「猫の首に鈴」の意味とは?使い方から類義語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉はことわざの「猫の首に鈴(ねこのくびにすず)」です。

言葉の意味・由来・使い方・例文・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「猫の首に鈴」をざっくり言うと……

読み方猫の首に鈴(ねこのくびにすず)
意味とてもいい計画のように思えても、実現するのが困難だったり、実行するにも引き受け手がないこと
由来イソップ寓話の『ネズミの相談』
類義語机上の空論、絵に描いた餅など
英語訳Bell the cat.(猫に鈴を付ける)

「猫の首に鈴」の意味をスッキリ理解!

猫の首に鈴:とてもいい計画のように思えても、実現するのが困難だったり、実行するにも引き受け手がないこと

「猫の首に鈴」の意味を詳しく

猫の首に鈴とは、計画の段階では良い案でも、実行に移すのが難しいことを意味します。

言葉を補うと、猫の首に鈴を付けるのは良い案だが、実現するのは難しいとなります。なぜ良い案なのか、そもそも誰がこう考えたのかについては「猫の首に鈴の由来」の項目で詳しく説明します。

猫の首に鈴の意味が転じて、政界用語として「鈴を付ける」という言葉が使われるようになりました。意味は、問題を起こしそうな人が余計なことをしでかさないように見張ったり、釘をさしたりすることです。

「猫の首に鈴」の由来

猫の首に鈴は、イソップ寓話(ぐうわ)の『ネズミの相談』が元になって生み出された言葉です。

あらすじを簡単に説明します。ネズミたちは猫に酷い仕打ちを受けていたので、どうにか反撃できないかと集まって相談することにしました。そこであるネズミが、「猫が来たらすぐ分かるように、首に鈴を付けよう」と提案しました。

それは名案だとネズミたちは喜んだが、誰がそれを実行するかの話になったら、誰もその役を買って出ようとしませんでした。

このたとえ話から、名案でも実行するのに問題が生じる案を「猫の首に鈴」と表現するようになったのです。

「猫の首に鈴」の使い方

何かを成し遂げようと思った時、まず目標を立てます。そして、その目標を達成するために何をしたら良いか考え、計画を立てると思います。

受験勉強を例にとると、この大学に入りたいと思い立ってから、どの教科を重点的に勉強すべきか目標を立て、それを遂行するために勉強時間のスケジュールを組むことでしょう。

そのスケジュールを組む時、「毎日五百個の英単語を覚える」「毎日十時間は勉強する」などの計画はとても魅力的に見えると思います。しかし、個人差はあれど、これを毎日継続させるのは難しいことだと思います。

このような計画のことを、「猫の首に鈴」と表すことができます。

「猫の首に鈴」の例文

  1. 「無理難題を押し付ける上司に物申すなんて、猫の首に鈴を付けるようなこと誰がするんだ」
  2. テストで満点を取るためにあらかじめテスト問題を入手しようと決まったが、誰が取りに行くのか、猫の首に鈴のように決まらなかった。

「猫の首に鈴」の類義語

「猫の首に鈴」には以下の類義語があります。

  • 机上の空論:頭の中だけで考えだした、実際には使えない計画や理論
  • 言うは易く行うは難し:口で言うのは簡単だが、行動に移すのは困難であること
  • 絵に描いた餅:計画は見事でも実行が伴わないため、見掛け倒しであること

「猫の首に鈴」の英語訳

「猫の首に鈴」を英語に訳すと以下のような表現になります。

  • Bell the cat.
    (猫に鈴を付ける)

イソップ寓話の『ネズミの相談』の元々のタイトルは、いくつか呼び方がありますが、一般的に『Belling the Cat』として知られています。この言葉を翻訳して、「猫の首に鈴」となりました。

まとめ

以上、この記事では「猫の首に鈴」について解説しました。

読み方猫の首に鈴(ねこのくびにすず)
意味とてもいい計画のように思えても、実現するのが困難だったり、実行するにも引き受け手がないこと
由来イソップ寓話の『ネズミの相談』
類義語机上の空論、絵に描いた餅など
英語訳Bell the cat.(猫に鈴を付ける)

いくら良い案を出しても、引き受けてくれる人や実現の見通しが立てられなければ、せっかくの良い案も無意味なものになってしまいます。本当に優れた案は、それらの点も考慮されていると思うので、案を考えるときは「猫の首に鈴」にならないように注意しましょう。