「ステレオタイプ」とは?意味と使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ステレオタイプ」です。

「ステレオタイプ」の意味・具体例・使い方・つく言葉・語源・類義語・対義語・メリット・「ステレオタイプ」な人の特徴についてわかりやすく解説します。

「ステレオタイプ」の意味をスッキリ理解!

ステレオタイプ(stereotype):先入観、固定観念

「ステレオタイプ」の意味を詳しく

「ステレオタイプ」は「先入観」「固定観念」という意味のカタカナ語です。

多くの人が持っている「思い込み」や「信じ切っていること」を「ステレオタイプ」と言います。

アメリカの著作家・政治評論家であるウォルター・リップマンにより提唱された概念です。

「ステレオタイプ」には以下のような特徴があると言われています。

  • 過度に単純化されている
  • 不確かな情報や知識で誇張され歪められていることが多い
  • ステレオタイプを否定する証拠や経験に出会っても変化しにくい

また、「ステレオタイプ」は「考えを変えられない古い人間」というマイナスな意味でも使います。

そして、よくあるステレオタイプには以下のようなものがあります。

  • 性別
  • 人種・国籍・肌の色
  • 血液型
  • 職業

なお、「ステレオタイプ」は以下の分野によって意味が異なります。

  • 心理学
  • 介護分野
  • ジェンダー
  • プログラミング

それぞれの分野での意味について詳しく見ていきましょう。

心理学での意味

心理学では「ステレオタイプ」が詳しく定義されています。「集団やカテゴリーに属する人たちに対して、他の人々が持つイメージ」です。主に対人関係の用語で使います。

特に職業や性別といったイメージからどういった人間かある程度想像してしまうことです。たとえば、弁護士というと「真面目な人」というイメージがあります。

ちなみにこの固定観念なイメージを形成することを「ステレオタイプ的認知」と言います。

また、こうしたイメージを形成すると真実とズレが生じてしまい、差別や偏見の対象になりやすいという性質もあります。

介護分野での意味

介護分野でも「ステレオタイプ」は使います。最近よく使うのは、年配の人に対する「ステレオタイプ」です。

介護分野には「エイジズム」という単語があります。「高齢者は不健康」「高齢者は時代遅れ」という思い込みのことです。こうした悪い思い込みに関して「ステレオタイプ」を使います。

たとえば、「高齢だから」という理由で必ずしも介護しなければならないわけではありません。中には健康的な高齢の人もいます。

ジェンダーでの意味

ジェンダーに関しても「ステレオタイプ」を使います。ジェンダーとは「性」のことです。

「男だから強くあるべき」「女だから大人しくしなければならない」という性による思い込みです。

こうした考え方が昔からありますが、最近このような思い込みはよくないという風潮があります。

それが「ジェンダーニュートラル」で「性別に頼らない考え方」です。

プログラミングでの意味

「ステレオタイプ」はオブジェクト指向のプログラミングにおいても使います。

「統一モデリング言語」という意味のUMLがあります。UMLは人や言語の違いによって生じる表現の違いを統一をするものです。

たとえば、システムの設計図は書く人によって書き方が異なれば、読む人にとっては意味が分かりません。

そこで図を使って誤解を生じさせることなく誰にでも分かるようにしたものがUMLです。

 

そのUMLでアプリケーション、問題領域固有の意味をモデルに表現するために追加する文字列のことを「ステレオタイプ」と言います。

日常生活では使わないので覚えなくても大丈夫です。

「ステレオタイプ」の具体例

私達の周りにはさまざまな「ステレオタイプ」があります。

この見出しでは「ステレオタイプ」のうち、一般的な以下の3つについて詳しく見ていきましょう。

  • 性別
  • 血液型
  • 人種

性別の「ステレオタイプ」

性別には以下のようなステレオタイプがあります。

  • 男は力が強い
  • 女は愛想が良い など

もちろん、中には非力な男性もいますし、無愛想な女性もいます。

血液型の「ステレオタイプ」

血液型には以下のようなステレオタイプがあります。

  • A型は几帳面
  • O型は大ざっぱ
  • B型はわがまま
  • AB型は独創的

血液型のステレオタイプはまったく科学的な根拠がなく、日本以外では信じられていません。

人種の「ステレオタイプ」

人種には以下のようなステレオタイプがあります。

  • アメリカ人は陽気
  • イギリス人は紳士的
  • ドイツ人は規則を守る

人種のステレオタイプは人種差別につながりやすく、特に危険なものです。

「ステレオタイプ」の使い方

  1. 血液型に対するステレオタイプがある。
  2. ステレオタイプ人間だから仕方がない。
  3. オタクに関してのステレオタイプを取っ払いたい。
  4. ステレオタイプ思考にとらわれてはいけない。

「ステレオタイプ」は日常生活でよく使います。

①の例文の血液型は代表的な「ステレオタイプ」の例です。

②の「ステレオタイプ人間」とは「考え方が古い人」という意味です。

③の実例としては、「オタクの中にはファッションに気を使っている人がいる」などがあげられます。

 

④の「ステレオタイプ思考」とは、固定観念だけで物事を判断してしまうことです。

「ステレオタイプ」がつく言葉

「ステレオタイプ」がつく言葉には以下のようなものがあります。

  • ステレオタイプ人間
  • ステレオタイプ思考
  • ステレオタイプ脅威

それぞれの言葉の意味について詳しく見ていきましょう。

ステレオタイプ人間

「ステレオタイプ人間」とは、「型にはまった考え方しかできない人」のことです。

「考え方が古い人」という意味で用いられることもあります。

ステレオタイプ思考

「ステレオタイプ思考」とは、固定観念だけで物事を判断してしまうことです。

「ステレオタイプ思考」をしていると差別や偏見につながることがありますし、新しいアイデアも生み出せません。

ステレオタイプ脅威

「ステレオタイプ脅威」は否定的な「ステレオタイプ」にさらされた人が本来の実力を発揮できなくなってしまうことです。

この「ステレオタイプ脅威」を実証した実験では、以下のようなことが行われました。

黒人と白人に同じテストを受けてもらいます。

1回目はテストを受ける前に「このテストは能力を測定するためのものではない」と説明しました。

すると、黒人も白人も、テストの成績は同じくらいになりました。

 

2回目は「能力を測定するためにテストを行う」と説明しました。

すると、白人の成績はほとんど下がりませんでしたが、黒人の成績は下がってしまったのです。

「ステレオタイプ」の語源

「ステレオタイプ」の語源は英語の “stereotype” です。

“stereotype” はウォルター・リップマンにより作られた造語であり、印刷する時に使っていたステロ版が由来になっています。

ステロ版は印刷する時に使われる型であり、ステロ版を使うことで簡単に大量印刷が可能になります。

そんなステロ版のように、「多くの人が型を押したように同じように考えていること」という意味で “stereotype” という言葉ができました。

「ステレオタイプ」の類義語

「ステレオタイプ」には以下のような類義語があります。

  • バイアス:先入観
  • レッテル:思い込み
  • 偏見(へんけん):偏った見方のこと
  • 差別(さべつ):差をつけて扱うこと
  • 典型(てんけい):代表例になるようなこと
  • 先入観(せんにゅうかん):前もって抱いている固定的な観念
  • 画一的(かくいつてき):何もかも一様で個性や特徴がないこと
  • 固定観念(こていかんねん):凝り固まった考え方のこと
  • 既成概念(きせいがいねん):ある物事についてすでに出来上がっていること
  • 旧態依然(きゅうたいいぜん):昔のままで少しも進歩発展がないこと
  • 時代錯誤(じだいさくご):時代にそぐわないこと
  • 杓子定規(しゃくしじょうぎ):何でもひとつの規則で律しようとすること
  • 紋切り型(もんきりがた):決まりきったやり方のこと
  • 教科書どおり:良いとされる方法に忠実に行うこと
  • タブロイド思考:複雑な物事を単純化して把握する思考のこと
  • 判(はん)で押したような:決まりきっていること

バイアス

「バイアス」は「先入観」という意味です。

たとえば、「正常化バイアス」と言います。

自分にとって都合の悪いことを無視したり、大したことではないと思ったりすることです。

レッテル

「レッテル」は「思い込み」という意味です。

よく「レッテルを貼る」と言います。

たとえば、「臆病者というレッテルを貼られる」などと言います。

「ステレオタイプ」を押し付けることが「レッテル」です。

「ステレオタイプ」と「偏見」の違い

「偏見」は「中立的ではない偏った意見」のことです。

「ステレオタイプ」と「偏見」には以下のような違いがあります。

  • ステレオタイプ
    • 社会や集団に定着している考え方
    • ポジティブ・ネガティブどちらの意味でも用いられる
  • 偏見
    • 集団もしくは個人に定着している考え方
    • 基本的にネガティブな意味で用いられる

「ステレオタイプ」の対義語

「ステレオタイプ」には以下のような対義語があります。

  • 融通無碍(ゆうずうむげ):行動や考えが何の障害もなく自由で伸び伸びしていること
  • 臨機応変(りんきおうへん):状況に応じて適切な処置をすること
  • 変幻自在(へんげんじざい):思いのままに変化すること
  • 流動的な(りゅうどうてきな):その時々で動きが変わること
  • 柔軟な(じゅうなんな):容易に変化すること
  • 頭が柔(やわ)らかい:物事に対して柔軟なこと
  • 凝(こ)り固まらない:ものが凝って固くならないこと

「ステレオタイプ」のメリット

「ステレオタイプ」のメリットは情報を効率的に処理できることです。

私達の周りにはさまざまな情報がありますが、それらすべてを詳細に検討していたら思考が追いつかず、日常生活を満足に送れなくなってしまいます。

そこで、私達は「ステレオタイプ」を用いることで思考量を減らして生活しています。

「ステレオタイプ」で考えることは私達が生活していく上で不可欠なのです。

 

たとえば、あなたは自転車に乗っていて、数メートル先に小さい子供の背中が見えるとします。

この時に、あなたは「子供は予期せぬ行動を取るかもしれない」という「ステレオタイプ」を用いて、注意深く運転するはずです。

この時にもし「ステレオタイプ」で考えず、「子供の年齢は小学校低学年くらい。ふらふらせずまっすぐ歩いている。こちらにはまだ気づいていない」などと詳細に検討していたら、判断を下すまでに時間がかかり、事故を起こしてしまうかもしれません。

「ステレオタイプ」にとらわれた人の特徴

「ステレオタイプ」な人の特徴には以下のようなものがあります。

  • 平均的であることを好む
  • 思い込みが強い
  • 自分の意見がない

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

平均的であることを好む

「ステレオタイプ」にとらわれた人はほかの人と同じであることを好みます。

そして、ほかの人と違っていることを嫌悪します。

思い込みが強い

「ステレオタイプ」にとらわれた人には思い込みが強いという特徴があります。

そのため、一度経験したことは再度挑戦しても結果は変わらないと考えます。

自分の意見がない

「ステレオタイプ」にとらわれた人には自分の意見がありません。

常に周りの人に合わせて生活しています。

まとめ

以上、この記事では「ステレオタイプ」について解説しました。

英語表記ステレオタイプ(stereotype)
意味先入観、固定観念
語源英語のstereotype
類義語バイアス、レッテルなど
対義語融通無碍、臨機応変など
メリット情報を効率的に処理できる

「ステレオタイプ」は日常生活でもよく使う単語です。

やはり、意味が分からないと困る時もあります。

ぜひ、この記事を参考にして「ステレオタイプ」の意味や使い方を覚えましょう。