キャパシティとは「容量、受け入れることができる能力」という意味です。
会場の収容人数を表す際に使われているのは耳にすることがあると思いますが、ITや人に対しても使うことをご存知でしょうか?
この記事では、キャパシティの複数の意味を詳しく解説します。
☆「キャパシティ」をざっくり言うと……
英語表記 | キャパシティ(capacity) |
---|---|
意味 | 容量、受け入れることができる能力 |
語源 | 「能力」「容量」という意味のラテン語 “capacitas” |
類義語 | サイズ アビリティなど |
「キャパシティ」の意味
容量、受け入れることができる能力
例:会場のキャパシティは100人です。
キャパシティは「容量、受け入れることができる能力」を表すカタカナ語です。
何の容量を表すのか、大きく分けて以下の3つの意味があります。
- 物の容量
- 人の能力の限度
- メモリの容量・処理能力
それぞれの意味を詳しく解説します。
意味➀:物の容量
キャパシティには、物の容量という意味があります。
収容能力や容積と言われることもあります。
意味➁:人の能力の限度
キャパシティは、「人の能力の限度」という意味で使われています。
他にも、物事を受け入れる能力、受容力、うつわという意味があります。
ビジネス会話の中でキャパシティを使用する場合、「個人が仕事や作業を引き受けることができる能力」という意味で使われることが多いです。
つまり、「どの程度までの量の作業を個人がこなすことができるか」という限度を表すのです。
意味➂:メモリの容量・処理能力
キャパシティには、「メモリの容量」や「システムやそのデバイスの処理能力」という意味で使われることもあります。
ITの分野で使われるキャパシティは、ほとんどこの意味になります。
キャパシティが表すものは、以下のように複数あります。
- 保持できるデータ量
- 処理できる同時アクセス数
- 時間単位での処理能力
キャパシティは、英単語をカタカナで表記した言葉です。
そのため、「キャパシティー」と伸ばし棒を付けて表記されることもあります。
「キャパシティ」の使い方
キャパシティは、以下のような形で使われることが多いです。
- キャパシティが大きい・小さい
- キャパシティが広い・狭い
- キャパシティを広げる
- キャパシティを超える
- キャパシティオーバー
あるものの許容量を超えてしまっている状態のこと
以上を踏まえて、実際の例文を見ていきましょう。
- 今回のライブ会場のキャパシティは5000人を予定しています。
- 僕のキャパシティではそこまで対処できません。
- キャパシティオーバーで、保存できません。
- 作業量が、彼のキャパシティを超えてしまった。
➀のキャパシティは「物の容量」という意味で使われています。
➁➃のキャパシティは「個人の能力の限界」という意味で使われています。
➂のキャパシティは「メモリ容量」という意味で使われています。
「キャパシティが広い・狭い」の表現
キャパシティは本来、容量を表す言葉です。
「容量が大きい・小さい」とは言いますが、「容量が広い・狭い」とは言いません。
そのため、キャパシティも本来は「大きい・小さい」と言うのが正しい表現でした。
しかし、キャパシティが収容人数を表すことなどから「スペースの広さ」というイメージが生まれ、「容量が狭い・広い」という使い方がよくされるようになりました。
近年では、「キャパシティを広げる」という表現も加えて、非常に一般的になっている使い方であるため、覚えておきましょう。
キャパシティは「キャパ」と略して使うこともできます。
ここから「キャパシティがいっぱいになること」を「キャパる」という若者言葉も生まれました。
ただし、語源の英単語である “capacity” を “capa” と略すことはできません。
「キャパシティ」の語源
キャパシティの語源は、「能力」「容量」という意味のラテン語 “capacitas” です。
これが英語の “capacity” に派生し、カタカナ語として表記した語がキャパシティになりました。
“capacity” には、以下のような意味があります。
- 容量
- 収容能力
- 資格
- 立場
「容量」や「収容能力」という意味はカタカナ語と同じですが、「資格」や「立場」という意味はないので注意しましょう。
「キャパシティ」の類義語
キャパシティには以下のような類義語があります。
「キャパシティ」と「アビリティ」の違い
キャパシティとアビリティには、以下のような違いがあります。
意味 | ニュアンス | |
---|---|---|
キャパシティ | 許容量 | 物事を包括する範囲 |
アビリティ | 能力 | 何かができる力 |
たとえば、データを打ち込む単純作業の量が多すぎてこなせない場合、アビリティ的には可能なのにキャパシティ的にこなせないという状況なのです。
「キャパシティ」の関連語
キャパシティには以下のような関連語があります。
- キャパオーバー
あるものの許容量を超えてしまっている状態 - キャパシティプランニング
システムの処理能力などを見積もってシステム構成を考えること - キャパシティ要件
システムが求められているパフォーマンスをするために必要な条件 - キャパシティビルディング
特定の目標のために能力を構築するアプローチ方法のこと - キャパシティコスト
2期間以上持続して働くものにかかる経費 - フルキャパシティ
容量の全体のこと - キャパシティコントロール
システムに必要なリソースを予測・監視しながら開発すること - キャパシティ管理
システムに必要なリソースを予測・監視しながら開発すること
「キャパシティビルディング」の意味
キャパシティビルディングとは、集団や組織、社会が特定の目標達成のために必要とする能力を構築、または今ある能力を向上させるアプローチ方法のことです。
具体的には、以下のような力を集団や組織が高めていきます。
- リーダーシップ力
- 適応力
- マネジメント力
- 技術力
「キャパシティコスト」の意味
キャパシティコストは企業の活動ためにかかる経費のうち、2期間(たとえば会計期間)以上持続して働くものに対する費用のことを表します。
たとえば、以下のような費用がキャパシティコストの対象になります。
- 設備投資費
- 建物の維持費
- 2期間以上持続する効果があるとみなされている広告費
- 研究開発費
- 人件費
「キャパシティ」のまとめ
以上、この記事ではキャパシティについて解説しました。
英語表記 | キャパシティ(capacity) |
---|---|
意味 | 容量、受け入れることができる能力 |
語源 | 「能力」「容量」という意味のラテン語 “capacitas” |
類義語 | サイズ アビリティなど |
キャパシティには、複数の意味があることがわかりましたね。