自由闊達とは「細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま」という意味です。
自由闊達は、日常会話の中であまり聞かない言葉のため、意味を知らない人も多いのではないでしょうか。
正しい意味と使い方を知っておきたいですよね。
そこで、この記事では、自由闊達の意味や使い方を詳しく解説します。
☆「自由闊達」をざっくり言うと……
読み方 | 自由闊達(じゆうかったつ) |
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意味 | 細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま |
類義語 | 闊達自在 天空開闊 明朗闊達 など |
対義語 | 杓子定規 頑迷固陋 守株待兎 など |
英語訳 | generous(気前が良い) laid-back(のんびり) easy-going(のんきな) など |
「自由闊達」の意味
細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま
自由闊達は、「小さいことにこだわらず、広い視野で物事を捉えて、のびのびと思うままに行動すること」を表します。
自由 “豁” 達と表記することもあります。
ここからは、自由と闊達に分けて解説します。
「自由」の意味
自由は、「何にも縛られず、自分の心のままに行動すること」という意味です。
細かく分けると、以下の4つの意味があります。
- 自分の思うままに振る舞うこと
- 自分勝手でわがままであること
- 哲学用語で、自主的に行うことができること
- 法律で認められる範囲内のこと
自由奔放では、①の「自分の思うままに振る舞うこと」という意味で使われています。
自由の漢字には、それぞれ以下のような意味があります。
- 自
思いのまま - 由
したがう
「闊達」の意味
- 心が広く、細かいことにこだわらないこと
闊達は、「器が広く、小さなことにこだわらないこと」を表します。
闊達の漢字には、それぞれ以下のような意味があります。
- 闊
広い。大きい - 達
道が通れるようになる
つまり、自由闊達は、自由と闊達を組み合わせることで、「細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま」を表します。
「自由闊達」の使い方
自由闊達は、細かいことにこだらわらずのびのびとした状況を表す時に、ポジティブな意味で使います。
自由闊達は、以下のような言い回しでよく使います。
- 自由闊達な〇〇
〇〇には名詞が入る - 自由闊達に〇〇
〇〇には動詞が入る
上記を踏まえた上で、例文を見てみましょう。
- 彼は自由闊達な性格なので、しょっちゅう海外旅行に出かける。
- 母は自由闊達な気質だから、きっと笑って許してくれるだろう。
- 会議で斬新なアイディアを出すためには、自由闊達な雰囲気作りが必要だ。
- 御社の自由闊達な社風に惹かれました。
- 私の母校は、文化祭の進行を生徒たちにほとんど任せるなど、自由闊達な校風で有名だ。
- インターンシップ先のような、自由闊達な職場で働きたいと思った。
- 自由闊達な組織では新しいアイディアが生まれやすい。
- 自由闊達な議論をしたいので、この会議では毎回席替えをしたいと思います。
- 部署にとらわれず、社員の皆さんの自由闊達な意見をお待ちしています。
- だから、あなたもわが東北文化のために大いに自由闊達に、当時の思い出話を語って下さい。
[出典:太宰治『惜別』]
自由闊達は、「細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま」という意味です。
他人のことを考えず、自分の利益や都合だけを考える「自分勝手」のようなネガティブな意味では使いません。
「自由闊達」の類義語
自由闊達には以下のような類義語があります。
- 闊達自在(かったつじざい)
細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま - 天空開闊(てんくうかいかつ)
細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま - 明朗闊達(めいろうかったつ)
明るくほがらかで、小さいことににこだわらないさま - 悠々自適/悠悠自適(ゆうゆうじてき)
世間のうんざりするようなことから離れて、思いのままのんびり生活すること - 融通無碍(ゆうずうむげ)
行動や考え方が自由でのびのびとしていること - 虚心坦懐(きょしんたんかい)
①心にわだかまりがなく、気持ちがさっぱりしていること
②先入観がない素直な状態で物事にあたること - 縦横無尽(じゅうおうむじん)
思う存分に物事を行うこと - 自由自在(じゆうじざい)
自分の思うままにできること
「自由闊達」と「自由奔放」の違い
自由闊達と自由奔放には以下のような違いがあります。
- 自由闊達
心が広く物事にこだわらないこと - 自由奔放
何にもとらわれず、自分の思うままに振る舞うさま
つまり、自由奔放と自由闊達は「心が広い」という意味を含むかどうかが異なります。
「自由闊達」の対義語
自由闊達には以下のような対義語があります。
- 杓子定規(しゃくしじょうぎ)
全てをひとつの基準に当て嵌めようとする、融通のきかないやり方のこと - 頑迷固陋(がんめいころう)
考え方が柔軟でなく、正しい判断ができないこと - 守株待兎(しゅしゅたいと)
①古いしきたりに縛られて、融通がきかないこと
②偶然を当てにする愚かさのこと - 尾生之信(びぜいのしん)
①約束を守りぬくこと
②正直すぎて機転がきかないこと
「守株待兎」の意味
守株待兎は、「古いしきたりに縛られて、融通がきかないこと」という意味です。
守株待兎の由来は、以下の文章です。
木の切り株に隠れて、兎を待つ
つまり、守株待兎は、ウサギが偶然出てくるのをひたすら待つように、「偶然の幸運を当てにする愚かさ」を表します。
転じて、「古いしきたりを守ることに縛られて、その場で適切な対応ができないこと」を表します。
「尾生之信」の意味
尾生之信は、「約束を守りぬくこと」「正直すぎて機転がきかないこと」という意味です。
尾生之信は以下のように成り立っています。
- 尾生:人の名前
- 之:〜の
- 信:相手の言葉を疑わないこと
尾生之信の由来は、中国春秋時代の以下のような逸話です。
尾生は橋の下で待ちましたが、約束の時間になっても女性は現れず、待っているうちに大雨が降ってきて川の水が溢れてきました。
しかし、尾生はその場を立ち去らず、ずっと橋の下で女性を待ち続け、ついには橋の柱に抱きついたまま溺れて死んでしまいました。
このエピソードから、尾生之信は、「約束を守りぬくこと」と「正直すぎて機転がきかないこと」の2つの意味をもちます。
「自由闊達」の英語訳
自由闊達を英語に訳すと、次のような表現になります。
- generous
(気前が良い) - laid-back
(のんびり) - easy-going
(のんきな) - broad-minded
(心が広い) - free and easy
(くつろいだ) - free and vigorous
(自由で活発な) - open and natural
(開放的で自然な) - openhearted
(開放的な) - not fastidious
(気難しくない) - frank
(率直) - lively
(生き生きとした) - active
(活動的) - brisk
(活発)
「自由闊達」のまとめ
以上、この記事では自由闊達について解説しました。
読み方 | 自由闊達(じゆうかったつ) |
---|---|
意味 | 細かいことにこだらわらず、広い心で自分の思うままに振る舞うさま |
類義語 | 闊達自在 天空開闊 明朗闊達 など |
対義語 | 杓子定規 頑迷固陋 守株待兎 など |
英語訳 | generous(気前が良い) laid-back(のんびり) easy-going(のんきな) など |
自由闊達は、ポジティブな意味で使います。
自由という言葉を強調したい場合は、自由闊達を使ってみると良いでしょう。