ことわざ「火中の栗を拾う」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「火中(かちゅう)の栗(くり)を拾う」です。

言葉の意味や使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「火中の栗を拾う」の意味をスッキリ理解!

火中(かちゅう)の栗(くり)を拾う:自分の利益のためではなく他人の利益のためにあえて危険を冒すこと

「火中の栗を拾う」の意味を詳しく


「火中の栗を拾う」とは、自分の利益のためではなく他人の利益のためにあえて危険を冒すことという意味のことわざです。

このことわざを完全に理解するために押さえておくべきポイントは、その危険な行動を起こす目的が、「自分の利益のため」ではなく「他人の利益のため」ということです。

自分の利益のためにあえて危険を冒して行動する場合、「火中の栗を拾う」ということわざを使うことはできないのです。ちなみにその場合だと、危険だと知っておきながらあえて危険を冒すという意味を表す「危ない橋を渡る」ということわざを使うのが自然です。

 

また、他人だけでなく、会社や組織などの利益のために危険を冒すことを指します。とにかく自分以外の利益のために危険を冒すことが「火中の栗を拾う」ことです。

以上を踏まえると、「自分以外の利益が目的」「危険を冒して行動」の二点に合致した場合には、「火中の栗を拾う」ということわざが当てはまると考えることができます。

また、「火中の栗を拾う」は家族に対しても使うことができます。たとえ自分と深い関係にある家族でも、その家族にとっての利益だけが目的であれば、「自分以外の利益が目的」ということになるからです。

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「火中の栗を拾う」の使い方

  1. 重要な取引に失敗した部長のために、こんな危険な取引を担当するなど火中の栗を拾うようなものだ。
  2. これが火中の栗を拾うようなことであったとしても、私は親友を助けるために行動する。
  3. 今回のトラブルは会社の上層部の問題なのだから、君がわざわざ火中の栗を拾うことはない。

「火中の栗を拾う」の由来

「火中の栗を拾う」は、ジャン・ド・ラ・フォンティーヌというフランスの詩人が書いた寓話(ぐうわ)(※)に由来しています。

ジャン・ド・ラ・フォンティーヌは17世紀活躍したフランスの詩人で、『イソップ物語』を基にした寓話を書いたことで有名です。

 

「火中の栗を拾う」は、彼の『猿と猫』という寓話が由来となっています。

その話では、猿と猫の2種類の動物が登場します。内容としては、猿と猫が、暖炉の中で栗が焼けるのを見ていたところから始まります。猿は、一緒に見ていた猫に「君なら火の中の栗もうまく取り出せるんだろうね」という風にそそのかしました。

おだてられた猫はその気になって、暖炉の中から何とか栗を3個取り出すことができました。しかし、猫はひどいやけどを負ってしまったうえに、取り出した栗はすべて猿に食べられてしまいました。猿にそそのかされて危険を冒した猫は結局、踏んだり蹴ったりの結果となってしまったのです。

この寓話が基となり、自分の利益にはならないのに他人の利益のために危険を冒して行動して、時にひどい目に遭ってしまうことを「火中の栗を拾う」ということわざで表現するようになりました。

ちなみに中国にもまったく同じ語源、意味を持つ「火中取栗(かちゅうしゅりつ)」という言葉があり、現在では日本でも四字熟語として使われています。

  • 寓話(※):擬人化した動物を主人公とした、教訓や風刺を含む物語のこと。
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「火中の栗を拾う」の類義語

「火中の栗を拾う」には以下のような類義語があります。

  • 火中取栗:自分の利益のためではなく他人の利益のためにあえて危険を冒すこと
  • 危ない橋を渡る:危険だとわかっていながらあえて危険を冒すこと
  • 手を出して火傷(やけど)する:余計なことに首を突っ込んで痛い目にあうこと
  • 虎穴(こけつ)に入る:危険を冒すことのたとえ

意味の項目でも触れたように、「危ない橋を渡る」は「誰のために」の部分を特に限定していません。したがって、自分のためにも、他人のためにも使うことができます。

「火中の栗を拾う」の英語訳

「火中の栗を拾う」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • pull someone else’s chestnuts out of the fire.
    (火の外に他人の栗をつまみ取る)
  • take a risk for someone.
    (他人のために危険を冒す)
  • run risks for others.
    (他人のために危険を犯す)
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まとめ

以上、この記事では「火中の栗を拾う」について解説しました。

読み方火中(かちゅう)の栗(くり)を拾う
意味自分の利益のためではなく他人の利益のためにあえて危険を冒すこと
由来フランスの詩人であるジャン・ド・ラ・フォンティーヌの寓話、『猿と猫』
類義語火中取栗、危ない橋を渡る、手を出して火傷するなど
英語訳pull someone else’s chestnuts out of the fire.(火の外に他人の栗をつまみ取る)

「火中の栗を拾う」の意味や使い方など理解するポイントは、自分の利益のためではなく他人の利益のためということでした。

「危ない橋を渡る」とも混同されやすいことわざですが、そのことわざとの違いも「火中の栗を拾う」が他人の利益のためという点にあります。そのポイントを押さえておけば混同も避けられるでしょう。

危険を冒すことも時に必要であるかもしれません。しかし、このことわざの由来が典型的であるように、他人の利益のために危険を冒した結果、散々な目に遭うこともしばしばです。「火中の栗を拾う」ようなことはできるだけ避けていきたいところです。

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