「凡庸」の意味とは?読み方は?使い方から類義語や対義語や英語まで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「凡庸(ぼんよう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「凡庸」をざっくり言うと……

読み方凡庸(ぼんよう)
意味優れた所のないこと
類義語平凡、人並、庸劣など
対義語非凡、偉大、逸材など
英語訳mediocre(凡庸な、優れていない)

「凡庸」の意味をスッキリ理解!

凡庸(ぼんよう):優れた所のないこと、取り柄がないこと

「凡庸」の意味を詳しく

「凡庸」とは、平凡で特に優れたことがないこと、取り柄のないことを表す言葉です。

「凡」「庸」のどちらにも、「普通である」という意味が含まれており、「平凡である」という意味を強調しています。

ただし、「凡庸」には「普通である」という意味に加え、「優れたところがない」「取り柄がない」というネガティブな意味を含んでいます。そのため、使用する際には注意が必要です。

「凡庸」と「汎用(はんよう)」の違い

「凡庸」と読み方が似た言葉に、「汎用(はんよう)」という言葉があります。よく混同されますが、それぞれの意味は大きく違います。

「凡庸」と「汎用」の違い
  • 凡庸:優れたところがなく、普通であること
  • 汎用:ひとつの物を、広くいろいろなことに用いること
「汎用」は、「ひとつの物を、広くいろいろなことに用いる」という意味の言葉です。これは、「汎」という漢字が持つ「広く行き渡る」という意味に由来します。

上記のように、「凡庸」と「汎用」の意味を比べるとまったく異なる意味の言葉であることが分かります。また、「汎用」が「便利で使い勝手がいい」というニュアンスなのに対し、「凡庸」は「ありふれた、普通である」という意味である点も違いです。

「汎用」の誤読に注意

「汎用」を「ぼんよう」と読むのは誤りです。「汎」の字は「凡(ぼんよう)」と似ていますが、異なる意味を持つ漢字です。正しくは「はんよう」ですので、しっかりと覚えておきましょう。

「凡庸」と「汎用」の違いとは?意味までわかりやすく解説

「凡庸」の使い方

  1. 凡庸な毎日から抜け出したいが、家族を思うとなかなかチャレンジできない。
  2. この製品はあまりに凡庸なできだ。
  3. 家族との凡庸な時間こそ、かけがえのない時間だと気づいた。
すべての例文で、「優れたところがない」という意味が共通しています。「凡庸」は、時間や物、人などさまざまな事象に対して使うことができます。

 

「凡庸」は以下のような言い回しで使用されます。

  • 凡庸な~
  • ~の凡庸さ
  • 凡庸である
「凡庸性」という言い回しは誤用です。「汎用性」の誤用表現ですので、注意しましょう。

「凡庸な悪」について

「凡庸」を用いた、政治用語として「凡庸な悪」というものがあります。

「凡庸な悪」とは、「思考停止させ、外的な規範に従ってしまうこと」を意味する言葉であり、政治哲学者ハンナ・アーレントにより提唱されました。

ハンナ・アーレントとは
ハンナ・アーレントとは、ドイツ出身の政治哲学者・思想家です。第二次世界大戦中に、ナチズムが台頭したドイツから、アメリカ合衆国に亡命しました。その後、教鞭をふるい、主に政治哲学の分野で活躍し、全体主義を生みだす大衆社会の分析で知られています。

 

「凡庸な悪」はナチス政権による、ユダヤ人迫害の原因を述べる際に用いられました。現在では、「盲目的に周囲に流され、悪事を行うこと」のような意味として使用されています。

「凡庸」の類義語

「凡庸」には以下のような類義語があります。

  • 平凡:並みであること
  • 無難:平凡であること
  • 人並:世間一般の人と同じ程度であること
  • 凡下(ぼんげ):優れた所がなく劣っていること
  • 庸劣(ようれつ):平凡で劣っていること
  • 月並:あふれていて新鮮味がないこと
「平凡」「無難「人並」は「普通である」という意味で、類義語だと言えます。一方で、「凡下」「庸劣」は「優れていない」という意味で、類義語だと言えます。

「凡庸」の対義語

「凡庸」には以下のような対義語があります。

  • 非凡:平凡でないこと
  • 偉大:普通でなく、優れていること
  • 稀有(けう):めったにない、珍しいこと
  • 特異:普通と異なり特別なこと
  • 逸材:すぐれた才能、また、それを持つ人
対義語には、「普通でない」というニュアンスが共通しています。

「凡庸」の英語訳

「凡庸」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • mediocre
    (凡庸な、優れていない)
  • average
    (平均的な)
「凡庸」の英訳には、“mediocre” が用いられます。一方で、 “average” 「凡庸」の「普通である」という意味を強調したい場合に使用します。

まとめ

以上、この記事では「凡庸」について解説しました。

読み方凡庸(ぼんよう)
意味優れた所のないこと
類義語平凡、人並、庸劣など
対義語非凡、偉大、逸材など
英語訳mediocre(凡庸な、優れていない)

「凡庸」は日常会話でもよく使用する言葉です。一方で、「汎用」と混同されやすい言葉でもあるため、意味や使い方を改めて確認しておきましょう。