今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ケイパビリティ」です。
「ケイパビリティ」の意味、具体例、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「ケイパビリティ」の意味をスッキリ理解!
「ケイパビリティ」の意味を詳しく

「ケイパビリティ」とは、企業が全体として持つ組織的な能力や強みのことです。
それぞれの従業員が持つ能力や技術のことではなく、企業や組織が全体として持つ強みです。具体的には以下のようなものが含まれます。
- 効率性
- スピード
- 柔軟性
ここで注意が必要なのは、「ケイパビリティ」は企業が持っている資産のことを表すわけではないということです。
つまり、その企業が持っている設備や土地がいくら素晴らしいものでも、それらは「ケイパビリティ」に含まれません。
あくまでも物質的なものではなく、企業全体の風土、特徴を表すのです。
たとえば、以下のような石油の元売りの企業が2社あるとします。
- A社:油田を大量に持っているため、安定的に石油を供給できる
- B社:新しいことに挑戦する気質であるため、新規の油田開発が多くできる
どちらも企業の強みを述べていますが、「ケイパビリティ」の意味を含んでいるのはB社です。
A社が大量に持っている油田は、企業の技術や能力ではなく「資本」にあたります。
一方でB社の「新しいことに挑戦する気質」は、資本ではなく企業の気質や風土をあらわすものなので「ケイパビリティ」に当たります。
「ケイパビリティ」の具体例
パソコンを生産している以下の3つの企業の「ケイパビリティ」を比較しましょう。
- Apple
- DELL
- Microsoft
Appleの「ケイパビリティ」
IphoneやMacでおなじみのApple社は、商品のデザイン力が大きな「ケイパビリティ」です。
商品自体は、比較的高価なものが多いですが、スタイリッシュで洗練されたデザインで売り上げを伸ばしています。
DELLの「ケイパビリティ」
DELLの「ケイパビリティ」は、商品の低価格化、質の高いカスタマーサービスです。
高品質な商品を低価格で提供することができます。また、丁寧で質の高いカスタマーサービスによって顧客の信頼を獲得しています。
Microsoftの「ケイパビリティ」
Microsoftの「ケイパビリティ」は、Officeシリーズとの互換性と操作のしやすさです。
WordやPower PointなどのOffice製品を作っているMicrosoftのパソコンだからこそ、完璧な互換性があります。
「ケイパビリティ」の使い方
「ケイパビリティ」には以下のような使い方があります。
- 業界を理解するためには、企業それぞれのケイパビリティを理解することが大切だ。
- 独自のケイパビリティを最大限に生かして、国内最大級の規模まで成長した。
- 商品の品質の高さがA社のケイパビリティです。
「ケイパビリティ」の語源
「ケイパビリティ」の語源は英語の “capability” です。
「~できる」という意味の英単語 “capable” を名詞化したものです。
英語の “capability” の意味は、以下のようなものです。
- 能力
- 手腕
- 特性
- 性能
カタカナ語の「ケイパビリティ」とは異なり、「企業全体の能力」という限定的な意味ではありません。
「ケイパビリティ」の類義語
「ケイパビリティ」には以下のような類義語があります。
- コアコンピタンス:ある企業の活動分野において競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力
まとめ
以上、この記事では「ケイパビリティ」について解説しました。
英語表記 | ケイパビリティ(capability) |
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意味 | 企業が全体として持つ組織的な能力や強み |
語源 | 「能力」「性能」などの意味の英単語 “capable” |
類義語 | コアコンピタンス |
「ケイパビリティ」は、由来となった英単語と意味が異なるので注意しましょう。