「雲泥の差」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「雲泥の差(うんでいのさ)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「雲泥の差」をざっくり言うと……

読み方雲泥の差(うんでいのさ)
意味著しい違いや隔たりがあることのたとえ
由来白居易の詩『傷友』より
類義語天地の差、雲泥万里、月とすっぽんなど
対義語五分五分、大同小異、五十歩百歩など
英語訳wide difference(大きな違い)など

「雲泥の差」の意味をスッキリ理解!

雲泥の差(うんでいのさ):著(いちじる)しい違いや隔(へだ)たりがあることのたとえ

「雲泥の差」の意味を詳しく

「雲泥の差」は「2つのものの間に非常に大きな差があり、かけ離れているさま」という意味の表現です。

雲は天にあり、「雲の上の存在」のように、優れた人・身分が高い人のたとえとして使われることもあります。

一方、泥は地面にあります。

 

このことから「雲泥の差」は天と地のように対極にあり、大きな隔たりがあるものの関係を表した言葉です。

注意すべき点はただ単に遠く離れていることを表すのではなく、格差があることを示す言葉であることです。

どちらかが優れていて、どちらかが劣っていることを表現する際に使いましょう。

「雲泥の差」の使い方

  1. 私は絵を書くことが趣味だが、その出来栄えはプロの作品と雲泥の差がある。
  2. 同じ会社とは言え、部長の彼と平社員の僕とでは給料に雲泥の差があるよ。
  3. 次の試合で戦うチームとは実力が雲泥の差だ。到底勝てるとは思えない。

上記の例文のように、「雲泥の差」は自分を劣ったもののたとえである「泥」にたとえて、優れているものと大きく異なることを表す時に用いられることが多いです。

自分を優れたもののたとえである「雲」にたとえてしまうと嫌味になってしまうので注意しましょう。

「雲泥の差」の由来

「雲泥の差」の由来は唐代の詩人である白居易(はくきょい)の詩『傷友』です。

『傷友』の中にある以下のような一文が語源と言われています。

今日長安の道、対面雲泥を隔つ

(訳:今日、長安の道で出会ったのにあなたは振り向きすらしなかった。大きな隔たりを感じる)

日本では、菅原道真が編纂した漢詩文集『菅家文草(かんけぶんそう)』が最古の使用例だと言われています。

『菅家文草』には以下のような句が掲載され、天地に大きな隔たりがあることを示しています。

雲泥、地の高く卑しきことを許さず

「雲泥の差」の類義語

雲泥の差には以下のような類義語があります。

  • 天地の差:天と地ほどかけ離れていることのたとえ。非常に隔たりがあること
  • 雲泥万里(うんでいばんり):非常にかけ離れており、差があること。天にある雲と地上にある泥は万里ほどの差があることから
  • 月とすっぽん:月もすっぽんも丸く、一見形は似ているが、美しく輝く月と泥の中に住むすっぽんでは比べ物にならないほど差があるということ
  • 提灯(ちょうちん)に釣鐘(つりがね):どちらも吊り下げるものであるが、重さがまるで異なり、つり合わないこと
  • 雪と墨(すみ):2つのものの差が大きすぎて比べ物にならないことのたとえ
  • 天地雲泥(てんちうんでい):きわめて差が激しいこと
  • 鯨と鰯(くじらといわし):きわめて大きな差があること
  • 霄壌の差(しょうじょうのさ):極めて大きな違いがあること
  • 駿河の富士と一里塚(するがのふじといちりづか):かけ離れていて比較にならないこと
  • 箸に虹梁(はしにこうりょう):比べ物にならないほど差があること
  • 鍋蓋(なべぶた)とすっぽん:違いが大きすぎること
  • 天と地:大きな差があること
  • 灯心に釣鐘(とうしんにつりがね):差がとても大きいこと

「雲泥の差」と「月とすっぽん」の違い

「月とすっぽん」は「一見似ているが比べ物にならないほどの違いがあること」という意味の言葉です。

「雲泥の差」と「月とすっぽん」には以下のような違いがあります。

  • 雲泥の差:大きな違いがある
  • 月とすっぽん:一見似ているが大きな違いがある

「月とすっぽん」には「一見似ている」とニュアンスが加わるのです。

「雲泥の差」と「提灯に釣鐘」の違い

「提灯に釣鐘」は「まったく釣り合わず、比較にならないこと」という意味の言葉です。

「雲泥の差」と「提灯に釣鐘」には以下のような違いがあります。

  • 雲泥の差:大きな違いがある
  • 提灯に釣鐘:一見似ているが大きく異なり、釣り合わない

「提灯に釣鐘」には「一見似ている」というニュアンスと、「釣り合わない」というニュアンスが加わるのです。

「雲泥の差」の対義語

雲泥の差には以下のような対義語があります。

  • 五分五分(ごぶごぶ):双方とも互角で、優劣のないこと
  • 大同小異(だいどうしょうい):だいたいは同じで、細かい点にのみ違いがあるさま。大差がないこと
  • 五十歩百歩(ごじゅっぽひゃっぽ):多少の違いはあるが、本質的には同じだということ
  • 紙一重(かみひとえ):薄い紙一枚ほどのわずかな違い
  • 似たりよったり:違いがほとんどないこと
  • どんぐりの背比べ:ぱっとしない者同士が競い合っていること

「雲泥の差」の英語訳

雲泥の差を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • wide difference
    (大きな違い)
  • all the difference in the world
    (天と地の開き)
  • light and shade
    (天と地ほどの差)
  • A world of diffrence
    (劇的な違い)
  • chalk and cheese
    (チョークとチーズ)

まとめ

以上、この記事では「雲泥の差」について解説しました。

読み方雲泥の差(うんでいのさ)
意味著しい違いや隔たりがあることのたとえ
由来白居易の詩『傷友』より
類義語天地の差、雲泥万里、月とすっぽんなど
対義語五分五分、大同小異、五十歩百歩など
英語訳wide difference(大きな違い)など

「雲泥の差」はよく耳にしますが、実は漢字が難しいことわざです。

成り立ちから理解することで、漢字の間違いや細かな意味の間違いを正すことができます。

ぜひ、この記事を参考にしてみてください。