四字熟語「五里霧中(ごりむちゅう) 」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「五里霧中(ごりむちゅう)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「五里霧中」の意味をスッキリ理解!

五里霧中(ごりむちゅう):物事の判断がつかず、困惑していること。

「五里霧中」の意味を詳しく

「五里霧中」は、「どうしたら良いか分からず、進むべき方向を見失い物事の判断がつかないこと」を表す四字熟語です。

「里」というのは昔の長さの単位で、この四字熟語が生まれた中国において五里はおよそ2.5kmの距離を示しています。2.5kmの比較的広い範囲をすっぽりと覆う規模の「霧(きり)」の「中」にいるような状態を「五里霧中」といい、そこから転じて現在のような意味になりました。

山の頂上付近に発生する濃い霧や、忍者が使う煙幕(えんまく)をイメージすると良いでしょう。一歩先も見えないような濃い霧の中では、確かに物事の判断などつきません。

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「五里霧中」の使い方

深い霧の中にいるように、どうしたら良いか分からず、困惑している時に「五里霧中」は使われます。具体的な使い方としては以下のようなものがあります。

  1. 大学に入学した頃はどうしたら良いか分からず、まさしく五里霧中の状態だった。
  2. 事件は全く五里霧中のまま、時間だけが過ぎていった。
  3. これから世界がどう変化していくのか、私たちには五里霧中であります。

「五里霧中」はその意味から、ミステリー小説などに登場することも多いです。

また、稀に「五里夢中」と書いている人がいますが、それは誤りです。夢の中ではなく、あくまで霧の中にいるようにどうしたら良いか全く分からない状態を指す四字熟語ですから、きちんと「五里霧中」と記述するようにしましょう。

「五里霧中」の由来

「五里霧中」は中国の歴史書である『後漢書(ごかんじょ)』の中の「張楷伝(ちょうかいでん)」という話にその由来を持ちます。

古代中国の王朝の1つである後漢の時代に、張楷(ちょうかい)という人がいました。張楷は博識で機知に富んだ人物でしたが、官職(かんしょく)に就くことを嫌がり、山の奥に1人で暮らしていました。

 

そんな張楷は道術(どうじゅつ)を使うことができたといいます。道術とは、中国の宗教の1つである道教を信仰する人が使えるとされる祈祷(きとう)やおまじないなどの術のことです。仙術(せんじゅつ)とも呼ばれます。

『後漢書』の「張楷伝」によると、張楷はその道術を用いて「五里霧」という五里四方(2.5km四方)の霧を作りだし、自分の姿をくらませることができました。そのことを聞きつけた人が張楷に教えを乞おうとしましたが、「五里霧」によって会うことはできませんでした。

このように「五里霧中」という四字熟語は、張楷が使った道術の逸話からきています。本当に張楷が霧を生み出せたのかどうかは定かではありません。しかし、「五里霧中」はまるで張楷に教えを乞おうとして失敗した人のように、向かうべき方角が分からなくなり困惑してしまう様子を表す四字熟語として現代の我々に広く知られるようになりました。

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「五里霧中」の類義語

五里霧中には以下のような類義語があります。

  • 暗中模索(あんちゅうもさく):手がかりがない状態で、色々と試みること。また暗闇の中で、手探りでものを探すこと。
  • 曖昧模糊(あいまいもこ):物事がぼんやりとしており、はっきりしない様子。
  • 有耶無耶(うやむや):はっきりとしておらず、曖昧な様子。
  • 空空漠漠(くうくうばくばく):果てしなく広いこと。またぼんやりしている様子。

よく「五里霧中」とその類義語である「暗中模索」の意味を混同している人がいます。

「暗中模索」は確かに「五里霧中」のように手がかりがない状態を表しますが、「五里霧中」がどうして良いか分からず途方に暮れているのに対して、「暗中模索」は分からないながらも、何かをしようと試みているという違いがあります。

言うならば何もしないのが「五里霧中」、何かしようとしているのが「暗中模索」です。意味は似ていますが注意しましょう。

「五里霧中」の対義語

五里霧中には以下のような対義語があります。

  • 一目瞭然(いちもくりょうぜん):物事が一目見てはっきりとわかること。
  • 明明白白(めいめいはくはく):とてもはっきりとしている様子。

「五里霧中」の対義語には、進むべき方向ややるべきことがはっきりとわかっている様子を表す四字熟語が挙げられます。日常生活でも使うことが多いですね。

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「五里霧中」の英語訳

五里霧中を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • totally at a loss
    (途方に暮れる)
  • be all at sea
    (困り果てる)
  • mystified
    (迷わされた)

“at a loss”のみでも「途方に暮れた」という意味になりますが、 “totally” (完全に)を加えることでより「五里霧中」に近い意味を表すことができます。

“be all at sea”でなぜ「困り果てる」「途方にくれる」という意味になるのかイメージがしづらいかもしれませんが、「海の真ん中で周りに何もない状態」を想像すると覚えやすいでしょう。

まとめ

以上、この記事では「五里霧中」について解説しました。

読み方 五里霧中(ごりむちゅう)
意味 物事の判断がつかず、困惑していること
由来 後漢書の中の張楷が使ったとされる道術の逸話から。
類義語 暗中模索、曖昧模糊、有耶無耶など
対義語 一目瞭然、明明白白など
英語訳 “totally at a loss”, “be all at sea”など

何かに挑戦するとき、困難を乗り越えようとするとき、新しい環境に飛び込むとき、私たちは往往にして「五里霧中」の状態になることがあります。

たとえそうなったとしても投げやりにならず、「暗中模索」でも良いので一歩ずつ前進していくようにしましょう。

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