ギブアンドテイクは「相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること」という意味です。
ギブアンドテイクはよく使われる言葉ですが、細かいことまで知っている人は少ないのではないでしょうか。
たとえば、ギブアンドテイクは英語の “give and take” とは意味が異なることを知っていますか。
そこで、この記事ではギブアンドテイクの意味から使い方まで詳しく解説しています。
☆「ギブアンドテイク」をざっくり言うと……
英語表記 | ギブアンドテイク(give and take) |
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意味 | 相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること |
語源 | 英語の “give and take” |
類義語 | ウィンウィン 持ちつ持たれつ 損して得取れ など |
このページの目次
「ギブアンドテイク」の意味
相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること
ギブアンドテイクはビジネスシーンでよく使われる言葉です。
ビジネスでお互いの利益を最大化するために重要だと言われています。
ギブアンドテイクは本来ポジティブな言葉ですが、「最初からお返しが来ることを期待している」というニュアンスも持ちます。
「ギブアンドテイク」と「give and take」の違い
ギブアンドテイクは和製英語のカタカナ語で、英語の “give and take” とは少し意味が異なります。
2つの言葉の意味を対比して見てみましょう。
- ギブアンドテイク
相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること - give and take
①お互いに譲歩すること
②意見を交換すること
意味に大きな違いはありませんが、 “give and take” のほうがギブアンドテイクよりもポジティブな印象のある言葉です。
ギブアンドテイクが打算的なニュアンスを含むのに対して、 “give and take” は「見返りは求めず相手に与える」というニュアンスが強いからです。
ちなみに、 “give and take” にはカタカナ語にはない「意見を交換すること」という意味があります。
「ギブアンドテイク」の具体例
この見出しでは、以下のようなさまざまな関係性でのギブアンドテイクの具体例について見ていきましょう。
- 仕事
- 家族
- 恋愛
- 友人
仕事での「ギブアンドテイク」の具体例
仕事ではギブアンドテイクがよく使われます。
たとえば、商談で相手が譲歩したらこちらも譲歩し返す、というのがギブアンドテイクの具体例になります。
また、前に仕事を手伝ってあげた同僚の仕事に仕事の手伝いを依頼するのもギブアンドテイクと言えるでしょう。
家族での「ギブアンドテイク」の具体例
ギブアンドテイクは家族同士でもよく行われています。
たとえば、夫婦で先に帰ってきたほうが夕食を準備するというのは、ギブアンドテイクの一種と言えるでしょう。
お互いに夕食を作るという貢献をし合っているからです。
恋愛での「ギブアンドテイク」の具体例
恋愛は特にギブアンドテイクが重要な関係性で、多くのギブアンドテイクが行われています。
恋人同士だとお互いにプレゼントをする機会がありますが、これは典型的なギブアンドテイクと言えます。
また、お互いに愛情を示し合うのもギブアンドテイクと言えます。
友人関係での「ギブアンドテイク」の具体例
友人関係でもギブアンドテイクが行われます。
友人同士は対等な関係性だからこそギブアンドテイクが起こりやすいです。
たとえば、学生であれば試験前に一緒に勉強をして、得意教科を教え合うのがギブアンドテイクの一例と言えます。
「ギブアンドテイク」の使い方
ギブアンドテイクはお互いに貢献する関係性を表したい時に用いられる言葉です。
具体的な例文を見ていきましょう。
- 彼女からバレンタインにチョコをもらったから、ホワイトデーにお返しをする。これはギブアンドテイクだ。
- 地位や立場の違いにかかわらず、ギブアンドテイクの精神を持って関わることが大切だ。
- 世の中はギブアンドテイクで成り立っている。
「ギブアンドテイク」の語源
ギブアンドテイクの語源は、英語の “give and take” です。
“give and take” には以下のような意味があります。
- お互いに譲歩すること
- 意見を交換すること
「意見を交換すること」はカタカナ語のギブアンドテイクにはない意味のため注意しましょう。
ちなみに、 “give” と “take” はそれぞれ以下のような意味の言葉です。
- give
与えること - take
手に入れること
「ギブアンドテイク」の類義語
ギブアンドテイクには以下のような類義語があります。
- ウィンウィン(win-win)
双方に利益がある取引のこと - 持ちつ持たれつ
互いに助けたり助けられたりすること - 損して得取れ
一時的に損をすることで大きな利益を得られること - 情けは人の為ならず
人に情けをかけておけば、最終的に自分に良い報いが返ってくる - 魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)
相手の出方次第でこちらの応じ方が変わること - 相互扶助(そうごふじょ)
お互いに助け合うこと - 相互協力(そうごきょうりょく)
互いに協力し合うこと - 共存共栄(きょうぞんきょうえい)
ふたつ以上のものがともに生き、ともに栄えること - 相利共生(そうりきょうせい)
異なる生物が同じ場所に生活することで互いに利益を得られる関係のこと
「ウィンウィン」の意味:双方に利益がある取引のこと
ウィンウィンは双方に利益がある取引のことという意味です。
『7つの習慣』という有名なビジネス書で使われたことで一般的に広まった言葉です。
たとえば、メルカリは売る側は本来捨てるしかなかったモノがお金になり、買う側は通常よりも安く商品を手に入れることができるのでウィンウィンのサービスと言えます。
- ビジネスではウィンウィンの関係を築くのが大切だ。
「持ちつ持たれつ」の意味:互いに助けたり助けられたりすること
「持ちつ持たれつ」は「互いに助けたり助けられたりすること」という意味の言葉です。
ギブアンドテイクよりもポジティブな意味を持つ言葉です。
- 彼は「持ちつ持たれつだよ」と言って私を助けてくれた。
「損して得取れ」の意味:一時的に損をすることで大きな利益を得られること
「損して得取れ」とは、一時的に損をすることで大きな利益を得られることという意味です。
目先の損得にとらわれず、長期的な利益を重視する考え方を表しています。
ギブアンドテイク以上に打算的な意味の言葉です。
- ここは損して得取れだ。ここでの譲歩は後で活きてくるはずだ。
「情けは人の為ならず」の意味:人に情けをかけておけば、最終的に自分に良い報いが返ってくる
「情けは人の為ならず」は人に情けをかけておけば、最終的に自分に良い報いが返ってくるという意味です。
「情けは人の為ならず」は誤用されやすい言葉で、「情けをかけても結局その人のためにならない」という意味ではないので注意しましょう。
- 情けは人の為ならずだから、ここはA子ちゃんを助けてあげよう。
「魚心あれば水心」の意味:相手の出方次第でこちらの応じ方が変わること
魚心あれば水心は相手の出方次第でこちらの応じ方が変わることという意味です。
相手が好意を示せばこちらも好意を示すという様子を表します。
- 彼は魚心あれば水心、という感じの人で、人によって態度が変わる。
「相互扶助」の意味:お互いに助け合うこと
相互扶助とは、お互いに助け合うことという意味の言葉です。
保険などの分野で使われることが多い言葉です。
- 家族なのだから相互扶助の精神で助け合わないか。
「相互協力」の意味:互いに協力し合うこと
相互協力とは、互いに協力し合うことという意味です。
- 社長と副社長は相互協力の精神で会社を経営してきた。
「共存共栄」の意味:ふたつ以上のものがともに生き、ともに栄えること
共存共栄とは、ふたつ以上のものがともに生き、ともに栄えることという意味です。
- イソギンチャクとクマノミは共存共栄の関係にある生物だ。
「相利共生」の意味:異なる生物が互いに利益を得られる関係のこと
相利共生は異なる生物が同じ場所に生活することで互いに利益を得られる関係のことです。
- 相利共生の関係を築いている生物はたくさんいる。
「ギブアンドテイク」のメリット
ギブアンドテイクには以下のようなメリットがあります。
- 相手と良い関係を築ける
- 自分がピンチの時に助けてもらえる
- 相手に貢献すること自体がうれしい
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット①:相手と良い関係を築ける
ギブアンドテイクのメリットとしてまず挙げられるのは、相手と良い関係を築けることです。
お互いに協力し合うことで信頼が生まれ、良い仲間となるでしょう。
メリット②:自分がピンチの時に助けてもらえる
ギブアンドテイクのメリットとして、自分がピンチの時に助けてもらえることも挙げられます。
あらかじめ相手に貢献していれば、あなたがピンチの時にはお返しとして親切にしてくれるでしょう。
その代わり、もしあなたが何もしてないのに相手が親切にしてくれた場合は、今後親切にしてあげるようにしましょう。
メリット③:相手に貢献すること自体がうれしい
ギブアンドテイクには、相手に貢献すること自体がうれしいというメリットもあります。
相手に貢献し、それを喜んでもらえると、それだけでうれしいのです。
「ギブアンドテイク」のデメリット
ギブアンドテイクのデメリットには以下のようなものが挙げられます。
- 見返りを求めてしまう
- 見返りがないこともある
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
デメリット①:見返りを求めてしまう
ギブアンドテイクのデメリットとしてまず挙げられるのは、見返りを求めてしまうという点です。
ギブアンドテイクでは相手がこちらに見返りを返す義務があるわけではありません。
そのため、見返りは最初から求めないほうがトラブルになりにくいです。
デメリット②:見返りがないこともある
見返りがないこともある点もギブアンドテイクのデメリットと言えるでしょう。
自分が後で見返りをもらうことを目的として相手に貢献している場合は、見返りが返ってこなかったらそれ以上の貢献は意味がないものになるでしょう。
補足:「ギブアンドギブ」とは?
ギブアンドギブは相手に見返りを求めず、一方的に与え続けることという意味です。
ひたすら相手に貢献する様子を表します。
ギブアンドテイクと違って、相手に見返りを求めることはありません。
しかし、人は相手に何かをされるとお返しをしたくなる生き物のため、ギブアンドギブをしている人はお返しをもらうことも多いです。
「ギブアンドテイク」のまとめ
以上、この記事ではギブアンドテイクについて解説しました。
英語表記 | ギブアンドテイク(give and take) |
---|---|
意味 | 相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること |
語源 | 英語の “give and take” |
類義語 | ウィンウィン 持ちつ持たれつ 損して得取れ など |
ギブアンドテイクは良い意味を持つ言葉ですが、マイナスな印象を与え誤解を受けやすい用語でもあります。
ギブアンドテイクの表現が適切な場面か判断し、慎重に使用していきましょう。