どう使い分ける?「テーマ」「コンセプト」の違い

違いのギモン

ビジネスの場でも、日常会話でもよく使われる「テーマ」と「コンセプト」ですが、具体的な違いについてはご存知ですか。

今回は、両者の違いについて説明します。

結論:「テーマ」は「主題」、「コンセプト」は「切り口」

テーマが「主題」として与えられていて、コンセプトはそのテーマをどう表すかを「切り口」から決める、というイメージです。

「テーマ」をもっと詳しく


「テーマ」は物事の主題です。主に名詞で言い表すことができます。

たとえば、あなたが「ハロウィンパーティー」を開くとします。客は「ハロウィンパーティー」に合わせた思い思いの仮装で参加します。周りを怖がらせる格好をする人もいれば、少しダークで可愛らしい仮装をする人もいることでしょう。

このとき、テーマにあたるのが「ハロウィンパーティー」です。ハロウィンパーティーにサンタの格好をしてくる人はほぼいません。このように、前提として与えられているものの中で、主題として出されているものが「テーマ」です。

また、芸術作品の場合、テーマは「作者が伝えたいこと」と言い換えることもできます。この「テーマ」を表すために、作者はさまざまな工夫を施します。

「テーマ」の使い方の例

  1. 今回は、「原子力発電」をテーマにディスカッションをしよう。
  2. 本作のテーマは「異種族同士の愛」です。
  3. 東京ディズニーランドは、非常に有名なテーマパークだ。

上記のように、「テーマ」は名詞で言い表されることが多いです。

①は、授業で耳にすることのある表現ではないでしょうか。これは「原子力発電」という事柄を議論の主題にしよう、という提案です。参加者はどのような切り口で「原子力発電」を論じてもよいですが、議論する内容は「原子力発電」についてである必要があります。

②は芸術作品についての説明です。作者は「異種族同士の愛」について伝えようとして、作品を制作したということです。それを表すために魔法などのファンタジー要素などが使われていても、あくまでテーマは「異種族同士の愛」というひとつのものに定まっています。

 

③はテーマを使った複合語、「テーマパーク」を使った文章です。テーマパークとは、「ある主題に基づき、施設やショー、景観などが統一された観光施設」のことで、東京ディズニーランドなどがその代表例になります。

東京ディズニーランドのテーマはもちろん「ディズニー作品の世界」ですが、中にはさらに7つの「テーマランド」があります。ディズニーランド内のそれぞれの箇所が「ジャングル」や「19世紀アメリカ西部」など、特定の主題に基づいて構成されています。

このように、「テーマ」は、何かを作る上で前提となる「主題」にあたります。

「コンセプト」をもっと詳しく


それに対し、「コンセプト」は「テーマ」を表すための切り口です。テーマにあたる名詞を修飾する形を取ることが多いです。由来は「概念」を意味するconceptという英単語ですが、ビジネスなどの場では「切り口」「考え方」という意味で使われます。

先ほどのハロウィンパーティーを例にとると、「周りを怖がらせる」「ちょっと可愛らしさを出す」というのがコンセプトにあたります。「周りを怖がらせる」ハロウィンパーティーの仮装、という形で、テーマをコンセプトで修飾することができます。

芸術作品においては、コンセプトは「モチーフ」にあたる場合が多いです。たとえば「異種族同士の愛」を伝えるために、「異種族同士の戦いを二人で乗り越える」というコンセプトを入れたりするこができます。

 

また、「テーマ」はひとつしか設定できませんが、切り口にあたる「コンセプト」は無限に考えることができます。

たとえば「ジャングル」を表すために、「動物と触れ合う」というコンセプトを設定することも可能ですし、「スリルを体感する」というコンセプトを設定することもできます。

いずれにせよ、テーマを効果的に表せる「コンセプト」が決まることで、企画作りや作品作りは格段に統一感が取れたものになります。その点で、コンセプトは「テーマを補完するもの」や「テーマへの回答」と言うこともできます。

「コンセプト」の使い方の例

  1. 今回は「80歳でも使えるスマートフォン」をコンセプトに設計しましょう。
  2. このコンセプトアルバムは傑作だ。
  3. シャネルのブランドコンセプトは「女性の服の解放」です。

上記のように、「コンセプト」には、テーマを修飾できる用語があてられることが多いです。

①は最もオーソドックスな使い方になります。まずそもそも商品の設計をするにあたって「スマートフォン」というテーマがあり、そこに「80歳でも使える」というコンセプトを付け加えることによって、商品設計の方向性が定まります。

なお、実は「スマートフォン」自体も、元はコンセプトを含んでいます。

テーマは「電話」であり、「いろいろできる」というコンセプトが付け加えられて「スマートフォン」が生まれました。時を経て「スマートフォン」が一般的なものとなったため、今はそれ自体をテーマにできます。

 

②③はコンセプトを使った複合語の例です。

「コンセプトアルバム」とは
メロディや歌詞のアイデア、曲の世界観がアルバム全体でつながっていて、それ自体がひとつの作品となっているようなアルバムを指します。
「ブランドコンセプト」とは
ファッションブランドなどでよく使われる単語です。服を作る際、各ブランドは、他社との差別化が図れる切り口を意識して作ります。それをあらかじめ「ブランドコンセプト」として打ち出し、客に魅力を感じさせることで購買へと繋げています。

 

③の例文の通り、シャネルのブランドコンセプトは「女性の服の解放」です。たとえばシャネルが「トロピカル」というテーマのファッションショーを出すとしたら、「女性の服の解放」という切り口でそのテーマを修飾し、服を制作します。

このように、「コンセプト」は、特にビジネスの場では「切り口」という意味合いで使われることが非常に多いです。

補足:コンセプトの作り方


「コンセプト」は、ビジネスの場では非常に重要です。わかりやすく、かつ独創性のあるコンセプトを打ち出すことで、企画の方向性がきちんと定まって統一されたり、顧客へのアピール力が強くなります。

肝心な「コンセプト」の作り方ですが、以下の手順を踏むことが多いです。「80歳でも使えるスマートフォン」というコンセプトを例にとって説明します。

  1. 「テーマ」を抽象化したり、さまざまな切り口に分解する
    最初はとにかく案を出すため、いろんな方法で「テーマ」を表します。たとえば「電話」というテーマであれば、人と会話ができる、軽い、持ち運べる、暇つぶしになる、などがあります。
  2. 顧客(ターゲット)を分析し、欲しがるもの(ニーズ)を探す
    商品を買ってくれたり、企画に参加してくれたりするのは誰で、どういう需要があるのかを分析します。その結果、「高齢者はスマートフォンを使えない」などという現状に着目することができます。
  3. ①②を合わせてコンセプトを決定する
    ①で上がった案の中から、②で分析した人たちが魅力的に感じるコンセプトに絞り込んでいきます。ここでは「高齢者の使いやすいスマートフォン」となります。
  4. ③を明快で魅力的な文章に落とし込む
    文章化をする過程で、さらにイメージを固めていきます。たとえば、「高齢者の使いやすいスマートフォン」よりも、「80歳でも使えるスマートフォン」の方が、具体的にイメージしやすいと考えられます。
企業によって手順はさまざまですが、大まかな流れとしては、このようにコンセプトを決定します。

 

なお、コンセプトを作るときの大事なポイントは以下の6つです。

  1. 単純明快であること
  2. 意外性があること
  3. 具体的であること
  4. 信頼性があること
  5. 感情に訴えること
  6. 物語性があること
作る際は意識してみましょう。

まとめ

以上、この記事では、「テーマ」と「コンセプト」の違いについて解説しました。

  • テーマ:主題
  • コンセプト:切り口

「主題」と「切り口」のイメージで覚えると、使いやすくなります。