「紆余曲折」の意味とは?読み方は?類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「紆余曲折(うよきょくせつ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「紆余曲折」をざっくり言うと……

読み方紆余曲折(うよきょくせつ)
意味複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること
類義語試行錯誤、二転三転、五里霧中など
対義語単純明快、直往邁進など
英語訳“meandering” (曲がりくねった)、“after many twists and turns” (多くの曲折と回転の後)など

「紆余曲折」の意味をスッキリ理解!

紆余曲折(うよきょくせつ):複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること

「紆余曲折」の意味を詳しく


「紆余曲折(うよきょくせつ)」には以下のような2つの意味があります。

「紆余曲折」の意味
  1. 複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること
  2. 道や川などが曲がりくねっていること

ちなみに、「紆余曲折」は「うよきょくせつ」と読み、「うようきょくせつ」と読むのは間違いです。

それでは、「紆余曲折」の2つの意味について、「紆余曲折」の漢字の意味と一緒に見ていきましょう。

意味①:複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること

「紆余曲折」の一番メインの意味は「複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること」です。

意味②:道や川などが曲がりくねっていること

「紆余曲折」には「道や川などが曲がりくねっていること」という意味もあります。

細長い形状のものがくねくね曲がっている様子を表すことができます。

「紆余曲折」の漢字の意味

「紆余曲折」は「紆余」と「曲折」という2つの熟語を組み合わせた言葉です。

それぞれの熟語の意味は以下のとおりです。

  • 紆余:うねり曲がっていること
  • 曲折:俺が待っていること

「紆余曲折」は「曲がっている」という意味の2つの熟語を組み合わせた四字熟語なのです。

「紆余曲折」は似た意味の単語を重ねることで、「曲がっている」ことを強調しています。

「迂曲曲折」という言葉は存在しない

「紆余曲折」に雰囲気が似ている四字熟語に「迂曲曲折(うきょくきょくせつ)」があります。

しかし、「迂曲曲折」という言葉は実際には存在しないので注意が必要です。

「羽陽曲折」という言葉は存在しない

「羽陽曲折」という言葉もまた存在しません。

これは「紆余曲折」を間違えて「うようきょくせつ」と読んで漢字変換してしまった結果と考えられます。

「紆余曲折」の正しい読み方は「うよきょくせつ」です。

「紆余曲折」の使い方

「紆余曲折」は以下のような言い回しで用いられることが多いです。

「紆余曲折」のよくある言い回し
  • 紆余曲折の人生
  • 紆余曲折を経て
  • 紆余曲折の末
  • 紆余曲折のある

それぞれの言い回しについて、例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

「紆余曲折の人生」の使い方

「紆余曲折の人生」とは、さまざまな困難があって波乱が多かった人生を表す時に用いられる表現です。

冠婚葬祭や送別会などの場面で用いられることが多い言葉です。

例文
ここまで紆余曲折の人生でしたが、みなさんのおかげで無事定年を迎えられそうです。

「紆余曲折を経て」の使い方

「紆余曲折を経て」はこれまで多くの困難や波乱があったことを表す言い回しです。

プロジェクトなどが何らかの結末を迎えた時に用いられることが多いです。

例文
紆余曲折を経て、その新規事業はようやく軌道に乗った。

「紆余曲折の末」の使い方

「紆余曲折の末」はこれまで多くの困難や波乱があったことを表す言い回しです。

「紆余曲折を経て」と同じように使われます。

例文
紆余曲折の末、彼はついに解決策を見出した。

「紆余曲折のある」の使い方

「紆余曲折のある」は何かに多くの波乱や困難があることを示す表現です。

例文
紆余曲折のある道のりだったが、いよいよ業界1位の座が見えてきた。

「紆余曲折」の類義語

紆余曲折には以下のような類義語があります。

  • 試行錯誤(しこうさくご):いろいろ試して失敗しつつ正解に近づいていくこと
  • 二転三転(にてんさんてん):あるものの状況や状態が、何度も変わること
  • 五里霧中(ごりむちゅう):迷って物事の方針や見通しが立たないこと
  • 前途多難(ぜんとたなん):先に大きな困難があること
  • 多事多難(たじたなん):事件や困難が多いこと
  • 複雑多岐(ふくざつたき):事情が込み入っていて、さらに道筋が複数あること
  • 盤根錯節(ばんこんさくせつ):解決するのが非常に難しいほど、物事の事情が複雑であること
  • 曲折浮沈(きょくせつふちん):複雑に絡み合って面倒な問題のこと
  • 右往左往(うおうさおう):混乱してうろたえること
  • 悪戦苦闘(あくせんくとう):困難の中で苦しみながら努力すること
  • 山あり谷あり(やまありたにあり):良いこともあれば悪いこともあること
  • 行ったり来たり(いったりきたり):一歩進んではもとの場所に帰ってくる様子

「紆余曲折」と「試行錯誤」の違い

「試行錯誤」とは、色々試して失敗しつつ、正解に近づいていくことです。

「紆余曲折」と「試行錯誤」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:「さまざまな困難があって大変だった」というニュアンスが強い
  • 試行錯誤:「いろいろ試して解決策を見つけた」というニュアンスが強い

「紆余曲折」がこれまでの状況に対しての感想を述べる言葉なのに対して、「試行錯誤」はその人の努力について述べた言葉なのです。

どちらも困難があったのは同じですが、微妙にニュアンスが異なることがわかります。

「紆余曲折」と「二転三転」の違い

「二転三転」とは、状況や状態が何度も変わる様子を表す言葉です。

「紆余曲折」と「二転三転」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:目的自体が変わることはない
  • 二転三転:目的がコロコロ変わる

「紆余曲折」は目的に向かって困難を解決しながら向かっていく様子を表す言葉ですが、「二転三転」は目的自体を何回も変えてしまう様子を表すのです。

「紆余曲折」と「五里霧中」の違い

「五里霧中」とは迷ってしまい、物事の方針や見通しが立たなくなってしまった様子を表す言葉です。

「紆余曲折」と「五里霧中」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:「これまで困難を乗り越えてきた」というニュアンス
  • 五里霧中:「今困難に直面している」というニュアンス

「紆余曲折」は困難を乗り越えた後に過去を振り返って使う言葉ですが、「五里霧中」は困難に直面している最中に使われる言葉なのです。

「紆余曲折」と「前途多難」の違い

「前途多難」とは、先に大きな困難がある様子を表す言葉です。

「紆余曲折」と「前途多難」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:「何かを終えた時」に使われる言葉
  • 前途多難:「これから何かが始まる時」に使われる言葉

「紆余曲折」は過去の困難を振り返る言葉ですが、「前途多難」はこれから困難が待ち構えていることを表す言葉なのです。

たとえば、「紆余曲折の人生」だったら、これまでさまざまな困難があった人生のことを表します。

一方、「前途多難な人生」だったら、これから多くの困難が待ち構えていると予想される人生のことを表します。

「紆余曲折」と「多事多難」の違い

「多事多難」とは、事件や困難が多いことです。

「紆余曲折」と「多事多難」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:「困難なことも含めて色々あった」というニュアンス
  • 多事多難:「困難ばかりがたくさんあった」というニュアンス

「多事多難」が困難のみを指すのに対して、「紆余曲折」はポジティブなこともネガティブなことも含めて「色々あった」と表現する言葉なのです。

「紆余曲折」と「複雑多岐」の違い

「複雑多岐」とは、物事が複雑なさまを表す言葉です。

「紆余曲折」と「複雑多岐」には以下のような違いがあります。

  • 紆余曲折:「複雑な物事を経験してきた」というニュアンス
  • 複雑多岐:「複雑な物事」というニュアンス

つまり、「複雑多岐」は単に「物事が複雑であること」を表現していて、「それを経験してきた」というニュアンスはないのです。

そのため、「紆余曲折の末」「紆余曲折を経て」という言い回しがあるのに対して、「複雑多岐の末」などと言うことはできません。

「紆余曲折」の対義語

紆余曲折には以下のような対義語があります。

「紆余曲折」の英語訳

紆余曲折を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • meandering
    (曲がりくねった)
  • after many twists and turns
    (多くの曲折や回転の後)
  • with some bumps and detours
    (悪路や遠回りを経て)
  • had hard time, but
    (大変なこともあったが、)
  • Although it was complicated,
    (色々あったが)

“meandering” は、「川」や「道」などの「形が曲がりくねっているもの」に対してよく使われます。

それ以外の4つの表現は、文章の最初や最後に置くことで、「紆余曲折を経て」という言い回しと同じように用いることができます。

まとめ

以上、この記事では「紆余曲折」について解説しました。

読み方紆余曲折(うよきょくせつ)
意味複雑な事情のせいで物事の解決に手間取ること
類義語試行錯誤、二転三転、五里霧中など
対義語単純明快、直往邁進など
英語訳“meandering” (曲がりくねった)、“after many twists and turns” (多くの曲折と回転の後)など

世の中には、単純で思い通りにいくことは少ないですよね。

そのような複雑で大変な事態に直面した時は、「紆余曲折」したとしても最後まであきらめずに努力できると良いですね。