今回ご紹介する言葉は、熟語の「種々(しゅじゅ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「種々」をざっくり言うと……
読み方 | 種々(しゅじゅ) |
---|---|
意味 | 種類がたくさんあること |
類義語 | 多種多様、諸々、さまざまなど |
英語訳 | many(たくさんの)、various(さまざまの) |
「種々」の意味をスッキリ理解!
「種々」の意味を詳しく
「種々」は、品目がたくさんあることや、さまざまな物事があることを表しています。「種々」には「物事がたくさん集まって揃っている」というニュアンスがあり、物事がある程度グループ分けされていて、その種類がたくさんある状態を表現しています。
一方で、グループ分けがされておらず、単にさまざまなものが集まっている状態のこと「種々」を用いて「種々雑多」、「種々様々」と表すことができます。
また、「種々」は主に書き言葉として使われます。固い場面で使われることが多く、「種々のご対応」「種々承知いたしました」などのように、敬語とも併用されます。
「種々」の読み方について
種々には、3つの読み方があります。
- しゅじゅ
- しゅしゅ
- くさぐさ
また、「くさぐさ」は古い読み方です。古文などで「くさぐさ」と読まれていたことから、現代でもそう読むことがあります。
「種々」のように同じ言葉を繰り返す「々」の記号を「同の字点(どうのじてん)」「ノマ点」「漢字送り」などと呼びます。
「々」が付く言葉には、「時々(ときどき)」や「久々(ひさびさ)」のように二回目の言葉が濁ることが多くあります。
「種々」の使い方
- 夏の種々の食材を取り入れた料理をふるまう。
- 種々の事情により、納期が遅れてしまった。
- この度の不祥事に関しては、種々の取り計らい誠にありがとうございました。
すべての例文で、「たくさんの」「さまざまな」というニュアンスが共通しています。
①の例文は「夏のさまざまな食材を取り入れた料理をふるまう」という意味です。「種々」は「種々の~」という言い回しで使われることが多い言葉です。これ以外にも、日常会話では下記のような言い回しがよく使われます。
- 種々の事情で
- 種々の条件によって
- 種々ありがとうございます
- 種々確認しました
- 種々ご配慮
- 種々の取り計らい
②は、「さまざまな事情によって、納期が遅れてしまった」という意味の例文です。理由をひとつずつ説明せず、一言で「色々な事情があった」と言う際にこうした言い回しが使われます。
③は、ある不祥事に対してさまざまな取り計らいを受けたことに対し、感謝を述べている例文です。「種々」の使われ方は①②と同じです。
「種々」の類義語
「種々」には以下のような類義語があります。
すべての類義語に、「数が多い」「種類が多い」というニュアンスが共通しています。「諸々」「さまざま」「数々」は、「種々」と同様にビジネスシーンで使うことができます。一方、「色々」は話し言葉として使われることが多く、ビジネスシーンには適しません。
これらの類義語は人・物のどちらに対しても使えますが、特に人に対して「それぞれ異なる」という場合には「十人十色」「三者三様」などが無難です。
「十人十色」「三者三様」は「人それぞれ考え方や、取り組み方に違いがある」という意味の四字熟語です。「十人」「三者」と表現されていますが、これは人数を表しているわけではなく、「たくさんの人」という意味で使われています。誤用には注意しましょう。
「種々」の英語訳
「種々」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- many
(たくさんの) - various
(さまざまな)
「種々」を「たくさんの」という意味で訳す場合には “many” を、「多様な」「さまざまの」という意味で訳す場合には、 “various” を使いましょう。
まとめ
以上、この記事では「種々」について解説しました。
読み方 | 種々(しゅじゅ) |
---|---|
意味 | 種類がたくさんあること |
類義語 | 多種多様、諸々、さまざまなど |
英語訳 | many(たくさんの)、various(さまざまの) |
「種々」の意味や使い方について、この機会にしっかり確認しておきましょう。