ことわざ「絵に描いた餅 」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「絵に描(か)いた餅(もち)」です。

言葉の意味・具体例・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「絵に描いた餅」の意味をスッキリ理解!

絵に描(か)いた餅(もち):言葉だけで、実現する見込みのない計画や企画のたとえ

「絵に描いた餅」の意味を詳しく


「絵に描いた餅」は、言葉だけで、実現する見込みのない計画や企画のたとえです。

考えた計画や企画は立派だが、実行が伴わないなどの理由により、実現する可能性が無い場合に使われます。

「絵に描いた餅」はマイナスな意味合いを持つことわざです。

使われる場面は多岐に渡りますが、批判として用いられることがほとんどです。

「絵に描いた餅」と「絵に描いたよう」の違い

「絵に描いた餅」と間違えやすい表現に「絵に描いたよう」があります。

「絵に描いたよう」はある物が「美しく素晴らしい様子を称賛する場合」「典型的な状態である場合」に用いる表現です。

たとえば、美しい景色を「絵に描いたような景色」と表現することがあります。また、典型的に幸せな家庭を「幸せを絵に描いたような家庭」と言い表すことができます。

「絵に描いた餅」とは正反対の意味であることがわかります。

「絵に描いたような餅」は誤用

「絵に描いた餅」と「絵に描いたよう」が混ざった、「絵に描いたような餅」は間違った表現なので注意しましょう。

「言葉だけで、実現する見込みのない計画や企画」のことを表したい時に用いないようにしましょう。

ただ、「絵に描いたような餅」は餅の見た目が素晴らしかったり、典型的な餅だったりする場合には誤用とは言えません。

「絵に描いた餅」の表記

「絵に描いた餅」には以下のような別の表記があります。

「絵に描いた餅」の別表記
  • 画(え)に描いた餅
  • 絵に画(か)いた餅

「絵に描いた餅」の具体例

この見出しでは、「絵に描いた餅」の具体例について見ていきましょう。

「絵に描いた餅」の具体例

受験生が1日の勉強のスケジュールを立てたとします。

そのスケジュールは一見、無駄がなく、完璧なものでした。

しかし、その受験生は立てたスケジュールをこなすことができませんでした。

この場合、立てたスケジュールは「絵に描いた餅」であると言えます。

このように、立派なのは形だけで、実現していない場合・実現する可能性が無い場合に、「絵に描いた餅」ということわざを使います。

「絵に描いた餅」の使い方

  1. あの政治家のマニフェストは素晴らしかったが、結局実現できず絵に描いた餅になってしまった。
  2. 君の考えた案は斬新だが、実現可能性は無く、所詮(しょせん)は絵に描いた餅だ。
  3. 目標が絵に描いた餅にならないよう、精進し続ける。

「絵に描いた餅」は①の例文のように、「実現できなかった計画」のことを指すことが多いです。

②の例文のように、「計画を実現するのが不可能だ」と言いたい時にも用いることができます。

「絵に描いた餅」の由来

「絵に描いた餅」は故事成語(こじせいご)の「画餅(がべい)」が由来の言葉だと言われています。

「画餅」が日本に入ってきた時に書き下され、「絵に描いた餅」ということわざとして浸透しました。

「絵に描いた餅」が日本で最初に使われた例は江戸時代の書物『為愚痴(いぐち)物語』の中にある「絵にかける餅飢えを癒さず」という一節だと言われています。

「絵に描いた餅」の由来になった「画餅」の語源は中国の三国時代の書物、『魏書(ぎしょ)』の中にある以下のような記述です。

選び挙(あ)ぐるに名有るを取る莫(なか)れ。名は地に描きて餅を作るが如(ごと)く、啖(くら)ふべからずなり。

現代語に訳すと、「人を登用するときは名声や評判だけで選んではならない。名声や評判は地面に描いた餅の絵が食べられないのと同じで、何の役にも立たない」という意味です。

役に立たないものの例として餅の絵を挙げたことから、「画餅」という言葉が生まれたのです。

ちなみに、ここで餅を例として挙げているのは、当時は餅が高級品だったからです。

「絵に描いた餅」の類義語

「絵に描いた餅」には以下のような類義語があります。

  • 机上(きじょう)の空論(くうろん):頭の中だけで考えた、実際には何の役にも立たない理論
  • 鞍(くら)掛け馬の稽古(けいこ):何の役にも立たない無駄な練習のこと
  • 畳(たたみ)の上の水練(すいれん):理屈ばかりで実際の訓練が欠けており、実際には何の役にも立たないこと
  • 画餅:物事が何の役にも立たないこと
  • 捕らぬ狸(たぬき)の皮算用(かわざんよう):手に入るかどうかわからないものを当てにして、あれこれと計画を立てること
  • 幻想(げんそう):非現実的なことをあるかのように思い描くこと
  • 理想論(りそうろん):現実を見ずに理想だけを主張すること
  • 絵空事(えそらごと):物事を誇張したりウソを言ったりすること
  • 空理空論(くうりくうろん):現実からかけ離れていて、実際には役に立たない考えや理論
  • 空中楼閣(くうちゅうろうかく):根拠がなく非現実的な考えや議論
  • 砂上の楼閣(さじょうのろうかく):見かけはりっぱだが長く維持できない物事のこと
  • 空想の産物(くうそうのさんぶつ):非現実的で価値や意味がないこと
  • 猫の首に鈴(ねこのくびにすず):計画段階では良いと思われるが、実際な困難なこと
  • 紙上に兵を談ず(しじょうにへいをだんず):実践を伴っておらず、役に立たないこと

「絵に描いた餅」の対義語

「絵に描いた餅」には以下のような対義語があります。

「不言実行」は、「あれこれと理屈を並べるなどをせずに、実行して確実に実を結ぶ」という意味の四字熟語です。

「絵に描いた餅」は、「言葉だけで、実現する見込みのない計画や企画」を意味するので、対義語であると言えます。

「絵に描いた餅」の英語訳

「絵に描いた餅」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • pie in the sky
    (当てにならない先の楽しみ)
  • castle in the air
    (空中の楼閣)
  • Armchair theory
    (机上の空論)
  • Looks good on paper
    (経歴だけは立派)

まとめ

以上、この記事では「絵に描いた餅」について解説しました。

読み方絵に描(か)いた餅(もち)
意味言葉だけで実現する見込みのない計画や企画のたとえ
由来『魏書』にある言葉から生まれた「画餅」
類義語机上の空論、鞍掛け馬の稽古、畳の上の水練など
対義語不言実行、明日の百より今日の五十
英語訳Pie in the sky(当てにならない先の楽しみ)など

「絵に描いた餅」の意味や使い方などを理解することはできたでしょうか。

計画や企画、目標などは、実行に移して初めて意味があります。

立派な計画を立てて満足せず、実行することが大切であるということは、日常生活から仕事、政治まで、広く当てはまります。

計画や企画、目標などが「絵に描いた餅」で終わらないよう、実現させることをしっかりと視野に入れて行動したいですね。