今回ご紹介する言葉は、熟語の「脚色(きゃくしょく)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
「脚色」の意味をスッキリ理解!
「脚色」の意味を詳しく
脚色には、大きく分けて2つの意味があります。
まず、1つ目は「小説や事件などを舞台や映画などで上演できるように脚本にすること」という意味です。
次に、2つ目は「事実をおもしろく伝えるために飾り立てること」という意味です。
まれに、「きゃくしき」と読むこともあります。「きゃくいろ」とは読まないので注意しましょう。
ちなみに、「脚色」を「あしいろ」と読むと、意味が変わります。「あしいろ」は、競馬用語で「馬の走りっぷり」という意味です。まだまだ走れる馬のことを、「脚色が良い」といいます。逆に、疲れて速く走れない馬のことは、「脚色が悪い」「脚色一杯」と表現します。
「脚色」の使い方
- 実際に起きた事件を脚色したドラマが放送される。
- 彼の話は、どこか脚色されているに違いない。
❶では「小説や事件などを舞台や映画などで上演できるように脚本にすること」という意味で、❷では「事実をおもしろく伝えるために飾り立てること」という意味で使われています。
脚色を使った言い回しは、「脚色を施す」「脚色を加える」「脚色を入れる」などが挙げられます。
「脚色」の語源
「脚色」の語源は中国語です。脚は「土台」「根本」を意味し、色は「表に現れること」を意味します。
古代中国では、「脚色」はその人の出生地などの出所がわかるものとして、履歴書という意味をもっていました。
「脚色」が「事実をおもしろく伝えるために飾り立てること」という意味をもつようになったのは近世以降で、「脚本にする」という意味と、「色」から連想される「色付け」という意味が合わさって生まれたとされています。
「脚色」の類義語
脚色には以下のような類義語があります。
- 劇化(げきか):事件や小説などを劇にすること
- 修飾(しゅうしょく):美しく飾ること
- 粉飾(ふんしょく):うわべをとりつくろって立派に見せること、美しく飾ること
- 潤色(じゅんしょく):表面をつくろい飾ったり、事実を誇張したりしておもしろくすること
「劇化」のみ、「小説や事件などを舞台や映画などで上演できるように脚本にすること」という意味の類義語です。
他はすべて、「事実をおもしろく伝えるために飾り立てること」という意味の類義語です。
「脚色」の英語訳
脚色を英語に訳すと、次のような表現になります。
- dramatization
(脚色、劇化)
まとめ
以上、この記事では「脚色」について解説しました。
読み方 | 脚色(きゃくしょく) |
---|---|
意味 | 台本をつくること。また、事実をおもしろく伝えるために飾り立てること。 |
語源 | 古代中国で「履歴書」という意味で使われていたことから |
類義語 | 劇化、修飾、粉飾など |
英語訳 | dramatization(脚色、劇化) |
脚色には2つの意味があります。文脈から判断したり、自分でも使い分けたりして、使いこなせるといいですね。