今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「シニカル」です。
「シニカル」の意味・使い方・語源・類義語・対義語についてわかりやすく解説します。
☆「シニカル」をざっくり言うと……
英語表記 | シニカル(cynical) |
---|---|
意味 | 皮肉な態度や、あざ笑った態度、ひねくれた様子のこ |
語源 | ギリシャ語で「犬のような」という意味を表す“kynikos” |
類義語 | アイロニカル、ニヒルなど |
対義語 | ユーモラス、リスペクトなど |
「シニカル」とは?
「シニカル」の意味を詳しく
「シニカル」とは、皮肉な態度、またはあざ笑った態度、ひねくれた様子のことです。
つまり、相手を見下して馬鹿にする態度のことや、相手を信用していない様子を表します。
したがって、「シニカル」は悪意を含んだ言葉として使われます。
「シニカルリスニングモード」とは?
「シニカル」を使った言葉のひとつに「シニカルリスニングモード」があります。
「シニカルリスニングモード」とは、強いねじ曲がった先入観を持ち、会話で相手の話を聞こうとしない態度を取ることです。
「シニカルリスニングモード」ではあらかじめ「こうに違いない」という確固たる信念があり、相手に何を言われても意見を変えようとしないのです。
「シニカル」の使い方
- 私の上司はシニカルな性格で、深刻な相談をしてもまともに取り合ってくれない。
- 彼のシニカルな笑みは周囲の人を不気味がらせている。
- あのコメディアンは、シニカルな話し方をすることで有名だ。
上の例文のように、「シニカル」は、「態度」「表情」「話し方」などの様子を表現することに用いられることが多いでしょう。
具体的な「シニカル」の言い回しは以下のとおりです。
- シニカルな笑い
- シニカルな表情
- シニカルな態度
- シニカルな表現
- シニカルな作品
- シニカルな雰囲気
「シニカル」の語源
シニカルの語源はギリシャ語の “kynikos” です。
ギリシャには、古代ギリシャの時代に、文化的な生活を拒否し、犬のように食べ物をねだったりして、乞食の生活を送る者たちがいました。
この者たちは、社会に対して冷めた態度で臨む哲学的思想をもつグループに所属していました。
世の人々はこの集団を馬鹿にして、「犬のような」という意味をもつ “kynikos”(キュニコス)という名前を付けました。
そして、キュニコス派、または犬儒(けんじゅ)派と呼ぶようになりました。
このキュニコス派の社会に対して諦めた態度から、「皮肉な、人を馬鹿にした」という意味をもつ英単語 “cynical” の語源となったのです。
ちなみに、英語の “cynical” の意味は以下のとおりです。
- 冷笑的な
- 皮肉な
カタカナ語の「シニカル」とほぼ同じ意味であることがわかります。
「シニカル」の類義語
シニカルには以下のような類義語があります。
「シニカル」と「アイロニカル」の違い
「アイロニカル」は皮肉を含んでいる様子を表す言葉です。
「シニカル」と「アイロニカル」はどちらも「皮肉」を表します。
そんな「シニカル」と「アイロニカル」には以下のような違いがあります。
- シニカル:相手を馬鹿にするような悪意ある皮肉
- アイロニカル:実際と反対のことを言う悪意のない皮肉
「シニカル」には悪意が含まれているのに対して「アイロニカル」では悪意が含まれてないのです。
「シニカル」と「ニヒル」の違い
「ニヒル」とは、冷めていて虚無的な態度のことです。
「シニカル」と「ニヒル」には以下のような違いがあります。
- シニカル:相手に皮肉で冷ややかな態度を取ること
- ニヒル:相手に対して無感情で虚無的なこと
「シニカル」は相手に冷ややかな態度を向けていますが、「ニヒル」はただ無感情なだけなのです。
「シニカル」の対義語
「シニカル」には以下のような対義語があります。
まとめ
以上、この記事では「シニカル」について解説しました。
英語表記 | シニカル(cynical) |
---|---|
意味 | 皮肉な態度や、あざ笑った態度、ひねくれた様子のこ |
語源 | ギリシャ語で「犬のような」という意味を表す“kynikos” |
類義語 | アイロニカル、ニヒルなど |
対義語 | ユーモラス、リスペクトなど |
一口に「皮肉」と言っても、相手を馬鹿にしたものなのか、それともユーモアが含まれたものなのか、大いに異なります。
適切な理解をして、誤解が生じないように気を付けましょう。