「概念(がいねん)」とは?意味や使い方をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「概念(がいねん)」です。「〇〇という概念が」といった形で会話に頻出する言葉であるものの、意味がわからずに困っている方は多いのではないでしょうか。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「概念」の意味をスッキリ理解!

概念:物事に対する共通の思考内容、またそれを言葉にしたもの

「概念」の意味を詳しく

「概念」は、個別の具体例ではなく、一般化された抽象的な物事の姿のことです。例を挙げて説明しましょう。

ある 1頭の犬を見せられて、「これは何ですか?」と聞かれたら、「犬です」と答えることができるでしょう。どんな種類の犬であっても、そう答えるでしょう。

ただ、犬と言っても、チワワのような小さなものから、ラブラドルレトリバーのような大きなものまで様々な種類があります。さらに、色も多彩です。大型犬と小型犬よりも、大型犬とオオカミの方が見た目はよほど似ているかもしれません。

それでも、1頭の犬を見たら「それは犬です」と自信をもって言えます。それは、「犬とはこういうものだ」という認識が頭の中にあるからです。

 

この「〇〇とはこういうものだ」という認識が概念です。犬でなくても、「三角形とはこういうものだ」「幸福とはこういうものだ」といったように、どんなものに対しても概念は作られます。ただし、概念は、その内容を明快に説明することができるものと、そうでないものがあります。

「三角形の概念」を言葉で説明するとしたら、「3つの異なる頂点を3本の線分で結んだ図形」と言えます。これにあてはまるものは必ず三角形と言えますし、そうでなければ三角形ではありません。

ところが、「犬の概念」を説明するのは容易ではありません。「四本足の動物で、ワンワンと鳴いて……」となどと特徴をいくつも並べることになり、三角形の概念のようには簡潔に説明できないでしょう。そして、例外も出てくるはずです。鳴かない犬がいても、犬に含まれますよね。

さらに、「幸福の概念」の説明などは困難をきわめます。それでも、ある状態が幸福かそうでないかは、自分なりに判断できるでしょう。

 

このように、ある言葉で表されるもの一般のことを説明するものが「概念」です。「こういうこと」としか説明できなかった事柄を、一言で説明する言葉が作られたとき、概念が整理されたと言えます。

たとえば、2000年ころに「ニート(NEET)」という言葉が作られました。これによって、「教育を受けているわけではなく、働いているわけでもなく、働くための訓練を受けているわけでもない人」としか表現されなかった人たちに、「ニート」という、簡潔な枠組みが与えられました。

これまでは一人ひとり異なる呼び方をしていた人たちが、ニートという言葉の登場によって、同じように呼ばれるようになりました。ある概念が言葉としてまとめられることで、その概念のあらわすものを考えることができます。

ニートという言葉が使われるようになってから、ニートへの支援が行われるようになりました。それまでも就労支援や引きこもり対策などは行われていましたが、ニート(と呼ばれる人たち)に対しての支援として行われる政策は考えることができなかったでしょう。

 

逆に、ある言葉で定義されていた事柄が、何らかの理由によって必要なくなった場合は「概念」が消えたことになります。

たとえば、自動改札機の出現によって、切符切りをする必要がなくなりました。これはつまり、切符切りという概念が消え、自動改札機という概念に取って代わられたことを意味します。このように、時代によって移ろう概念もあるのですね。

切符切り:乗車の合図として、駅員が切符に切り込みを入れること。
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「概念」の使い方

  1. 取れたてのウニを食べたら、ウニ嫌いの人もウニの概念が変わるような思いをするだろう。
  2. 色々な単語が議論で飛び交っているので、概念を整理しよう。
  3. 新しい社長の話は概念的なことばかりで、まったく具体的な方針が示されなかった。
  4. 父親は、概念図を用いて彼の会社のビジネスモデルを説明した。

上記の例文のように、「概念」は日常会話で使われることもよくあります。たとえば、例文①のように、「ウニとはこういうものだ」という考えを「ウニの概念」と言うことがあります。

また、例文②のように「抽象的なこと」という意味でも使われることがあります。文中では、どのような事柄について議論したか、大まかに整理しようとしている様子が描かれています。

 

そして、例文③では、「言葉としてはあるが、実際にはないこと」を「概念的」と言っています。つまり、言葉として定義することは出来ても、具体的に実行するには非現実的であることを意味します。

たとえば、「早起きは概念に過ぎない」というときは、「早起きという行為の存在を認めることは出来るが、私にはできそうにない」という意味合いになります。

例文④の概念図とは、話の内容や事柄同士の関連性を図に表したもの、つまり「概念」として抱いた思考内容を図に起こしたものです。例文④における「概念図」は、製品・サービスの流れ、またそれに紐づいてどのように利益が出るのかといった内容が書かれていることでしょう。

「概念」の類義語

「概念」には以下のような類義語があります。

  • 理念:物事に対する「こうあるべきだ」という考え
  • 観念:物事に対する考え方

どちらも、物事に対する考え方をあらわす言葉です。「理念」は、何かを成し遂げようとする複数人が共通に抱く考えである一方、「観念」は個人が抱く主観的な考えです。

概念と異なるのは、「理念」や「主観」は、万人に共通する尺度ではないということです。「概念」は、他の人とある程度共有できる考えです。

概念は言葉をもとに考えるので、人によって考えが大きくずれるわけにはいきません。言葉の意味が人によって異なっていたら、コミュニケーションが成り立ちませんよね。そのため、「言葉の指し示すもの」である「概念」は、理念や主観と比べると客観的なものです。

固定「概念」?固定「観念」?

「固定概念」もしくは「固定観念」という言葉を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。結論を言いますと、「固定概念」は誤用です。

「概念」とは、ある物事に対して、「共通して」抱かれる思考内容のことを指します。つまり、多くの人が「〇〇とはこういうものだ」という気持ちを抱いているのが前提であるため、「概念」はそもそも固定的です。したがって、「固定」をつけるのは不自然です。

一方、「固定観念」は正しい表現です。「固定観念」は、どんな状況でも揺るがない思い込みのことを言います。「観念」は、物事に対する個々人の考えを指すため、万人にとって共通の観念はありません。だからこそ、1つの観念のみを正しいと思うことが「固定的」に見えるわけです。

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「概念」の英語訳

「概念」を英語に訳すと、 “concept” になります。

コンセプト」は、日本語の中でよく聞かれる言葉です。たとえば、新しいデザインの服をつくった人は、「デザインのコンセプト」を説明します。ただし、英語で言う “concept” と、日本語の「概念」には、若干の意味の違いがあります。

「コンセプト」は、積極的に物事に込めた意味やメッセージというニュアンスでも使われます。新しいデザインの服の例では、「この新しい服にはこういうメッセージがある」という考えが「服のコンセプト」となります。

このように、「コンセプト」は主観的に規定されるものでもある一方で、「概念」は多くの人と共有できる客観的なものであるという違いがあります。

まとめ

以上、この記事では「概念」について解説しました。

読み方概念(がいねん)
意味物事に対する共通の思考内容、またそれを言葉にしたもの
類義語理念、観念
英語訳concept(概念、物事にこめられた基本的な考え)

「概念」は抽象的な言葉ですが、多くの人が必ず頭の中に描いているものです。「概念とはこういうものだ」という、「概念の概念」をきちんと理解しましょう。

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