「無骨」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「無骨(ぶこつ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「無骨」をざっくり言うと……

読み方無骨(ぶこつ)
意味洗練されていないこと
語源平安時代の古語「骨(こち)なし」から
類義語野暮、粗野、無粋など
対義語粋、洗練、スマートなど
英語訳rough(粗い)など

「無骨」の意味をスッキリ理解!

無骨(ぶこつ):洗練されていないこと

「無骨」の意味を詳しく

「無骨(ぶこつ)には以下の4つの意味があります。

「無骨」の意味
  • 骨張っていてゴツゴツしていること
  • 洗練されていない様子・無作法な様子
  • 役に立たない様子
  • 都合が悪い様子
②の方がやや多く使われますが、①の意味でもよく使われます。③④に関しては、現代ではほぼ使われていません。

また、「無骨」は「武骨」と表記する場合もあります。

現代でもよく使われている①・②の意味について、詳しく見ていきましょう。

意味①:骨張っていてゴツゴツしていること

「無骨」のひとつめの意味は「骨張っていてゴツゴツしていること」です。

主に手や指先などを形容するときに使われます。

意味②:洗練されていない様子・無作法な様子

「無骨」の一番よく使われる意味が「洗練されていない様子・無作法な様子」です。

本来はネガティブな意味合いの単語ですが、「飾らない様子が魅力的だ」という、ポジティブな意味合いを持つことも多いです。そのため、ファッションやインテリアには「無骨系」と呼ばれるジャンルがあります。

「無骨系」ジャンルのある分野
  • ファッション
  • インテリア

ファッションの「無骨系」ジャンル

ファッションにおける「無骨系」ジャンルとは、レザージャケットやデニム、ブーツなどを組み合わせるスタイルのことです。主に男性向けファッションの系統で、着飾りすぎずに素朴にまとめ、野生的な魅力を演出するのがねらいです。

インテリアの「無骨系」ジャンル

インテリアにおける「無骨系」ジャンルとは、黒や茶色、白などの自然な色合いで部屋の色調を統一するスタイルのことです。他にもレンガやコンクリートを思わせるステッカーやインテリアなどを取り入れます。

「無骨系」の使い方

  1. 父の無骨な手が、私の手のひらを優しく包んだ。
  2. あんな口の聞き方をするなんて、なんて無骨な奴なんだ。
  3. 彼は無骨者だが、その飾らない人柄がどうにも魅力的だ。

上記の例文のように、「無骨」は、「無骨な」もしくは「無骨者」という形で使われることが多いです。プラスの意味でも、マイナスの意味でも使われます。

 

①では、無骨が「ゴツゴツしている」という意味で使われています。父親のゴツゴツしてたくましい手が「私」の手を包み込む様子に優しさを感じた、と、ポジティブな意味合いで使用されています。

②は逆に無骨がネガティブな意味で使われています。口の聞き方が無作法であることを咎(とが)めて、相手のことを「無骨な奴」と形容しています。

③は「無骨者」という複合語を使った例文です。「彼」は洗練されていないが、かえってその飾らない様子が魅力的だ、という意味の文です。

「無骨」の語源

「無骨」は、古語の「骨(こち)なし」から誕生した単語だと言われています。

「骨なし」とは
  • 骨なし:無作法であること、風流心がないこと

平安時代の作品にはすでに登場している、古い言葉です。

 

この「骨なし」ですが、なぜ「無骨」の意味に転じたかには3つの説があります。

  1. 「骨無し」と書き、「人柄」という意味の「骨柄」が劣っているという意味を表したという説
  2. 「骨無し」と書くが、「無し」は「無い」という意味ではなく、状態を表す語に添えることで形容詞を作る接尾語であったという説
  3. 「骨甚し」と書き、甚だしく骨張っているという意味を表したという説
ただ、同時代の古語「骨々し(こちごち-し)」も似たような意味を持っているため、②もしくは③の説の方が濃厚だと考えられています。

「無骨」の類義語

無骨には以下のような類義語があります。

  • 野暮(やぼ):世情や人情の機微に疎い、風流を理解しない
  • 野暮ったい:あかぬけない
  • 粗野:言動が荒々しく品がない
  • ごつごつ:骨張っていることを表す擬態語
  • 無粋(ぶすい):人間の心情や場の空気を理解していないこと
  • 無作法:礼儀がなっていないこと
  • 不躾(ぶしつけ):失礼なこと
  • 無風流(ぶふうりゅう):風流ではないこと
  • むくつけき:無作法であること、気味が悪いこと

「野暮」は、主に話し言葉で用いられます。また、「野暮」は当て字で、その程度がはなはだしい場合は「野暮天(やぼてん)」と言います。

「無粋」は、特に男女間で心情を理解していない場合に使われることが多い言葉です。「不粋」と書くこともあります。

「むくつけき」は、成人男性の下品な風体を指して使う言葉です。

「無骨」の対義語

無骨には以下のような対義語があります。

  • 粋(いき):主に異性関係において、こなれていること
  • 粋(すい):遊郭(ゆうかく)などの事情に通じており、洗練されていること
  • 洗練:あかぬけており、優雅(ゆうが)なこと
  • スマート:さっぱりとしていて、おしゃれなこと

「無骨」の英語訳

無骨を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • rough
    (粗い)
  • rustic
    (田舎者の)
  • unrefined
    (洗練されていない)

まとめ

以上、この記事では「無骨」について解説しました。

読み方無骨(ぶこつ)
意味洗練されていないこと
語源平安時代の古語「骨(こち)なし」から
類義語野暮、粗野、無粋など
対義語粋、洗練、スマートなど
英語訳rough(粗い)など

相手によってポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかが分かれる言葉のため、気をつけて使いましょう。

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Rie
日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。