「秀逸(しゅういつ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「秀逸(しゅういつ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳・注意点についてわかりやすく解説します。

「秀逸」の意味をスッキリ理解!

秀逸(しゅういつ):他のものと比べて、ずば抜けて優れていること

「秀逸」の意味を詳しく

「秀逸」という熟語は、「他のものと比べて、ずば抜けて優れていること」という意味を持っています。

「秀逸」が表しているのは、あるものが「優れている」ことだけではありません。「他のものと比較した上で圧倒的な素晴らしさを持っている」というニュアンスも含んでいるのです。

「秀逸」が用いられる主な対象としては、詩歌(しいか)や記事といった文章形式の芸術作品が挙げられます。「秀逸な句」「秀逸な記事」のように使います。

その他、絵画や映画といった一般的な芸術作品にも「秀逸」が用いられることがあります。

書道における「秀逸」

「秀逸」は、書道の賞でも使われています。

コンクールの規模や種類にもよりますが、書道の賞は基本的に上から以下のような順番となっています。

特別賞>推薦>特選>秀逸>佳作>入選>落選

「秀逸」とは「抜きんでて優れている作品」という意味の賞です。

ネット用語としての「秀逸」

「秀逸」は、最近ではインターネット上でもよく用いられる言葉です。

素晴らしいアイディアや大喜利のような切り返し、センスのあるジョークに対して、「感心する」「笑える」といった感想を表す際に用います。

たとえば、他のものより優れて面白かった掲示板のトピックを「秀逸なスレ(スレッド)」と呼びます。他にも「秀逸なコメント」「たとえが秀逸」のように使います。

また、インターネット百科事典のWikipediaは不特定多数の人が編集できますが、その中でも内容が充実した高い完成度の記事は「秀逸な記事」としてまとめられています。

「秀逸」の使い方

「秀逸」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. これは、豊富な経験に基づいて書かれた秀逸な記事だ。
  2. お年寄りの方が書いた川柳が秀逸だと話題になっている。
  3. 彼が見せた、怒った人をなだめる方法は秀逸だった。
上記の例文のように、「秀逸」は「秀逸な」「秀逸である」という形で使われるのが一般的です。

「秀逸」の語源

「秀逸」という熟語は、用いられている漢字の意味を知ると、語源から意味を深く理解できます。

「秀逸」の漢字の意味
  • :他よりも抜きんでて優れていること
  • :世間的な枠を抜けで優れていること
まず「秀」には、「優れている」の他に「他よりも抜きんでている」という意味があります。

次に「逸」は、「世間的な枠を抜け出て、優れている」という意味です。

「逸材」と「逸品」が、それぞれ優れた才能と作品を意味しているのを思い浮かべれば、意味のイメージが湧きやすいでしょう。

意味の似ているこれら二つの漢字を合わせて、「秀逸」は「一般的な枠を超えているほど、他のものよりも優れていること」という意味を持っているのです。

「秀逸」の類義語

秀逸には以下のような類義語があります。

  • 傑出(けっしゅつ):数あるものの中でも特に優れていること
  • 出色(しゅっしょく):他のものより目立って優れていること
  • 屈指(くっし):多くの中で、特に数え上げるに値するほど優れていること
  • 抜群(ばつぐん):多くのものの中で、抜きん出ていること
  • 秀抜(しゅうばつ):他より抜きん出て優れていること
  • 随一(ずいいち):多くのものの中の第一位
  • 珠玉(しゅぎょく):真珠と宝石のように美しいもの、立派なもの
  • 俊逸(しゅんいつ):学問・才能などが人に抜きん出て優れていること
  • 優秀(ゆうしゅう):他のものと比べて優れていること
  • 卓抜(たくばつ):他のものをはるかに抜いて優れていること
  • 卓越(たくえつ):群を抜いて優れていること
  • 白眉(はくび):多数あるもののうち、最も優れているものや人のたとえ
  • 非凡(ひぼん):平凡でないこと
  • 傑物(けつぶつ):傑出した人物
  • 最高(さいこう):物事の程度が特に高いこと

これらの熟語は、「他の多くのものと比較して、特に優れている」という意味が「秀逸」と共通しています。

しかし、「秀逸」が基本的に詩や歌、文章などの作品に用いられるのに対して、これらの類義語を用いることのできる対象は異なっています。

それぞれの意味の違いを理解して、上手く使い分けましょう。

「秀逸」と「傑出」の違い

「秀逸」と「傑出」の違いは以下の通りです。

  • 秀逸:「人物」に対しては使わない
  • 傑出:「実力や才能、人物」に対して使う
「傑出」は、優れた「実力や才能」を表すのによく使われます。

「才能が傑出している」「傑出した人物」などと使います。

「秀逸」を人物に対して使うのは誤りです。「秀逸な人」とは言わないので注意しましょう。

「秀逸」と「出色」の違い

「秀逸」と「傑出」の違いは以下の通りです。

  • 秀逸:作品そのものに対して使うことが多い
  • 出色:作品の「出来映え」に対して使うことが多い
「出色」も「秀逸」と同様に、他より優れた作品の褒め言葉として使われることが多い言葉です。

「秀逸」は、「この短歌は秀逸だ」「彼女の作品は秀逸だ」など圧倒的な優れた作品そのものに対して使います。

一方、「出色」は「出色の出来映え」「出色の出来」など作品の「出来映え」と結び付けられることが多いです。

「秀逸」と「抜群」の違い

「秀逸」と「抜群」の違いは以下の通りです。

  • 秀逸:考え方や文章作品に対して使う
  • 抜群:優れた能力や、優れている程度を表す
「抜群」は、他より優れている能力やどれくらい優れているかを強調するときによく使います。

ゲームの『ポケットモンスター』では、攻撃した技のタイプが、敵の弱点となるタイプだった場合、「こうかはばつぐんだ!」という決まり文句が出てきます。「効果は秀逸だ」とは言いません。

「抜群」は、「スタイルが抜群」「抜群のセンス」など能力に対して使ったり、「絵が抜群に上手い」といった他より抜きん出ている程度を表したりするときに使います。

「秀逸」と「屈指」の違い

「秀逸」と「屈指」の違いは以下の通りです。

  • 秀逸:比べる範囲は定まっていない
  • 屈指:「上位から数える」というニュアンスがある
「屈指」は、「上位から指を折って数える」というニュアンスがあり、「いくつかの内の一つ」と指せる範囲は決まっています。

たとえば、「社内屈指の営業成績」や「世界屈指のホテル」というように用いられます。

「秀逸」と「俊逸」の違い

「俊逸」とは、「学問・才能などが人に抜きん出て優れていること」を意味します。読み方は「しゅんいつ」です。

「秀逸」と「俊逸」の違いは以下の通りです。

  • 秀逸:考え方や文章作品に対して使う
  • 俊逸:優れている学問や才能に対して使う
「俊逸」の「俊」という漢字には、「才能と知恵が飛び抜けている」という意味があります。

「秀逸」と「俊逸」は読み方の似ている熟語ですが、指す対象が微妙に異なります。注意して使い分けましょう。

「秀逸」と「優秀」の違い

「優秀」とは、「他のものより優れている」という意味です。

「秀逸」と「優秀」には以下のような違いがあります。

  • 秀逸:作品やアイデアなどがすぐれていること
  • 優秀:人の能力などが優れていること

「秀逸」と「優秀」では指す対象が異なるのです。

意外と知らない!「秀逸」と「優秀」の違いをわかりやすく解説

「秀逸」の対義語

「秀逸」には以下のような対義語があります。

  • 劣等:成績や品質などの等級が劣っているもの
  • 劣悪:内容・状態・性質などが他よりひどく悪いこと
  • 平凡:その他大多数とたいした違いがないこと
  • 凡庸(ぼんよう):平凡でとりえのないこと
  • 平均:大小・多少などの差が少なく、そろっていること
  • 普通:特に変わっていないこと、ごくありふれたもの
  • 遜色(そんしょく):他に比べて劣っていること
  • 拙悪(せつあく):劣っていて粗悪なこと

「秀逸」の英語訳

秀逸を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • excellent
    (優秀な)
  • superb
    (他を圧するほど素晴らしい)
  • splendid
    (素晴らしい、際立った)

どちらも「優れている」という意味を表す形容詞の英単語です。

“superb” には「他よりも」という比較のニュアンスがあります。

「秀逸」の注意点

優れていることを意味する「秀逸」は、一見ポジティブな言葉ですが、以下のような注意点があります。

「秀逸」の注意点
  1. 人に対して用いることはできない
  2. 他ジャンルと比較することはできない
  3. 「秀悦」という言葉は存在しない

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

注意点①:人に対して用いることはできない

「秀逸」という言葉を使う際の一番のポイントは、「人以外」に対して使うことです。

「秀逸な人だ」という表現をもありますが、厳密には、人にはあまり使わない表現です。

「アイディアが秀逸」「秀逸な発想」のように、人以外のものや考え方に対して使用します。

注意点②:他ジャンルと比較することはできない

「秀逸」は他のジャンルと比較して使うことはできません。

たとえば、「彼の才能は、文学より芸術の方が秀逸だ」といった表現は間違いになります。

「秀逸」を使う場合は、「彼の新作は、同じテーマで他の作家が書いた作品よりも秀逸だった」というように、同じジャンルの中で比較する必要があるのです。

注意点③:「秀悦」という言葉は存在しない

「秀逸」と似た漢字のつくりで、ネットで散見する言葉に「秀悦」があります。

「悦(えつ)」は「悦ぶ(よろこぶ)」という意味の漢字です。「秀悦」も「よろこぶほど秀でている」といった良いイメージがありそうな言葉です。

しかしながら、「秀悦」という言葉はなく、誤りです。

 

「しゅうえつ」や「ひでよし」など人名として「秀悦」と書く場合がありますが、「秀逸」の代替となる熟語ではありません。

「しゅういつ」と「しゅうえつ」という発音が似ていますが、書き間違えないよう注意しましょう。

まとめ

以上、この記事では「秀逸」について解説しました。

読み方秀逸(しゅういつ)
意味他のものと比べて、ずば抜けて優れていること
語源「他より抜きんでる」という意味を持つ漢字から
類義語傑出、出色、屈指、抜群など
対義語劣等、劣悪、平凡、凡庸など
英語訳excellent(優秀な)、superb(他を圧するほど素晴らしい)、splendid(際立った)
注意点①:人に対して用いることはできない
②:他ジャンルと比較することはできない
③:「秀悦」という言葉は存在しない

長い人生には、困難な問題がたくさんあるでしょう。そういう時には、秀逸な作品から学び、「秀逸だ」と言われるような対応ができるといいものですね。

「秀逸」という熟語をいざ使う場面が来た時のために、しっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。