「自負(じふ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

自負とは、自分の才能や仕事に自信を持って誇りに思うことです。

自負はビジネスシーンで聞くことが多い言葉ですが、詳しいところまで知っている方は少ないのではないでしょうか。

たとえば、ポジティブな意味にも関わらず、なぜ自負に「負」という漢字が使われているのか知っていますか?

この記事では自負の意味から「負」が使われている理由まで詳しく解説しています。

「自負」の意味

自負じふ

自分の才能や仕事に自信を持って誇りに思うこと

自負はビジネスシーンで、自信を示す時に用いられることが多いです。

具体的には、自分が持っているスキルや経験などについて相手に自信を示したい時に使います。

「負」という漢字が使われているものの、ネガティブな意味で使われることはなく、ポジティブな意味の言葉です。

丁寧で堅めの言葉なので、プライベートな場面で用いられることは少ないです。

「自負」の使い方

自負は自信があることを示したい時に用います。

以下のような場面で用いられることが多いです。

用いられる場面
  • 営業で自社製品を紹介する場面
  • 企業の面接
  • その他自分に自信を持っていることを示したい時 など

自負は丁寧な言葉ですので、相手に「傲慢(ごうまん)だ」という悪い印象を与えることなく、自信があることを伝えられます。

そして、自負は以下のような表現で用いられる場合が多いです。

よくある表現
  • 自負する
    例:やる気だけは1番だと自負する
  • 自負がある
    例:この商品は業界一の性能だという自負がある
  • 自負を持つ
    例:営業たるもの、売る商品が良い商品だという自負を持つべきだ。
  • 自負している
    例:御社への愛は誰にも負けないと自負しています
  • 自負の念を抱く
    例:弊社は良い品質の商品を作っているという自負の念を抱いています
  • 自負しております
    例:分析力は誰よりも優れていると自負しております
謙虚さがないと思われる場合もある

自負は丁寧な言葉ですが、自分に自信があることを示す以上、自慢しているかのように受け取られてしまう場合があります。

使う場面には注意が必要と言えます。

「手落ちがあったと自負する」は間違った表現

「手落ちがあったと自負する」はよく使われるものの、実は間違った表現ですので注意が必要です。

「手落ち」は「仕事や手続きに不備や欠点がある」という意味です。

そのため、「手落ちがあったと自負する」という表現は「不備や欠点があったことを誇りに思う」というおかしな意味になってしまうのです。

「自負」がつく言葉

自負がつく言葉としては以下のようなものが挙げられます。

  • 自負心
  • 自負自賛

それぞれの言葉について詳しい意味を見ていきましょう。

「自負心」の意味:自分の才能や仕事に自信を持ち誇りに思う心

自負心とは、自分の才能や仕事に自信を持ち、誇りに思う心のことです。

「自負心が強い」などといった形で用いられる場合が多いです。

例文
  • 彼は人一倍自負心が強い。

「自負自賛」の意味:自分の行為が優れていると思い込み自分の行為を褒めること

自負自賛とは、自分の行為が優れていると思い込み、自分の行為を褒めることです。

「うぬぼれている」というネガティブな意味を持つ言葉です。

例文
  • 彼はすぐ自負自賛するので嫌われている。

「自負」の語源

自負を構成する漢字には以下のような意味があります。

自負の漢字の意味

  • 自分のこと

  • 当てにする、頼りにする

この2つの漢字から、自負は「自分のことを頼りにする」つまり「自信がある」という意味になりました。

ちなみに、「負」は人と貝の組み合わせで出来ています。

人が貝を背負う形から、「重荷をおう」という意味になり、そこからさらに変化して「当てにする、頼りにする」という意味になりました。

「自負」の類義語

自負には以下のような類義語があります。

  • 自慢(じまん)
    人前で自分を褒めること
  • 自尊(じそん)
    自分で自分を偉いと思い込むこと
  • 自信(じしん)
    自分で自分の能力や価値などを信じること
  • 自任(じにん)
    自分の能力などがそれにふさわしいと思うこと
  • 自惚れ(うぬぼれ)
    実際以上に自分が優れていると思い込んで得意になること
  • 気位(きぐらい)
    自分の品位を保とうとする心の持ち方のこと
  • 誇り/プライド
    誇ること
  • 優越感(ゆうえつかん)
    自分が他より優れていると思うこと
  • 矜持(きょうじ)
    自分の能力が優れていると誇る気持ち
  • 得意(とくい)
    誇らしげなこと
  • おごり
    いい気になること

「自慢」の意味:人前で自分を褒めること

自慢とは人前で自分を褒めることという意味です。

自分のスキルや能力を褒める場合もありますが、友人・知人や出身地など自分が関わっているものについて褒める場合もあります。

例文
  • 彼女は自分の容姿を自慢することが多い。

「自尊」の意味:自分で自分を偉いと思い込むこと

自尊とは自分で自分を偉いと思い込むことという意味です。

「自尊心」「自尊感情」という形で用いられる場合が多いです。

例文
  • 彼は自尊心が高く、常に自身がある態度を取っている。

「自信」の意味:自分で自分の能力や価値などを信じること

自信とは自分で自分の能力や価値などを信じることという意味です。

自負の類義語の中でも、特に日常的に用いられることが多い言葉です。

例文
  • 昔から学力だけには自信がある。

ちなみに、自負と自信には以下のような違いがあります。

違い
  • 自負
    自分の能力や才能を信じ、誇りに思うこと
  • 自信
    自分の能力は才能を信じること

自負には自信の意味に加えて「誇りに思う」というニュアンスが加わるのです。

「自任」の意味:自分の能力などがそれにふさわしいと思うこと

自任は自分の能力などがそれにふさわしいと思うことという意味です。

自負と極めて近い意味を持っています。

例文
  • 私は作詞の天才だと自任しています。

「自惚れ」の意味:実際以上に自分が優れていると思い込んで得意になること

「自惚れ」は実際以上に自分が優れていると思い込んで得意になることという意味です。

意味からもわかる通り、ネガティブなニュアンスで用いられることが多いです。

例文
  • 彼は自分の有能さに自惚れており、いつか痛い目を見るだろう。

ちなみに、自負と「自惚れ」には以下のような違いがあります。

違い
  • 自負
    自分の能力や価値を信じる
  • 自惚れ
    自分の能力や価値が実際よりも優れていると思う

自負と「自惚れ」は自分の能力や価値についてどう思っているのか異なります。

自負が自分の能力を実際通りに受け止めている印象なのに対して、「自惚れ」では明確に実際よりも優れたものだと受け止めています。

「気位」の意味:自分の品位を保とうとする心の持ち方のこと

気位とは、自分の品位を保とうとする心の持ち方のことです。

「自分は優れていると思い、他者を見下す」というネガティブなニュアンスがあります。

例文
  • 気位が高い婦人と会話して疲れた。

「誇り/プライド」の意味:誇ること

誇り・プライドとは誇ることという意味です。

「誇りを持つ」「プライドを持つ」という表現で用いられることが多いです。

例文
  • 自分の仕事は社会貢献性が高いと誇りを持っている。
  • 彼はプライドが高いから扱い方には気をつけたほうが良い。

「優越感」の意味:自分が他より優れていると思うこと

優越感とは自分が他より優れていると思うことです。

「優越感に浸る」という表現で用いられることが多いです。

例文
  • 卓球の大会で優勝して優越感に浸る。

「矜持」の意味:自分の能力が優れていると誇る気持ち

矜持とは自分の能力が優れていると誇る気持ちという意味です。

やや難しい表現で、文章などで用いられることが多いです。

例文
  • 彼の行為は私の矜持が許さなかった。

ちなみに、自負と矜持には以下のような違いがあります。

違い
  • 自負
    自分の能力を信じ、誇りを持つ
  • 矜持
    自分の能力を信じ、誇りを持って堂々と振る舞う

矜持では自負の意味に加えて「堂々と振る舞う」というニュアンスが加わるのです。

「得意」の意味:誇らしげなこと

得意とは誇らしげなことです。

「得意になる」という表現で使われることも多いです。

日常的に使われる表現です。

例文
  • 彼は色んな人から褒められて得意になっていた。

「おごり」の意味:いい気になること

「おごり」はいい気になることです。

「思い上がる」というネガティブな意味で用いられます。

例文
  • 彼の言葉の端々におごりが見えた。

「自負」の対義語

自負には以下のような対義語があります。

  • 謙遜(けんそん)
    へりくだること
  • 劣等感(れっとうかん)
    自分が他人より劣っているという感情
  • 卑屈(ひくつ)
    いじけて、必要以上に自分をいやしめること
  • 謙虚(けんきょ)
    へりくだって素直に相手の意見などを受け入れること
  • 卑下(ひげ)
    自分をいやしめて見下すこと
  • 慎む(つつしむ)
    軽はずみなことをしないように気をつける
  • 自虐(じぎゃく)
    自分で自分をいじめて苦しめること
  • 自嘲(じちょう)
    自分で自分の欠点などをあざけり笑うこと
  • 引け目(ひけめ)
    自分が他人と比べて劣っているという意識のこと
  • へりくだる
    相手を敬って自分の立場を低めること

「謙遜」の意味:へりくだること

謙遜はへりくだることという意味です。

自分の能力を低く見積もって控えめに振る舞う様子を表します。

例文
  • 部長に褒められた彼は、いつにも増して謙遜していた。

「劣等感」の意味:自分が他人より劣っているという感情

劣等感は自分が他人より劣っているという感情という意味です。

カタカナ語のコンプレックスと同じ意味です。

例文
  • 彼は人一倍劣等感が強く、暗い人だ。

「卑屈」の意味:いじけて、必要以上に自分をいやしめること

卑屈とはいじけて、必要以上に自分をいやしめることという意味です。

ネガティブな意味で用いられることが多いです。

例文
  • そんなに卑屈にならなくても良いのに。

「謙虚」の意味:へりくだって素直に相手の意見などを受け入れること

謙虚とはへりくだって素直に相手の意見などを受け入れることという意味です。

出しゃばらず他人に不快感を与えないというポジティブな意味で用いられることが多いです。

例文
  • 彼は謙虚なので上司から可愛がられている。

「卑下」の意味:自分をいやしめて見下すこと

卑下とは「自分をいやしめて見下すこと」という意味です。

「必要以上に自分を低く評価する」というネガティブなニュアンスで用いられます。

例文
  • 謙虚は美徳だが、自分を卑下しすぎるのは良くない。

「慎む」の意味:軽はずみなことをしないように気をつける

「慎む」は「軽はずみなことをしないように気をつける」という意味です。

出過ぎたことをして失敗しないために、自分の言動を控えめにする様子を表します。

例文
  • 社長の前です。言動を慎みなさい

「自虐」の意味:自分で自分をいじめて苦しめること

自虐は自分で自分をいじめて苦しめることです。

「自虐的」などの表現で用いられる場合が多いです。

例文
  • 彼は自虐的すぎるので、みんなが心配している。

「自嘲」の意味:自分で自分の欠点などをあざけり笑うこと

自嘲とは自分で自分の欠点などをあざけり笑うことです。

例文
  • 彼女は「私は弱虫だから」と自嘲した。

「引け目」の意味:自分が他人と比べて劣っているという意識のこと

引け目とは、自分が他人と比べて劣っているという意識のことです。

「引け目を感じる」という形で用いられることが多いです。

例文
  • 私は常に兄に引け目を感じて生きてきた。

「へりくだる」の意味:相手を敬って自分の立場を低めること

「へりくだる」とは、相手を敬って自分の立場を低めることです。

例文
  • 隣の部屋で営業マンが客にへりくだっている

「自負」の英語訳

自負を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • take pride in
    (~を自慢や誇りに思っている)
    例:take pride in my skill.
    (私は自分のスキルに自信がある。)
  • pride
    (誇り)
    例:He was angry because his pride was hurt.
    (彼はプライドを傷つけられて怒っていた。)
  • feel proud that
    (誇りに思う)
    例:I feel proud that I work in this workplace.
    (この職場で働けることを誇りに思っている。)
  • flatter myself
    (自慢する)
    例:I flatter myself that I’m the manager of a leading company.
    (自慢じゃないが、私は一流企業の部長だ。)

「自負」のまとめ

以上、この記事では自負について解説しました。

読み方自負(じふ)
意味自分の才能や仕事に自信を持ち、誇りに思うこと
自負がつく言葉自負心
自負自賛
語源自:自分のこと
負:当てにする、頼りにする
類義語自慢
自尊
自信 など
対義語謙遜
劣等感
卑屈 など
英語訳take pride in
pride
feel proud that
flatter myself

自負は意味を勘違いされやすい熟語です。

自信やプライドのように「自分を誇らしいと思う感情」だけでなく、「他人と比べて自分は優れている」というニュアンスを含んでいることを頭に入れておきましょう。