「渾然一体」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「渾然一体(こんぜんいったい)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語についてわかりやすく解説します。

☆「渾然一体」をざっくり言うと……

読み方渾然一体(こんぜんいったい)
意味異なるものが溶け合って混ざり、ひとつになること
由来中国前漢時代の哲学書『淮南子』より
類義語一心同体、不離一体

「渾然一体」の意味をスッキリ理解!

渾然一体(こんぜんいったい)異なるものが溶け合い、区別がつかない様子

「渾然一体」の意味を詳しく


「渾然一体」とは、種類の異なるもの同士が溶け合い、混ざって区別がつかない様子を表す四字熟語です。

「ものごとの区別がつかず混沌としている」というニュアンスを持つこともありますが、一方では「全体が一つにまとまり見事である」というように称賛する意味で用いられる場合もあります。

「渾」は、「混」の文字で代用され、「混然一体」と表されることもあります。読み方・意味は変わりません。

「渾然一体」の使い方

「渾然一体」は、文中では以下のように使われます。

  1. あの地域は多くの民族で渾然一体としていたが、今はそれぞれ独立した国になっている。
  2. オーケストラは、多くの楽器が渾然一体となり美しい音色を奏でる。

民族や音の他にも、色や光など、さまざまなものの様子を表す言葉として使うことができます。

「渾然一体」の由来

「渾然一体」は、中国の前漢時代に書かれた『淮南子(えなんじ)』という本が出典です。

王劉安(おうりゅうあん)という淮南の国の王が主導して学者を集め、道家や儒家・法家などの思想を交えながら書かれた哲学書です。

『淮南子』の文章の多くは時代の中で失われてしまい、現在に伝わっているのはわずか一部であるとされています。

『淮南子』の四字熟語

「渾然一体」の出典となった『淮南子』からは、他にも以下のような四字熟語が生まれています。合わせて覚えておくとよいでしょう。

  • 南船北馬(なんせんほくば):絶えず旅行に出かけていること
  • 異路同帰(いろどうき):異なる手段を用いても、同じ結果に到達すること
  • 悠悠閑閑(ゆうゆうかんかん):ゆったりとしていて、急いでいない様子

「渾然一体」の類義語

「渾然一体」には、以下のような類義語があります。

  • 一心同体(いっしんどうたい):多くの人が心をひとつにし、強く結びつくこと
  • 不離一体(ふりいったい):複数の物がひとつになって離れることがない様子

「一心同体」は、人の様子に対し使う表現です。「渾然一体」は物に対して使われることが多く、人の様子を表す際にはあまり使われないので、使い分けに注意しましょう。

「不離一体」は元の形を保ったままくっついているようなニュアンスで使われるのに対し、「渾然一体」は元の形がなくなり溶け合うことでひとつになっていることを指す点が異なっています。

まとめ

以上、この記事では「渾然一体」について解説しました。

読み方渾然一体(こんぜんいったい)
意味異なるものが溶け合って混ざり、ひとつになること
由来中国前漢時代の哲学書『淮南子』より
類義語一心同体、不離一体

意味をしっかり覚えて、ぜひ活用してみてください。