相即不離とは「2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと」という意味です。
相即不離の相即は、漢字を見てもどんな意味なのかわかりにくいですよね。
実は、相即は仏教用語で物事の働きが助け合うことを表すのです。
この記事では、相即不離の意味や使い方を詳しく解説します。
☆「相即不離」をざっくり言うと……
読み方 | 相即不離(そうそくふり) |
---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと |
類義語 | 不離一体 表裏一体 渾然一体 など |
関連語 | 不即不離 |
英語訳 | close relationship(密接な関係) strong relationship(強い絆) strongly close relationship(強く密接な関係) など |
「相即不離」の意味
2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと
相即不離は、「2つの異なるものの関係がとても密接で、切り離すことができないこと」という意味です。
「相(あい)即(つ)きて離(はな)れず」と表現することもあります。
ここからは、相即と不離に分けて解説します。
「相即」の意味
- (仏教用語で)物事の働きが助け合っていること
- 2つの物事が密接に関わっていること
相即は元々仏教用語で、物事の働きが助け合っていたり、ひとつになっていたりすることを表します。
仏教用語の意味から転じて、「2つの物事が密接に関わる」という意味ももつようになりました。
相即不離では、「2つの物事が密接に関わる」という意味で使われています。
「不離」の意味
離すことができない
不離は、文字通り、切り離すことができないことを表します。
つまり、相即不離は、2つの物事の関係が密接で、切り離すことができないことを表します。
「相即不離」の使い方
相即不離は、2つのものや、2人の関係性を表す時に使います。
相即不離は、以下のような言い回しでよく使います。
- 相即不離だ
- 相即不離である
- 相即不離の関係
例文を見てみましょう。
- 私と双子の兄は、どこへ行くのも何をするのも一緒で、まさに相即不離の関係だ。
- 運命の相手であれば、相即不離の関係だから、離れてもまたどこかで巡り会うだろう。
- わが社の取引先である製薬会社とは、両社にとって相即不離だと認識している。
- このチームは、選手一人ひとりとチームが相即不離だ。
- 高度国防国家の完成と最低生活の保証とは相即不離であることを痛感する。
[出典:種田山頭火『一草庵日記』] - 空間と時間との相即不離が明らかにせられる。
[出典:和辻哲郎『風土』]
「相即不離」の類義語
相即不離には以下のような類義語があります。
- 不離一体(ふりいったい)
ひとつになっていて、離れることがないさま - 表裏一体(ひょうりいったい)
①2つの物事の関係が密接で、切り離せないこと
②相反する2つのものでも、元々はひとつであること - 渾然一体(こんぜんいったい)
異なるものが溶け合い、区別がつかないこと - 三位一体(さんみいったい)
①3つのものが本質的には同じだということ
②3つのものが強く結びついていること - 一心同体(いっしんどうたい)
複数の人間の心と体が、ひとつになっているように強く結びついていること
「相即不離」と「不離一体」の違い
相即不離と不離一体は以下のような違いがあります。
相即不離 | 不離一体 | |
---|---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと | ひとつになっていて、離れることがないさま |
一緒になるもの | 2つのもの | 2つ以上のもの |
イメージ | 深く関係している | ひとつになっている |
相即不離と不離一体は、「2つのものかどうか」と「ひとつになっているかどうか」が異なります。
相即不離は、2つのものが深く関係していることを表します。
一方、不離一体は、2つ以上のものが合わさってひとつになっていることを表します。
「相即不離」と「表裏一体」の違い
相即不離と表裏一体は以下のような違いがあります。
相即不離 | 表裏一体 | |
---|---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと | ①2つの物事の関係が密接で、切り離せないこと ②相反する2つのものでも、元々はひとつであること |
相即不離と不離一体は、意味の数が異なります。
相即不離は、「2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと」という意味だけです。
一方、表裏一体は、「2つの物事の関係が密接で、切り離せないこと」と「相反する2つのものでも、元々はひとつであること」という意味をもちます。
「相即不離」と「渾然一体」の違い
相即不離と渾然一体は以下のような違いがあります。
相即不離 | 渾然一体 | |
---|---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと | 異なるものが溶け合い、区別がつかないこと |
一緒になるもの | 2つのもの | 2つ以上の異なるもの |
状態 | 切り離せない | 区別がつかない |
相即不離と渾然一体は、「一緒になるもの」と「状態」が異なります。
相即不離は、2つのものが切り離せないことを表します。
一方、渾然一体は、2つ以上の異なるものの区別がつかなくなることを表します。
「相即不離」と「三位一体」の違い
相即不離と三位一体は以下のような違いがあります。
相即不離 | 三位一体 | |
---|---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと | ①3つのものが本質的には同じだということ ②3つのものが強く結びついていること |
一緒になるもの | 2つのもの | 3つのもの |
相即不離と三位一体は、「一緒になるものの数」が異なります。
相即不離は、2つのものが切り離せないことを表します。
一方、三位一体は、3つのものが強く結びついていることを表します。
「相即不離」と「一心同体」の違い
相即不離と一心同体は以下のような違いがあります。
相即不離 | 一心同体 | |
---|---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと | 複数の人間の心と体が、ひとつになっているように強く結びついていること |
一緒になるもの | 2つのものやこと | 2人以上の人間の心と体 |
相即不離と一心同体は、「一緒になるもの」が異なります。
相即不離は、2つのものやことが切り離せないことを表します。
一方、一心同体は、2人以上の人間の心と体が強く結びつくことを表します。
「相即不離」の関連語
相即不離には以下のような関連語があります。
- 不即不離(ふそくふり)
2つのものが深く結びついていなく、離れてもいない関係のこと
不即不離は、「2つの異なるものの関係が近すぎず、離れすぎてもいないちょうど良い距離であること」という意味です。
「相即不離」の英語訳
相即不離を英語に訳すと、次のような表現になります。
- close relationship
(密接な関係) - strong relationship
(強い絆) - strongly close relationship
(強く密接な関係) - strongly attached to each other
(強く結びついている) - inseparable
(切っても切れない)
「相即不離」のまとめ
以上、この記事では相即不離について解説しました。
読み方 | 相即不離(そうそくふり) |
---|---|
意味 | 2つのものが互いに深く関係し合っていて、切り離せないこと |
類義語 | 不離一体 表裏一体 渾然一体 など |
関連語 | 不即不離 |
英語訳 | close relationship(密接な関係) strong relationship(強い絆) strongly close relationship(強く密接な関係) など |
相即不離は、切ろうとしても切れない密接な関係です。
相即不離の関係を築ける相手や、物事を見つけられると良いですね。