今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「満身創痍(まんしんそうい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「満身創痍」をざっくり言うと……
読み方 | 満身創痍(まんしんそうい) |
---|---|
意味 | 全身が傷だらけの状態のこと |
類義語 | 疲労困憊、百孔千瘡、半死半生など |
対義語 | 平穏無事、元気溌剌、無病息災など |
英語訳 | “have wounds all over one’s body” (体中に傷を負っている)、“be worn out” (疲労困憊である) など |
このページの目次
「満身創痍」の意味をスッキリ理解!
「満身創痍」の意味を詳しく
「満身創痍」は「体中全身にケガをしている状態」という意味です。
ここから転じて以下のような状態も指すことができます。
- 体が疲れきっている状態
- 精神的に弱り切っている状態
- ひどい非難を受けること
- 病気で苦しむこと
肉体的な状態から精神的な状態まで広く表せることがわかります。
ちなみに、「病気で苦しむこと」という意味の時は「病気に加えて怪我もしている状態」「病気による精神的な疲労が深い状態」の場合に用いられるのが一般的です。
「満身創痍」の使い方
「満身創痍」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。
- サッカー日本代表は試合の前半から敵チームの激しい攻撃にあい、ディフェンスの選手らは既に満身創痍である。
- 無実の罪で親友に非難された上に、その日のバイトでも失敗をして先輩に怒られてしまった彼女は満身創痍の状態だ。
- 彼はこの一週間残業が続き、心も体も満身創痍であるにも関わらず、毎朝遅刻をせずに時間通り出勤している。
以上のように「満身創痍の状態である」や「満身創痍であるにも関わらず」というように使われるのが一般的です。
1つ目の例文は、「身体的」な意味で「満身創痍」が使われています。
サッカーの試合では選手同士の体が激しくぶつかり合うこともよくありますよね。また、試合中はひたすら走り続けなければいけません。
このように実際のケガだけでなく、体の疲労に対してなどにも全般的に用いることができます。
2つ目の例文は、「精神的」な文脈で使われています。
失敗が続くと気持ちが落ち込みますね。「満身創痍」は、このような「心の傷や疲れ」を表現することもできるのです。
3つ目は、「身体的」「精神的」どちらの疲労もある場合の例文です。
「満身創痍」は「からだ全体が傷だらけの状態」という意味であり、「体」という意味を含んでいます。
そのため、「満身創痍の体」としてしまうと、「体」という意味が2回出てきてしまいます。
これは間違った表現なので注意が必要です。
「満身創痍」の語源
「満身創痍」にはこれと言って語源はありません。
ちなみに、「満身創痍」は「満身」「創痍」に分解されますが、それぞれ以下のような意味です。
- 満身:全身
- 創痍:切り傷
ここから、「満身創痍」は「全身に切り傷があるほど傷だらけの状態」のことを表すようになったのです。
「満身創痍」の類義語
満身創痍には以下のような類義語があります。
- 疲労困憊(ひろうこんぱい):疲れきって弱っていること
- 百孔千瘡(ひゃっこうせんそう):傷だらけでぼろぼろな様子
- 半死半生(はんしはんしょう):今にも死にそうだが、何とか生きているような様子
- 気息奄奄(きそくえんえん):息が切れて死にそうなほどに弱っている様子
- 精疲力尽(せいひりきじん):ひどく疲れて弱ること
- 残息奄々(ざんそくえんえん):呼吸が止まるほど弱々しい状態のこと
- へろへろ:弱々しく威力がないこと
これらの四字熟語は、どれも「傷だらけで疲れきって動けないような状態」を表しています。
特に後半の「半死半生」と「気息奄奄」は「死にそうな状態」を表しているので、「満身創痍」よりも疲労度を強調したい際に使うとよいでしょう。
「満身創痍」の対義語
満身創痍には以下のような対義語があります。
- 平穏無事(へいおんぶじ):変わったことがなく穏やかな様
- 元気溌剌(げんきはつらつ):生命力にあふれて生き生きとしていること
- 無病息災(むびょうそくさい):病気などにかかっておらず健康で元気なこと
- 無傷(むきず):傷がないこと
「満身創痍」の反対の意味は、「ケガがなく健康なこと」です。
以上4つの四字熟語は、「穏やかである」「元気である」「健康である」「傷がない」とそれぞれニュアンスは違いますが、どれも「満身創痍」の対義語だといえるでしょう。
「満身創痍」の英語訳
満身創痍を英語に訳すと、次のような表現になります。
- have wounds all over one’s body
(体中に傷を負っている) - be covered all over with wounds
(傷で体が覆われている) - be worn out
(疲労困憊である)
「満身創痍」の直訳に近いのは、“have wounds all over one’s body” と “be covered all over with wounds” です。
どちらも「体が傷だらけの状態」という意味で使えます。
「疲労している」というニュアンスを強調したい場合は、“be worn out” を用いましょう。
“worn” は、「擦り切れる」という意味を持つ動詞 “wear” の過去分詞形です。
まとめ
以上、この記事では「満身創痍」について解説しました。
読み方 | 満身創痍(まんしんそうい) |
---|---|
意味 | 全身が傷だらけの状態のこと |
類義語 | 疲労困憊、百孔千瘡、半死半生など |
対義語 | 平穏無事、元気溌剌、無病息災など |
英語訳 | “have wounds all over one’s body” (体中に傷を負っている)、“be worn out” (疲労困憊である) など |
「満身創痍」という四字熟語は、日常的にもよく見るので親しみのある言葉でしょう。
いざ使う場面が来た時のために、この記事でしっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。
辛いことがあって「満身創痍」の状態であっても、目標をやり遂げられるような人になりたいものですね。