マイルストーンとは「中間目標」という意味です。
大きな目標を目指すとき、計画を立てることが重要です。
そして計画を立てる上で設定すべきポイントがマイルストーンなのです。
この記事ではマイルストーンの意味や使い方、語源、類義語、効果、関連語との違いについて解説します。
☆「マイルストーン」をざっくり言うと……
英語表記 | マイルストーン |
---|---|
意味 | 中間目標 |
語源 | ローマ帝国に置かれた道しるべ |
類義語 | 一里塚 里程標 立て石 など |
このページの目次
「マイルストーン」の意味
中間目標
例:仕事に取り掛かる前にマイルストーンを設定する。
マイルストーンとは中間目標です。
プロジェクトに取り掛かる際、作業工程をガントチャートというスケジュール表に落とし込みます。
最終目標はプロジェクトの達成ですが、そこまでの道の中でいくつかの小さなゴールを設定するのです。
その小さなゴールのことをマイルストーンと呼びます。
具体例を用いて解説します。メディアに掲載する記事の執筆にマイルストーンを設定すると以下のようになります。
取材:2021年9月11日
↓
執筆:2021年9月12日
↓
推敲:2021年9月14日
↓
脱稿:2021年9月16日
このようにマイルストーンを設定することで、作業の期限が決まるのです。
マイルストンと表記することもあるので押さえておきましょう。
また、マイルストーンは「人生や歴史の節目」という意味でも使われます。
ガントチャートとは?
ガントチャートとは、時間で区切った表を用いたスケジュールです。
「マイルストーン」の使い方
マイルストーンは以下のように使います。
- 中間目標としての使い方
- 重大イベントとしての使い方
中間目標としての使い方
ビジネスにおける最も一般的な使い方です。
以下に例文を紹介します。
- 大きな目標を達成するため、マイルストーンを設定する。
- 3番目のマイルストーンには間に合う?
- マイルストーンを守って仕事を進める。
- マイルストーン払い
マイルストーン払いとは、作業工程ごとに仕事を依頼し、報酬を支払う形式のことです。
重大イベントとしての使い方
マイルストーンは「人生や歴史の節目」といった重大イベントという意味として使われることもあります。
英語のmilestoneはこちらの意味も頻繁に使われます。
以下に例文を紹介します。
- この経験は君の人生のマイルストーンとなるだろう。
- 就職は人生のマイルストーンである。
- あの戦争は世界史におけるマイルストーンとなった。
「マイルストーン」がつく言葉
マイルストーンが付く言葉として以下のようなものが挙げられます。
- マイルストーン払い
- マイルストーン管理
それぞれの意味について以下に解説します。
マイルストーン払い
マイルストーン払いとは作業工程ごとに仕事を依頼し、報酬を支払う形式のことです。
作業内容と報酬支払いをマイルストーンごとにわけることが語源です。
具体例としては、ウェブサイト制作をプランニングとコーディングに分けて、別の人に仕事を依頼するといったことです。
クラウドソーシングサービスでよく使われる言葉です。
マイルストーン管理
マイルストーン管理とは、「プロジェクトが順調に進んでいるか管理すること」という意味です。
マイルストーンを達成できてるかを確認することで確実な仕事をすることができます。
マイルストーン管理はプロジェクトの管理者が行うことが多いです。
「マイルストーン」の語源
マイルストーンは、かつてローマ帝国に置かれた道しるべに由来します。
かつてローマ帝国には、1マイルごとに道しるべとして石が置かれました。
ここから、プロジェクト達成までの長い道に設定する目印としてマイルストーンという言葉が使われるようになったのです。
「マイルストーン」の類義語
マイルストーンには以下のような類義語があります。
- 一里塚(いちりづか)
大きな事業を達成する過程における一つの段階 - 里程標(りていひょう)
物事の推移・発展の一過程を示すしるし - 立て石
道しるべとして立ててある石 - キロポスト
鉄道や道路等の起点からの距離を表した標識 - 標石
測量の目印とする石 - 距離標
線路の起点からの距離を示す標識
いずれも目印としての働きを持つものです。
「マイルストーン」の効果
マイルストーンを設定すると、以下のような効果があります。
- 進捗を把握できる
- モチベーションの維持・向上
- 軌道修正できる
- タスク漏れの防止
このような点からビジネスにおいて、マイルストーンの設定が導入されることが増えています。
関連語との違い
マイルストーンには以下のような関連語があります。
これらの語とマイルストーンの違いを解説します。
マイルストーンとターニングポイントの違い
ターニングポイントはこれまでの方針が大きく変わる分岐点を指します。
中間目標としての意味合いの強いマイルストーンとは異なり、ターニングポイントは大きく変わることにフォーカスしています。
マイルストーンとロードマップの違い
ロードマップは、プロジェクトの工程を表したものです。
マイルストーンはロードマップの中に置かれるものです。
マイルストーンとメルクマールの違い
メルクマールは目印という意味です。
マイルストーンが中間目標としての意味合いが強いのに対し、メルクマールはそれよりも広い意味を持っています。
マイルストーンとベンチマークの違い
ベンチマークは測量する際の基準点です。
商品開発のとき性能を比較する対象としての意味もあります。
マイルストーンとフェーズの違い
スケジュールは日程表です。
マイルストーンが全体の中の大きな点を指すのに対し、スケジュールは予定全体のことを指します。
マイルストーンとToDoの違い
ToDoはするべきことです。
マイルストーンがプロジェクト全体のやるべきことを指すのに対し、ToDoは個人のやるべきことを指します。
マイルストーンとマイルポストの違い
マイルストーンは鉄道や道路等の起点よりの距離をマイルで表した距離標識です。
マイルストーンとマイルマーカーの違い
マイルマーカーは道路の起点から 1マイル毎に置かれている標識です。
日本の一里塚にあたります。
マイルストーンの注意点
マイルストーンを設定する時に注意すべきポイントは以下のとおりです。
- マイルストーンの期日は現実的か
- マイルストーンの前後関係は正しいか
- タスクの見落としがないか
- 土日祝日を作業日として入れてないか
- 作業の負担が大きすぎる担当者がいないか
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点①:マイルストーンの期日は現実的か
まず大事なのが、マイルストーンの期日が現実的かという点です。
作業のボリュームがマイルストーンを設定した人の想定より大きいと、作業予定が大幅に遅延してしまう場合があります。
それぞれの作業にどのくらいの時間がかかるかは、作業の担当者に聞くようにしましょう。
注意点②:マイルストーンの前後関係は正しいか
マイルストーンの前後関係が正しいかも重要です。
マイルストーンの前後関係が正しくないと、「後ろのマイルストーンを達成してないと前のマイルストーンを達成できない」なんてことになる可能性があります。
たとえば、極端な例ですが、「製品のテスト」のマイルストーンが「製品の作成」のマイルストーンよりも前にあったらどう考えても達成できませんよね。
特にマイルストーンが複雑になるとマイルストーンの前後関係がねじれてしまう場合があるので注意しましょう。
注意点③:タスクの見落としがないか
タスクに見落としがないかも注意しましょう。
マイルストーンを設定する時に、見落としているタスクがあると、予定通りに作業が進んでいるのにもかかわらず、マイルストーンを達成できなくなってしまうかもしれません。
タスクに見落としは、実際に作業を担当する人に聞いてみると見つけやすいでしょう。
注意点④:土日祝日を作業日として入れてないか
意外と土日祝日を作業日としてカウントしてしまうミスも多いので注意しましょう。
土日祝日を作業日としてカウントすると作業が大幅に遅延してしまいます。
特に社外の人と共同で行うプロジェクトの場合、土日祝日は作業日としてカウントしないようにしましょう。
注意点⑤:作業の負担が大きすぎる担当者がいないか
マイルストーンを設定する時には、作業の負担が大きすぎる担当者がいないか確かめることも重要です。
作業の負担が大きすぎる担当者を作ってしまうと、その担当者の作業が遅延し、結局プロジェクト全体の進行そのものも遅れてしまいます。
「マイルストーン」のまとめ
以上、この記事ではマイルストーンについて解説しました。
英語表記 | マイルストーン |
---|---|
意味 | 中間目標 |
語源 | ローマ帝国に置かれた道しるべ |
類義語 | 一里塚 里程標 立て石 など |
マイルストーンはビジネスにおいて必須とも言える考え方です。
ぜひとも自分のものにしてしまいましょう。