今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「日進月歩(にっしんげっぽ)」です。
言葉の言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「日進月歩」をざっくり言うと……
読み方 | 日進月歩(にっしんげっぽ) |
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意味 | 日ごと月ごとに、絶えず神秘すること |
類義語 | 日就月将、日新月異、変態百出、生生流転など |
対義語 | 旧態依然、十年一日、現状維持、万古不易、酔生夢死、無為徒食など |
英語訳 | steady progress (安定した進歩)、rapid advance (急速な進歩)、ever-progressing (常に進歩している)など |
このページの目次
「日進月歩」の意味をスッキリ理解!
「日進月歩」の意味を詳しく
「日進月歩」には、日ごと月ごとに絶え間なく進歩するという意味と、急速に進歩するという意味があります。
「日進月歩」のよくある間違い
「日進月歩」には以下のような間違いがよくあります。
- ネガティブな意味で用いるのは間違い
- 「努力して少しずつ成長する」という意味では使わない
- 「日進月歩で進歩する」は二重表現
- 「日新月歩」という表記は間違い
それぞれの間違いについて詳しく見ていきましょう。
ネガティブな意味で用いるのは間違い
「日進月歩」はネガティブな意味では用いない言葉なので注意しましょう。
いくら「変化」でも、悪い方向への変化の時には用いません。
「努力して少しずつ成長する」という意味では使わない
「日進月歩」は「努力して少しずつ成長する」という意味では使わないので注意しましょう。
「日進月歩」は「絶え間なく急速に成長する」という意味の表現です。
進化の速度が遅かったり、断続的だったりする場合には用いません。
「日進月歩で進歩する」は二重表現
「日進月歩で進歩する」という表現は二重表現なので注意が必要です。
二重表現とは、同じ意味の言葉を2度重複させて使っている表現です。
「日進月歩」には「進歩する」という意味が含まれているため、「日進月歩で進歩する」は二重表現になってしまいます。
「日新月歩」という表記は間違い
「日新月歩」という表記は間違いなので注意しましょう。
正しくは「日進月歩」です。
「日進月歩」の使い方
- 21世紀の科学の発展のさまは正に日進月歩である。
- ネットメディアは日進月歩だ。日々、新たなサービスが開設されている。
- 彼にとってその5年間は、努力を絶やさずに成長し続けた日進月歩の期間であった。
- ドイツの戦後復興のスピードは、日進月歩と呼ぶにふさわしいものであった。
このように「日進月歩」はポジティブな意味で用いられることがほとんどです。
「〇〇は日進月歩だ」「日進月歩の〇〇」などの形で用いられることが多いです。
「日進月歩」の語源
「日進月歩」の正確な語源は不明です。
日本の故事にも、日本の説話にも登場しない言葉だからです。
ただ、「日進」の部分だけであれば、荀子(じゅんし)が記した『天論』に「君子敬其在己者、而不慕其在天者、是以日進也」というフレーズが出てきます。
これは「徳のある人格者は自分の努力を大切にし、天から与えられたものに期待することはない。それゆえに、彼らは日々進歩するのだ」という意味です。
よって、「日進月歩」は「日々進歩する」という意味の「日進」をもとに作られた言葉だと考えられています。
ちなみに、「月」は衛星の「月」を意味しているわけではありません。
「月」が意味するのは「1ヶ月、2ヶ月」と言った、時間の単位です。
ですので、「日進月歩」を字のままに読むと「毎日のように進み、毎月のように歩む」となります。
そこから転じて「日ごと月ごとに絶え間なく進歩すること」や「急速に進歩すること」という意味になりました。
「日進月歩」の類義語
「日進月歩」には以下のような類義語があります。
- 日就月将(にっしゅうげっしょう):日ごと、月ごとに進歩すること
- 日新月異(にっしんげつい):日ごと、月ごとに進歩していくこと
- 変態百出(へんたいひゃくしゅつ):次々に姿や形を変えて、変化に対応すること
- 生生流転(しょうじょうるてん):あらゆるものが常に生じ、変化していくさま
- 秒進分歩(びょうしんふんぽ):物事が急速に進化すること
- 点滴穿石(てんてきせんせき):わずかな力でも積み重なれば大きな力になること
- 飛躍的(ひやくてき):急激に進歩向上すること
- 急速(きゅうそく):物事の進み方が非常に速いこと
- 迅速(じんそく):物事の進み方がきわめて速いこと
- 急激(きゅうげき):急に激しい変化が起こること
- とんとん拍子(びょうし):物事が順調に進捗すること
「日進月歩」の対義語
「日進月歩」には以下のような対義語があります。
- 旧態依然(きゅうたいいぜん):昔の状態のまま、進歩や変化がまるでないこと
- 十年一日(じゅうねんいちじつ):長い年月が経っても、進歩や成長がないこと
- 現状維持(げんじょういじ):現在の状態を維持できるように努めること。現状が変化しないこと
- 千古不易(せんこふえき):いつまでも変化しないこと
- 酔生夢死(すいせいむし):一生、何もせず、無為に過ごすこと
- 無為徒食(むいとしょく):何もしないでただ過ごすこと
- 時代錯誤(じだいさくご):考え方や行動などが流れに逆行していて合わないこと
- 陳腐(ちんぷ):ありふれていてつまらないこと
- 色(いろ)あせた:人気が盛んな時期を過ぎて衰えが見られるさま
- ありきたり:もとからあって珍しくないこと
- 周回遅れ(しゅうかいおくれ)の:流行や話題から大きく遅れていること
- 代(か)わり映(ば)えしない:ずっと代わらないこと
「日進月歩」の英語訳
「日進月歩」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- steady progress
(安定した進歩) - rapid advance
(急速な進歩) - ever‐progressing
(常に進歩している) - fast
(速い) - quickly
(素早い) - a fast-moving
(素早い動き) - ever advancing
(進歩し続ける) - constantly advancing
(順調な進歩)
まとめ
以上、この記事では「日進月歩」について解説しました。
読み方 | 日進月歩(にっしんげっぽ) |
---|---|
意味 | 日ごと月ごとに、絶えず神秘すること |
類義語 | 日就月将、日新月異、変態百出、生生流転など |
対義語 | 旧態依然、十年一日、現状維持、万古不易、酔生夢死、無為徒食など |
英語訳 | steady progress (安定した進歩)、rapid advance (急速な進歩)、ever-progressing (常に進歩している)など |
「日進月歩」は非常にポジティブな意味で用いられることが多い言葉です。
そのため、「日進月歩」を座右の銘としている人も少なくありません。