今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「自由奔放(じゆうほんぽう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「自由奔放」の意味をスッキリ理解!
「自由奔放」の意味を詳しく
「自由奔放」の意味を、「自由」と「奔放」の二つに分けて説明します。
「自由」には細かく分けると二つの意味があります。規則に縛られないことを自由と言いますし、体が思うままに動かせることも自由と言います。
四字熟語「自由奔放」で使われる「自由」の場合は、人の目や世間のしきたりなどに縛られないことを意味します。
続いて「奔放」とは、勢いのあるさまを意味します。そこから転じて、周りにとらわれず、思いのままに振る舞うさまを意味します。
以上のことから、「自由」と「奔放」は類義語だと言えます。
これらが二つ重なった「自由奔放」は、「他のことを気にせず、自分の思うままに振る舞うこと」という意味が、より強調された四字熟語であると言えます。
「自由奔放」の使い方
- その画家の自由奔放な色彩の使い方には、見た人の心をつかむ魅力がある。
- 彼女は自由奔放な性格で、世界各国を一人で巡っている。
- 彼女は自由奔放な性格で、人の話をよく聞かない。
自由奔放は、使い方によっては良い意味にも悪い意味にもなり得ます。
➀の場合、画家の色彩使いは型にとらわれず、そこに魅力があるということから、良い意味で使われています。
②の場合は、「世界各国を一人で巡っている」という事実を述べているだけであり、どちらの意味にも当てはまりません。
しかし、後に続く文章が変わると、意味も変わります。
③は、後の文章が「人の話を聞かない」という悪い表現であることから、ここでの「自由奔放」は悪い意味で使われていると言えます。
「自由奔放」であることが、「人の話を聞かない」という良くないことの原因となってしまっているのです。
このように、同じ四字熟語でも意味が異なることがあるため、前後の文脈をよく読むことが大切です。
「自由奔放」の類義語
自由奔放には以下のような類義語があります。
- 奔放自由(ほんぽうじゆう)
- 奔放自在(ほんぽうじざい)
- 不羈奔放(ふきほんぽう)
- 奔放不羈(ほんぽうふき)
- 自在不羈(じざいふき)
- 不羈自由(ふきじゆう)
- 天馬行空(てんまぎょうくう、てんまこうくう、てんばこうくう):考え方や行動が自由なこと。また、詩文や書の筆遣いに勢いがあること。
「天馬行空」以外の類義語は、すべて「自由奔放」と同じように「何にもとらわれず、自分の思うままに振る舞うさま」という意味をもっています。
「羈」はつなぐことを意味し、「不」は打ち消しを表します。このため、上記の類義語のなかのいくつかで使われている「不羈」とは、束縛を受けず自由な状態という意味です。
「天馬行空」の天馬とは、天亭が乗る、空を駆けることができる馬を表します。
空を天馬が駆けるさまから、この四字熟語ができたとされます。
「自由奔放」の英語訳
自由奔放を英語に訳すと、次のような表現になります。
- free-spirited
(自由奔放な) - bohemian
(放浪的な、自由奔放な) - freewheeling
(自由奔放に動き回る)
自由奔放という性格を英語で表すときは、 “free-spirited” がよく使われます。
“bohemianism” が自由奔放な生活を追究することを指し、 “bohemian” は、そうした生き方を実践する人を指します。
15世紀、当時のフランス人が、主にボヘミア地方(現在のチェコ)からの移民を、「定住性に乏しく、異なった伝統や習慣を持ち、周囲からの蔑視をものともしない人々」という意味で呼び始めたことが由来です。
それが転じて、自由奔放という意味を表す英語となりました。
まとめ
以上、この記事では「自由奔放」について解説しました。
読み方 | 自由奔放(じゆうほんぽう) |
---|---|
意味 | 何にもとらわれず、自分の思うままに振る舞うさま |
類義語 | 奔放自由、奔放自在、不羈奔放、奔放不羈、自在不羈、不羈自由、天馬行空など |
英語訳 | free-spirited” (自由奔放な),bohemian(放浪的な、自由奔放な), freewheeling (自由奔放に動き回る)など |
自由というと、やはりアメリカは自由の女神に象徴されるように自由の国ですから、自由奔放な性格の人が多いイメージがありますよね。
対して日本は規則を重んじる国で、人の目を気にする人が多いため、自由奔放に生きる人はあまり見かけないかもしれません。
他の人に迷惑をかけない範囲で、自由奔放に楽しめたらいいですね。