ことわざ「敵に塩を送る」の意味と使い方:例文付き

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今回ご紹介する言葉は、ことわざの「敵に塩を送る」です。

言葉の意味・使い方・由来・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「敵に塩を送る」の意味をスッキリ理解!

敵に塩を送る:敵が苦しんでいるときに、弱みにつけ込もうとするのではなく、苦しみから救う行為をすること

「敵に塩を送る」の意味を詳しく

「敵に塩を送る」は、敵が苦しんでいるときに、弱みにつけ込もうとするのではなく、逆に苦しみから救う行為をすることを意味することわざです。「正々堂々」「真っ向勝負」と意味的に通じる部分があり、相手と自分が最善の状態で戦いたい、というニュアンスが含まれています。

敵というと戦争の相手方をイメージしがちですが、スポーツの対戦相手や競合企業の社員など、立場上競争をしている相手であれば該当します。

また、苦しみというと普通は肉体的苦痛・精神的苦痛を意味しますが、単純に相手が困っている場合などにも使います。

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「敵に塩を送る」の使い方

  1. 長年敵対している国が、大規模災害で甚大な被害を受けている。敵に塩を送ることになるが、国際的な自国評価を上げるために、寄付金を送ろう。
  2. 昨日の卓球大会で、決勝戦を前に対戦相手はラケットを無くしていた。敵に塩を送るようなことになるため、一瞬ためらったが、正々堂々勝負するために予備のラケットを手渡した。

「敵に塩を送る」の由来

「敵に塩を送る」は、戦国時代の武将である上杉謙信の逸話から出来たことわざです。

1567年に、甲斐(現在の山梨県)を領地とする、戦国武将の武田信玄は、駿河(現在の長野県)の今川氏と相模(現在の神奈川県)の北条氏から、「塩止め」を受けていました。

「塩止め」とは、ある地域(甲斐)へ塩を売ることを禁止する行為です。これにより、海に面していない駿河の人々は、塩不足に陥りました。当時、塩は調味料としてのみではなく、食べ物の保存に必要不可欠なものでした。

そんなとき、武田信玄と対立しているはずの上杉謙信が、甲斐の人々を助けるために、塩を送らせたと言われています。この敵国であるはずの甲斐を助けた行動から、現在の意味が定着しました。

「敵に塩を送る」は本当にあったのか?

研究では、「上杉謙信は塩を送っていなかった」という説があります。

上杉謙信が塩を送った根拠の1つとなったのは、『謙信公御年譜(けんしんこうごねんぷ)』の記述です。これによると、上杉謙信は、「人道に背くことはせず、弓矢で闘うべき」という旨の主張をしたとされています。しかし、『謙信公御年譜』の内容には、間違いがあることが指摘されています。

また、甲斐に塩を送ったのは本当であるものの、塩不足の地域で、商人が塩を売りさばいただけであったという説もあります。

正確な真偽のほどは分かっていませんが、純粋な思いやりから、塩を送ったわけではないと考えられることが多いです。

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「敵に塩を送る」の英語訳

「敵に塩を送る」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • show humanity even to one’s enemy
    (敵に思いやりを見せる)

“humanity” は、「人類」という意味の他に、「人間性、人間らしさ」「思いやり」という意味があります。

まとめ

以上、この記事では「敵に塩を送る」について解説しました。

読み方 敵に塩を送る
意味 敵が苦しんでいるときに、弱みにつけ込もうとするのではなく、逆に苦しみから救う行為をすること
由来 上杉謙信が、対立する武田信玄に塩を送ったという逸話
英語訳 show humanity even to one’s enemy (敵に思いやりを見せる)

敵に塩を送ったというエピソードが本当であれば、非常にかっこいいですね。

しかし、当時は戦国時代であり、日本が未だ1つになっていませんでした。争いや裏切りも絶えなかった時代です。理想的で人道的な行動ばかりでは、武将として生き残れなかったのかもしれません。

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