相手の感情が何も言わなくても分かって、ドキドキすることから安心し合えることこそ「恋」から「愛」に変わる瞬間です。「以心伝心」は恋愛において置き換えると考えやすく、なおかつ重要な役割を果たしています。

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「以心伝心」の使い方

  1. 2人はいつも以心伝心で、何も言わなくても気持ちが伝わる。
  2. 先生とは以心伝心の関係で、考え方がお見通しである。
  3. スポーツをするときには、以心伝心のコンビネーションが重要だ。
①の例文は、信頼をし合っている関係の2人が、特にコミュニケーションを交わさなくてもお互いに考えていることが分かるという意味です。先ほどご紹介した、恋愛における「以心伝心」です。

②の例文は、先生と自分が、言葉にせずとも互いの考えを読み取ることができる関係であることを表しています。

③の例文は、スポーツのチームワークについて述べています。例えばサッカーでアシストとシュートをするときに、相手と言葉を交わさなくても、意思疎通ができてないといけません。そういった状況を表しています。

「以心伝心」の由来

「以心伝心」は仏教用語としても使われています。発祥は「六祖壇経(ろくそだんきょう)」という仏教の教えを集めた経典にあります。六祖壇経は、中国の宋の時代にできました。正確には、967年であると言われています。

この経典は全部で11 のセクションがあり、上下の2巻で構成されています。

そして、本としてまとめられる前の原本もあります。もともと、禅を説いていた慧能(えのう)と呼ばれる人物の説法を本としてまとめたのです。彼が言ったことをまとめたこの経典の一部に「法則以心傳心、皆令自悟自解。」という漢文があります。

これは、「言葉では表すことのできない仏教の教えや真髄を、師匠から弟子に伝える」という意味です。

 

この漢文の一部の「以心傳心」という部分だけが切り取られて、「以心伝心」として使われるようになりました。ちなみに、「以心傳心」の「傳」という字が異なっているのではと思われる方もいるかもしれませんが、これは間違っていません。

「伝」という漢字は、昔は「傳」と書かれていたのです。日本に住んでいると、見かけることがないかもしれませんが、今でも台湾や香港といった昔の漢字を大切にする地域では「傳」という文字は使用されています。

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「以心伝心」の類義語

「以心伝心」には以下のような類義語があります。

  • 粘華微笑(ねんげみしょう):器官を使用せずに心を他人へ伝えることが可能な連絡
  • 不立文字(ふりゅうもんじ):文字や言葉による伝達以外に、体験によって伝えること

あまり常用では用いない四字熟語です。ひょっとしたら、今回初めて知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。日常的に使うことはなくても、教養の一部として扱うことができるとよいですね。

「以心伝心」の英語訳

「以心伝心」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • non-verbal communication
    (非言語的コミュニケーション)
  • mind to mind communicartion
    (心と心のコミュニケーション)
「以心伝心」の英語表現をみてみましたが、なんだかぎこちない表現ですね。これはやはり、英語圏では「以心伝心」という言葉があまり使われないということです。イエスかノーかはっきりということを大切にしている英語圏の人々は、口に出さなくても伝わるという考え自体をあまり好みません。

英語圏はディスカッションや、異なる考えを持った人々との議論を通じてより良いものをてにいれようとする文化ですから、こうした考えが好まれないのも理解できます。やはり、物を言わなくても伝わるという考え方の文化は日本人特有の物で、特殊なのですね。

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「以心伝心」の中国語訳

「以心伝心」を中国語に訳すと、次のような表現になります。

以心传心yǐ xīn chuán xīn
(何も言わずに心が通じ合うこと)
「以心传心」は、「以心伝心」とまったく同じ意味を表します。「伝」という漢字は、中国語の簡体字で「传」と表記されるのです。

まとめ

以上、この記事では「以心伝心」について解説しました。

読み方 以心伝心(いしんでんしん)
意味 何も言わずに心が通じ合うこと
由来 宋時代の仏教経典
類義語 粘華微笑、不立文字など

日本には、「以心伝心」をはじめとして、「忖度(そんたく)」「阿吽(あうん)の呼吸」「ツーと言えばカー」など、全て言動にしなくても気持ちは伝わるといった言葉がたくさんあります。この考え方を古くから日本人は大切にしてきたという事実が、言葉のボキャブラリーの中に現れています。

実際、「以心伝心」は、歌のタイトルに使用されることも多いので、比較的馴染みが深い人が多いのではないでしょうか。それでも何となく使っているという人もいますよね。しかしながら、日本人なら使い方も意味もしっかり理解しておくことも大切です。

日本政府の中でも、働く人々が「以心伝心」の関係で、仕事が上手く進んだということがメディアでも大きく取り上げられました。この「以心伝心」の文化は日本人として誇らしいですよね。ぜひみなさんも、これを機会に「以心伝心」という言葉を使ってみてはいかがですか。

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