今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「千古不易(せんこふえき)」です。
「千古不易の真理」や「千古不易の名作」といった形で見かけることの多い言葉ですが、字面からその意味を想像しづらいと感じる方もいらっしゃることでしょう。
今回の記事では、「千古不易」の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「千古不易」をざっくり言うと……
読み方 | 千古不易(せんこふえき) |
---|---|
意味 | ずっと昔から、永遠に変わらないこと。また、不変の価値があること。 |
類義語 | 万古不易、永久不変、不朽不滅など |
対義語 | 有為転変、夢幻泡影、生々流転など |
英語訳 | perpetual(永久の), everlasting(永遠に続く)など |
「千古不易」の意味をスッキリ理解!
「千古不易」の意味を詳しく
「千古不易」は、「遥か昔から現在に到るまで、そしてこれからもずっと変わらないこと」「永遠の価値を持っていること」という意味を持つ四字熟語です。特に、作品や景色など、あるものの価値が長い間変わらずにいることを指す時に用います。
この四字熟語は「千古」と「不易」という2つの熟語から成り立ってっています。「千古」は「遠い昔」「昔から現在までの長い時間」を表します。「不易」は、「変わらないこと」を表します。「変わること」を意味する「易」を「不」が打ち消しています。
つまり、この2つの熟語が組み合わさることで、「太古の昔からずっと変わらないもの」を表すようになったのです。「千古」と「不易」の意味をそれぞれ押さえておくと、理解がしやすいでしょう。
「千古不易」の使い方
「千古不易」は、「昔からずっと変わらないもの」「永遠の価値を持つもの」という意味を持っています。そのため、命や天候など、時間とともに移りゆくものに対して使われることはありません。使い方としては以下のようになります。
- 千古不易の大自然に思いを馳せる。
- 人々の豊かな感情は千古不易であるため、現代の人々は古典文学にも共感することができる。
- 千古不易の生命など、存在しない。
このように、遥かな昔から変わらない大自然や、人々の営み、受け継がれる遺産などに用いられることが多いです。日常生活ではあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、意外と使い所は多いですね。
「千古不易」の類義語
千古不易には以下のような類義語があります。
- 百世不磨(ひゃくせいふま):永遠に消滅しないこと。
- 千古不変(せんこふへん):永遠に変化しないこと。
- 千古不抜(せんこふばつ):永遠に変化しないこと。
- 千古不朽(せんこふきゅう):永遠に消えす、後世に残ること。
- 千古不磨(せんこふま):優れた作品や功績が長い間伝わり、滅びないこと。
- 千載不易(せんざいふえき):一千年経とうとも変わらないもの。また、永久不変のもの。
- 万古不易(ばんこふえき):永遠に変化しないこと。
- 万古長青(ばんこちょうせい):永遠に変化しないこと。
- 万世不易(ばんせいふえき):永遠に変化しないこと。
- 万代不易(ばんだいふえき):永遠に変化しないこと。
- 永久不変(えいきゅうふへん):ずっと変わらないこと。
- 不朽不滅(ふきゅうふめつ):永遠に滅びることがないこと。
「千古不磨」は、特に優れた芸術作品や伝統などを指して使われます。「不磨」は、磨(す)り減らずに残り続けることを指しています。
「千古不易」の対義語
千古不易には以下のような対義語があります。
- 有為転変(ういてんぺん):この世界は常に移ろい、留まることなく変わっていくものだということ。
- 夢幻泡影(むげんほうよう):人の一生は夢や泡のように、儚いものであるということ。
- 生々流転(せいせいるてん):仏教において、この世のものは絶えず変化するという教えのこと。
- 万物流転(ばんぶつるてん):この世界に存在するあらゆるものは、常に変化するということ。
- 千変万化(せんぺんばんか):物事が様々に移り変わり、変わり続けること。
「永遠に変わらないもの」の対義語には、やはり私たちの人生のように、絶えず変化するものや、そういったものの儚さを表現する四字熟語が当てはまります。
仏教では、この世に存在するものは絶えず変化するものだという考え方があります。この対義語一覧にも、仏教の言葉が散見されますね。
「千古不易」の英語訳
千古不易を英語に訳すと、次のような表現になります。
- eternal
(永久の) - everlasting
(永遠に続く) - permanent
(恒久不変の)
日本語同様、英語でも多くの表現があります。
上記3つの表現を用いた例文は以下の通りです。
- It is an eternal truth that all living creatures die.
(生きとし生けるものが必ず死を迎えるというのは、永遠の真理だ。) - There is no everlasting life.
(永遠の命というものは存在しない。) - Classical literature has a permanent value.
(古典文学には、不変の価値がある。)
まとめ
以上、この記事では「千古不易」について解説しました。
読み方 | 千古不易(せんこふえき) |
---|---|
意味 | ずっと昔から、永遠に変わらないこと。また、不変の価値があること。 |
類義語 | 万古不易、永久不変、不朽不滅など |
対義語 | 有為転変、夢幻泡影、生々流転など |
英語訳 | perpetual(永久の), everlasting(永遠に続く)など |
仏教にも言われているように、私たち生物の命は有限で、永遠に生き続けることができる生物は存在しません。だからこそ、自然や文学など、時を超えて受け継がれる千古不易の財産を大切にしていきたいものです。