「不躾(ぶしつけ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「不躾(ぶしつけ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「不躾」の意味をスッキリ理解!

不躾(ぶしつけ):礼儀作法を十分に心得ていないこと

「不躾」の意味を詳しく

「不躾」とは、礼儀を十分にわきまえていないことを指す言葉です。

まったくもって失礼というよりは、いくらかわきまえているものの、欠いている状態を指します。

また、「不躾」には「露骨」「唐突」という意味もあります。

「不躾」は急なことで相手が驚いてしまい、失礼にあたるような行いにも用いられるのです。

 

ちなみに、「不躾」は「不躾なお願いですが」などと、自分に使えばへりくだる表現として用いることができます。

また、話し言葉で用いる事が多いですが、メールや手紙などの文章でも用いることができます。

「不躾」は自分に言う場合と他人に言う場合でニュアンスが異なる

「不躾」は自分に言う場合と他人に言う場合で以下のようにニュアンスが異なります。

  • 自分に言う場合
    自分の無礼さが相手に与える不快感を軽減させるニュアンスがある
  • 他人に言う場合
    相手の行動が失礼だとストレートに伝えるニュアンスがある

「不躾」を自分に対して用いる場合は「不躾ですが」という表現が用いられることが多いです。

これは「失礼だということはわかっているのですが」という意味です。

「不躾」だと言えば何でもお願いしてよいというわけではありません。

しかし、発言者自身が失礼だとわかっているのといないのとでは、相手からの印象が異なるのは事実です。

「不躾」の使い方

「不躾」には以下のような言い回しがあります。

「不躾」のよくある言い回し
  • 不躾な人
  • 不躾なお願い
  • 不躾な質問
  • 不躾な提案
  • 不躾ながら
  • 不躾な言い方

それぞれの言い回しの意味について、例文とともに見ていきましょう。

「不躾な人」の使い方

「不躾な人」は「人を不快にさせるような無礼な態度を取る人」という意味です。

「作法が身についてない人」という意味で用いられることもあります。

例文
  1. 思い出したくない過去についてずけずけ聞いてくるとは、なんて不躾な人だ。
  2. あの人は作法に厳しいから、不躾な彼はきっと注意されてしまうだろう。

❶の例文では「不躾」が「人を不快にさせるような無礼な態度を取る人」という意味で用いられています。

❷の例文では「作法が身についてない人」という意味で用いられています。

「不躾なお願い」の使い方

「不躾なお願い」は「相手を不快な気分にさせてしまうかもしれないお願い」という意味です。

「不躾なお願いですが」と前置きをして、大きめのお願いをする時に用いられることが多いです。

お願いをされた立場の人が、相手のお願いを失礼だと感じて「不躾なお願いだ」と言うこともあります。

例文
  1. 不躾なお願いですが、一度お引取り願えないでしょうか。
  2. 部下からのあまりにも不躾なお願いには、温厚な部長も眉をひそめた。

「不躾な質問」の使い方

「不躾な質問」は「相手を不快な気分にさせるかもしれない質問」という意味です。

「不躾な質問ですが」と前置きをして、相手に聞きにくい質問をしたい時に便利です。

具体的には、結婚しているかどうか、年齢などの質問をするときに便利な言葉です。

まれに質問をされた立場の人が、相手の質問を失礼だと感じて「不躾な質問だ」と言うこともあります。

例文
  1. 不躾な質問ではございますが、ご年齢を確認させていただいてもよろしいでしょうか。
  2. 記者からの不躾な質問に、不快感を隠せなかった。

「不躾な提案」の使い方

「不躾な提案」とは、「差し出がましい提案」という意味です。

目下の人が目上の人に何かを提案する時に用いられることが多い言葉です。

また、提案する人が提案する物事に直接関係ない時に用いられることもあります。

人に丁寧に提案したい時に使える言葉です。

例文
不躾な提案ですが、当社もリモートワークを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、「不躾な提案」をさらに丁寧に言い表したい時には「不躾な提案で恐縮ですが」「不躾な提案で申し訳ありませんが」などとすると、丁寧さが強調されます。

「不躾ながら」の使い方

「不躾ながら」は「不快な気分にさせるかもしれませんが」という意味です。

目下の人が目上の人に何かしてほしい時などにかなり便利な言葉です。

例文
不躾ながら、携帯を預からせていただきます。

ちなみに、「不躾ながら」は以下のような言葉で代用することができます。

「不躾ながら」の代用
  • 僭越ながら
  • 恐縮ですが
  • 恐れ入りますが
  • 差し支えなければ
  • お手数をおかけしますが

「不躾な言い方」の使い方

「不躾な言い方」は「相手の気持ちを考えず、唐突に言葉を発すること」という意味です。

例文
彼は不躾な言い方をするから、女性にモテない。

「不躾」の語源

「不躾」を構成する漢字には以下のような意味があります。

  • :~していない
  • :身を美しく飾る

「不躾」は「身を美しく飾っていない」という意味から、「礼儀を十分にわきまえてない」という意味になったのです。

ちなみに、「躾」が現在の意味を持つようになった語源には諸説あり、主に以下の3つの説があります。

「躾」の語源
  1. 武家の礼式を表す言葉
  2. 「仕付け(しつけ)」という「布・田んぼを整える」という意味の言葉が変化した
  3. 「習気(じっけ)」という仏教の用語で「習慣性」を意味する言葉が変化した

このうち、もっとも有力だと言われているのは❶の説です。

「不躾」の類義語

「不躾」には以下のような類義語があります。

  • 失礼(しつれい):礼儀を欠いていること。
  • 無礼(ぶれい):礼儀を欠いていること。「失礼」よりも重い。
  • 非礼(ひれい):礼儀に背いていること。「無礼」よりも重い。
  • 無作法(ぶさほう):礼儀を心得ていないこと
  • 厚(あつ)かましい:自分勝手で無遠慮なこと

礼儀に欠ける度合いは、「失礼」「無礼」「非礼」の順で重くなります。

「不躾」の対義語

「不躾」には以下のような対義語があります。

  • 慇懃(いんぎん):行動がずうずうしく遠慮がない
  • 礼儀正しい:礼儀をわきまえていて、態度がきちんとしていること
  • 折り目正しい:態度がきちんとしていること
  • 礼節をわきまえた:物事を行う時に相手や決まりごとに十分配慮すること

「不躾」の英語訳

「不躾」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • impolite
    (失礼な)
  • ill-mannered
    (無作法な)
  • rude
    (失礼な)
  • rough
    (粗い)
  • excuse me for asking
    (不躾な質問ですが)

それぞれを用いた例文は以下の通りです。

例文
  • It was impolite of him to ask her personal questions.
    (立ち入ったことを彼女に聞いた彼は、無作法だった。)
  • According to him, she is ill-mannered.
    (彼によれば、彼女は行儀の悪い人だそうだ。)
  • I don’t like his rude behavior.
    (彼の無作法な態度はどうかと思う。)
  • He has rough manners.
    (彼は無作法だ。)
  • Excuse me for asking, but are you single?
    (不躾な質問ですが、あなたは独身ですか。)

まとめ

以上、この記事では「不躾」について解説しました。

読み方不躾(ぶしつけ)
意味礼儀作法を十分に心得ていないこと
類義語失礼、無礼、非礼、無作法など
対義語慇懃、礼儀正しい、折り目正しいなど
英語訳impolite, ill-mannered, rude, excuse me for asking

「不躾」は、話し言葉でも書き言葉でも用いられます。

特にビジネスシーンでは、失礼さをわびる表現として使い所が多いでしょう。ぜひ意味を覚えてください。