今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「コンセプト」です。
「コンセプト」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
「コンセプト」とは?
「コンセプト」の意味を詳しく
「コンセプト」は、全体を通して一貫した基本的な考え方という意味のカタカナ語です。
英語の “concept” を直訳すると「概念」という意味になるのですが、カタカナ語では「全体を通して一貫した基本的な考え方」という意味で使われるのが一般的です。
主にビジネスで何かを作り出す時に、「企画の基本的な考え方」「製品に込められている一定の考え」という意味で使われます。
「コンセプト」の使い方
「コンセプト」は以下のような言い回しで使われることが多いです。
- コンセプトを考える
- コンセプトにする
- コンセプトを決める
- コンセプトに採用する
- 〇〇コンセプト
- コンセプト〇〇
それぞれの言い回しについて、例文と一緒に見ていきましょう。
「コンセプトを考える」の使い方
企画や商品で、最初に全体を通した基本的な考え方を決める時には、「コンセプトを考える」という表現が使われます。
「コンセプトにする」の使い方
「コンセプト」を何にするか決定した時には、「〇〇をコンセプトにする」という表現が使われます。
「コンセプトを決める」の使い方
何らかの「コンセプト」が決定される時には、「コンセプトを決める」と表現されます。
「コンセプトに採用する」の使い方
どこからか出た案を「コンセプト」に決定する時には「コンセプトに採用する」という表現が使われます。
「〇〇コンセプト」の使い方
前に名詞をつけて、「〇〇コンセプト」という表現が使われることがあります。
以下のような表現がよく用いられます。
- デザインコンセプト
- ブランドコンセプト
- 開発コンセプト
「コンセプト〇〇」の使い方
後ろに名詞をつけて、「コンセプト〇〇」という表現が使われることもあります。
「コンセプト〇〇」として使われることが多いのは、以下のような表現です。
- コンセプトカー
メーカーの今後の商品の方向性を示す車 - コンセプトモデル
発売予定の商品とは別に、自社が目指すものを宣伝するため発表するモデルのこと - コンセプトショップ
企業のメッセージや哲学などをひとつのコンセプトにして商品などを展示した店舗のこと
「コンセプト」の実例
ここまで「コンセプト」について解説してきましたが、実際にどんな「コンセプト」があるのか気になる方もいると思います。
そこで、この見出しでは「コンセプト」の実例として以下の3つを紹介したいと思います。
- 任天堂のゲーム機Wiiのコンセプト:「家族皆で、リビングでゲーム」
- ルイ・ヴィトンのコンセプト:「旅」
- スターバックスのコンセプト:「サードプレイス」
それぞれ詳しく見ていきましょう。
任天堂のゲーム機Wiiのコンセプト:「家族皆で、リビングでゲーム」
任天堂のゲーム機、Wiiの「コンセプト」は「家族皆で、リビングでゲーム」です。
そのコンセプトに従って、Wiiは家族でゲームをしやすいように設計されています。
たとえば、コントローラーの数は一般的なゲーム機より多い4つになっています。
また、ゲーム初心者でも遊びやすいよう、Wiiリモコンを振って遊べるようになっています。
ルイ・ヴィトンのコンセプト:「旅」
ルイ・ヴィトンのコンセプトは「旅」です。
ルイ・ヴィトンはバッグなどが有名ですが、「旅」がブランドの軸になっています。
そのため、旅の楽しみを演出できるという点を重視した商品設計が行われています。
スターバックスのコンセプト:「サードプレイス」
スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」です。
スターバックスは第1の場所である家、第2の場所である職場に並び立つ、「第3の場所」であろうとしているのです。
スターバックスはコーヒーを売っているように見えて実は場所を売っているため、店内で過ごしやすいように設計されています。
「コンセプト」の語源
「コンセプト」の語源は、英語の “concept” です。
“concept” は「構想」「発想」という意味を持っています。
カタカナ語の「コンセプト」とほぼ同じ意味です。
「共に」という意味の “con” と、「捉える」という意味の “capere” というラテン語が一緒になってできました。
「コンセプト」の類義語
「コンセプト」には以下のような類義語があります。
- アイデア:考え
- イメージ:想像
- テーマ:主題
- ポリシー:方針
- プロット:構想
- モチーフ:着想
- 概念:同じ種類のものに対して抱く意味内容のこと
- 観念:あるものに対する意識内容のこと
- 理念:事業などの根底になる根本的な考え方
「コンセプト」と「アイデア」の違い
「コンセプト」と「アイデア」は最初から最後まで、同じ方針で貫かれているかどうかが違います。
「アイデア」はパッと思いついたことや、発想などのことを指します。
このような「アイデア」はすぐにまた新しいものを思いつくことがあり、一貫していません。
一方、「コンセプト」は最初から最後まで貫く一定的な原則や考えという意味です。
「コンセプト」と「イメージ」の違い
「コンセプト」と「イメージ」は人によって変わるかどうかが異なります。
「イメージ」は「想像」という意味で、何かを何かに例える時に使います。
そのため、人によって「イメージ」は変わります。
一方、コンセプトは「一定の考え」という意味で、人によって変わることはありません。
「コンセプト」と「テーマ」の違い
「コンセプト」と「テーマ」は、使われる場面が異なります。
「コンセプト」は商品やサービスなどの基本となる一貫した考え方のことで、主にマーケティングなどのビジネスで使われる言葉です。
一方、「テーマ」は映像作品や絵画など、芸術作品で作者が主に伝えようとしていることを指します。
使われる場面が違うだけなので、どちらを使っても違和感はないことが多いです。
まとめ
以上、この記事では「コンセプト」について解説しました。
英語表記 | コンセプト(concept) |
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意味 | 概念 |
語源 | 英語のconcept |
類義語 | アイデア、イメージ、テーマなど |
ぜひこの記事で、「コンセプト」の意味や使い方を理解して、実生活で応用できるようになりましょう。