今回ご紹介する言葉は、熟語の「篤実(とくじつ)」です。聞きなれない言葉だ、という方も多いのではないでしょうか。
言葉の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
☆「篤実」をざっくり言うと……
読み方 | 篤実(とくじつ) |
---|---|
意味 | 情が深く誠実であること、そのような人柄 |
語源 | 中国の書物『易経』より |
類義語 | 温厚、誠実、至誠など |
対義語 | 不遜、不実、不義など |
英語訳 | A sincere person(篤実な人) |
「篤実」の意味をスッキリ理解!
「篤実」の意味を詳しく
「篤実」とは、情が深く誠実であること、またそのような人柄を表す熟語です。
他者を思いやった行動や言動を取り、真面目である人の性格を表します。
「篤(とく)」は日常的に見かけることの少ない漢字です。訓読みでは「篤(あつ)い」と読み、真面目で行き届いていること、または病気が重いことを表します。「篤実」では前者の意味で使われています。
「実(じつ)」も様々な意味を持つ漢字ですが、ここでは「誠実であること・真心・真実」という意味で使われています。
「篤実」は、誠実であることを表す「篤」「実」の二つの漢字を組み合わせることで、より意味を強調した言葉なのです。
また、「温厚篤実(おんこうとくじつ)」という四字熟語として使われることも多くあります。意味は温かで情に厚く誠実であることを示し、「篤実」と同じような意味・使い方をすることができます。
「篤実」の使い方
「篤実」は、文中では以下のように使われます。
- 彼は篤実な人柄で、周囲の皆から信頼されている。
- 温厚篤実な性格が、あの人の取り柄だ。
- 彼女の篤実さに惹かれる人は多い。
人の性格を表しており、褒める際に使う言葉です。
「篤実だ」というように形容詞として使われたり、「温厚篤実」と四字熟語として用いられたりと、様々な場面で使うことができます。
「篤実」の語源
「篤実」の語源は、古代中国の占いや哲学の本である『易経(えききょう)』にあります。『易経』は儒教の経典の一つでもある、非常に有名な書物です。
「剛健篤実(ごうけんとくじつ)にして輝光(きこう)日に新たなり」という一文が元になっています。
「輝光(きこう)」とは強い光のことです。文全体では、「粘り強く誠実に努力していれば、何か障害があってもそれに勝るほど輝くことができる」という意味を表します。「日々努力を重ねよう」という意味で、文章が丸ごと格言として使われることもあります。
この文の頭に含まれる「篤実」が、熟語として用いられるようになったのが語源です。
「篤実」の類義語
「篤実」には以下のような類義語があります。
誠実であることを表す言葉は多くありますが、「篤実」は誠実なだけでなく、特に情が深く穏やかな様を示します。使い分けられるようにしましょう。
「篤実」の対義語
「篤実」には以下のような対義語があります。
こちらも人の性格や行動を表す言葉ですが、悪い意味を示すので使う際には注意が必要になります。
「篤実」の英語訳
「篤実」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A sincere person
(篤実な人) - A true gentleman
(真に教養のある人物)
文章では、”He is a sincere person.”といったように使われます。
まとめ
以上、この記事では「篤実」について解説しました。
読み方 | 篤実(とくじつ) |
---|---|
意味 | 情が深く誠実であること、そのような人柄 |
語源 | 中国の書物『易経』より |
類義語 | 温厚、誠実、至誠など |
対義語 | 不遜、不実、不義など |
英語訳 | A sincere person(篤実な人) |
読み方や意味を覚えて、使ってみてください。