「懸案事項」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

懸案事項(けんあんじこう)とは「以前から問題になっていて、いまだに解決していない物事」という意味です。

懸念事項との違いが気になる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、懸案事項の意味や、類義語との違い、英語訳などについて詳しく解説します。

「懸案事項」の意味

懸案事項けんあんじこう

以前から問題になっていて、いまだに解決していない物事

懸案事項とは、「以前から問題になっているのにも関わらず、いまだに解決していない物事」のことです。

単なる問題点を指すのではなく、「長期間にわたって解決されていない問題点」を指すのです。

懸案事項は、以下の二語から成り立っています。

  • 懸案
    以前から問題になっていて、いまだに解決していないこと
  • 事項
    1つ1つのことがら

懸案という言葉を単体で使った場合にも、懸案事項と同じ意味を表すことができます。

ただし、「懸案事項」と使ったほうが、より具体的な問題のイメージを指します。

「懸案事項」の読み方

懸案事項の正しい読み方は、「けんあんじこう」です。

誤って「けあんじこう」と読まないようにしましょう。

「懸案事項」の使い方


「懸案事項」は、口頭でも文面でも使う言葉です。

ただし、少しかたい表現であるため、日常生活ではあまり使いません。

以下のようなビジネスシーンで使うことが多いです。

懸案事項を使う場面
  • 会議の議事録
  • スピーチ
  • 新聞・ニュース

以上をふまえて、例文を見てみましょう。

  1. この懸案事項を、そろそろ解決しましょう。
  2. 今日の会議で出た懸案事項は、以下の通りです。
  3. 最大の懸案事項は、ゴミ捨てのマナーを守らない人が多いことだ。
  4. 懸案事項についてレポートにまとめた。
  5. この事務所には、金銭問題に関わる懸案事項がある。
  6. 20年越しの懸案事項が、やっと解決した。
「かねてからの懸案事項」などは誤用

「かねてからの懸案事項」「以前からの懸案事項」といった表現は、誤用です。

なぜなら、「懸案事項」という言葉にはすでに、「かねてから解決していない」「以前から解決していない」という意味合いがあるからです。

そのため、「懸案事項」には「かねてから」「以前から」のような言葉をつけてしまうと、意味が重複してしまいます。

「懸案事項」の類義語

懸案事項には以下のような類義語があります。

  • 懸念事項(けねんじこう)
    気にかかり、不安に感じること
  • 課題(かだい)
    解決すべきこと
  • 問題(もんだい)
    解決すべきこと
  • 危惧(きぐ)
    おそれること
  • 不安要素(ふあんようそ)
    安心できない要因
  • 心配(しんぱい)
    心を悩ますこと
  • 憂慮(ゆうりょ)
    思いわずらうこと
  • 気がかり
    心から離れない不安
  • 悩みの種
    不安になる要因
  • 不安要素(ふあんようそ)
    不安に感じられる物事
  • 未解決(みかいけつ)問題
    まだ解決されていない問題

「懸案事項」と「懸念事項」の違い

懸案事項と懸念事項は、文字の並びが似ているだけでなく、問題点を表す点も共通しています。

ただし、正確には以下のような違いがあります。

問題点の特徴
ニュアンス
懸案事項以前から未解決の問題どちらかというと理論的
懸念事項これから起きることに関する心配どちらかというと感情的

つまり懸念事項は、懸案事項よりも、漠然とした不安を表す言葉なのです。

ちなみに、懸念事項を英語に表すと、以下のような言葉になるため、「懸念事項」が感情的な意味合いであることがわかります。

  • fear
    (恐れ)
  • anxiety
    (不安)
  • worry
    (心配)

「懸案事項」と「問題」「課題」の違い

懸案事項と「問題」「課題」を比較すると、以下のような違いがあります。

問題の特徴
言葉のイメージ
懸案事項以前からの問題ネガティブ
問題・以前からの問題
・これから起きる問題
課題ポジティブ

問題と課題は、懸案事項とは異なり、以前からの問題ではなく、今後起きる問題にも使うことができます。

また、懸案事項と問題はネガティブ、課題はポジティブな印象をもつ言葉です。

課題は、解決すること・解決できることが前提にあるため、比較的明るいイメージの言葉なのです。

「懸案事項」と「心配」の違い

懸案事項と心配には、以下のような違いがあります。

  • 懸案事項
    具体的な問題点を表す
  • 心配
    心のなかにある漠然とした問題点を表す

心配は、漠然とした印象の言葉です。

そのため、ビジネスシーンなどでは、より具体的なイメージをもつ懸案事項を使いましょう。

「懸案事項」と「危惧」の違い

懸案事項と危惧には、以下のような違いがあります。

  • 懸案事項
    単に問題点が長く残っていることを表す
  • 危惧
    危険がせまっていることを表す

危惧は、問題があるかどうかという点よりも、危険が近づいていることを表します。

「懸案事項」と「わだかまり」の違い

懸案事項とわだかまりには、以下のような違いがあります。

  • 懸案事項
    問題点そのものを表す
  • わだかまり
    問題点に関する不安・不満・不信・疑惑も表す

まず、わだかまりは、懸案事項よりも感情的な意味合いで使います。

さらに、わだかまりには、不満・不信・疑惑といった、不安にとどまらない様々な感情を表します。

「懸案事項」の対義語

懸案事項には以下のような対義語があります。

  • 既決事項(きけつじこう)
    すでに確定・決定すること
  • 既済事項(きさいじこう)
    もう済んでいること
  • 安堵(あんど)
    気がかりなことがなくなり、安心すること
  • 放念(ほうねん)
    気がかりな事を忘れること
  • 長所(ちょうしょ)
    良いところ
  • 利点(りてん)
    有利な点
  • メリット
    有利な点、良い点
  • 強み(つよみ)
    優れていて他に負けない点

「懸案事項」の英語訳

懸案事項を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • pending issue
    (解決されていない問題)
  • concern
    (心配ごと)

「懸案」の成り立ち

懸案事項という言葉に含まれる「懸案」について、さらに深く掘り下げてみましょう。

懸案は、懸と案の二文字から成り立っています。

それぞれの意味を見てみましょう。

「懸」の意味

「懸」には、以下のような意味があります。

けん

  1. ぶらさがる
    例:懸垂(けんすい)
  2. かかげて示す
    例:懸賞(けんしょう)
  3. 託する
    例:懸命
  4. 決着していない
    例:懸案

上記のうち「決着していない」という意味が、「懸案」に反映されています。

ちなみに、「懸」の訓読みは「かける」です。

「案」の意味

「案」には、以下のような意味があります。

あん


  1. 例:案下(あんか)
    ※案下:机の下
  2. 調べる
    例:案件
  3. 考える
    例:懸案
  4. 計画
    例:提案
  5. 考えを盛りこんだ下書き
    例:議案

上記のうち「考える」という意味が、「懸案」に反映されています。

ちなみに、「案」の訓読みは「つくえ」です。

 

このように、「懸」と「案」の意味を組み合わせると、「まだ決着していない考え」を表すのです。

このことから、「懸案」は「まだ解決していない問題点」という意味になっているのです。

「懸案事項」を解決するための方法


懸案事項は、具体的に行動を起こさなければ、長年解決されないまま残ってしまいます。

そのため、懸案事項は、以下のような手順を経て解決しましょう。

  1. 懸案事項を一覧表に書き出す
  2. 書き出した懸案事項に優先順位をつける
  3. コストをふまえて、優先順位を見直す
    ※「いつまでに、どのような状態にしたいか」ということを念頭に置く
  4. 組織の力量に応じて優先順位を調整する
  5. 組織のなかで、役割分担をする
  6. エクセルなどでスケジュール表を作る
  7. こまめに進捗を確認する
  8. 問題点が出たらスケジュールを調整する

「懸案事項」のまとめ

以上、この記事では「懸案事項」について解説しました。

読み方懸案事項(けんあんじこう)
意味以前から問題になっていて、いまだに解決していない物事
類義語懸念事項
課題
問題 など
対義語既決事項
既済事項
安堵 など
英語訳pending issue
(解決されていない問題)
concern
(心配ごと)

「以前から問題になっていて、いまだに解決していない」ということを、その都度説明するのは大変ですよね。

そのようなとき、「懸案事項です」と言うと、意味をコンパクトに伝えることができます。

ビジネスシーンなどで、懸案事項を上手に使いこなしましょう。

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Chinatsu
Chinatsu
新卒1年目でWebライター3年目。 学生時代からWebライターの仕事を始め、多くの記事を執筆・編集してきました。 丁寧な解説に定評があります。