「矛盾」の意味とは？使い方から英語や類語や対義語まで例文付きで解説

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「矛盾(むじゅん)」です。

言葉の意味、例文、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳、補足についてわかりやすく解説します。

☆「矛盾」をざっくり言うと……

「矛盾」の意味をスッキリ理解！

「矛盾」の意味を詳しく

「矛盾」には以下のような意味があります。

このうち、一番メインなのは「二つの物事が食い違っていて、つじつまが合わないこと」という意味です。

それぞれの意味について、「矛盾」の漢字の意味と一緒に詳しく見ていきましょう。

ちなみに、「矛盾」は「矛楯」と表記されることもあります。読み方は同じです。

意味①：2つの物事が食い違っていて、つじつまが合わないこと

「矛盾」の一番メインの意味は「2つの物事が食い違っていて、つじつまが合わないこと」です。

あることを一方では肯定し、同時に他方では否定をするなど、物事の筋道や道理が合わないことを指します。

意味②：ほことたて

「矛盾」には「ほことたて」という意味もあります。

文字通り、「矛(ほこ)」と「盾(たて)」という意味です。

意味③：武器を取って戦うこと

「矛盾」はまれに「武器を取って戦うこと」という意味を表すことがあります。

意味④：【論理学】同時に真として成立しない2つの命題のこと

「矛盾」は論理学では「同時に真として成立しない2つの命題のこと」を表します。

たとえば、「Aであり、かつAではない」という命題です。

これは絶対に成立しない命題なので、「矛盾」と呼ばれます。

「矛盾」の漢字の意味

「矛盾」のそれぞれの漢字は以下のような意味です。

「矛盾」の例文

「矛盾」を用いた例文は以下の通りです。

「矛盾」の使い方

「矛盾」は日常生活でも容易に使うことができます。

このように、発言と行動が一貫していない様子を「矛盾」していると言います。

「矛盾」の由来

「矛盾」の出典は、『韓非子』(かんぴし)の故事です。

『韓非子』には以下のようなたとえ話が記されています。

楚の国の人で、矛と盾とを売る者がいた。

その人が盾をほめて、「私の盾の堅いことといったら、突き通せるものがないほどだ」と言った。

その人は矛をほめて、「私の矛の鋭いことといったら、どんな物でも突き通せるほどだ」と言った。

 

ある人が「あなたの矛で、あなたの盾を突き刺すどうなるか」と尋ねた。

その商人は答えることが出来なかった。

この商人は、両方同時に成立することができない話をしていたため、「矛盾」が生じてしまったのです。

『韓非子』では上の話を賢人であることと権力を持つことが両立しないことのたとえとして用いています。

そして、儒教の考え方で国を統治しようとしている人々の主張のつじつまが合ってないことを説明しました。

この故事が由来して、前後の話や行動が一致していない筋の通らないことを「矛盾」と呼ぶようになりました。

「矛盾」の類義語

「矛盾」には以下のような類義語があります。

「パラドックス」とは？

「パラドックス」とは、「正しく見える前提と妥当に見える推論から受け入れがたい結論が得られること」です。

たとえばこのようなパラドックスが存在します。

この考え方は同じように繰り返され、無限のループが発生してしまいます。このような事柄をパラドックスと呼びます。

矛盾とは異なり、一見正しそうだけど実は正しくない可能性があるものがパラドックスです。

「矛盾」の対義語

「矛盾」には以下のような対義語があります。

「トートロジー」とは？

「トートロジー」とは、「同じ意味の言葉を反復すること」です。

たとえば、「力とは、パワーのことだ」は「トートロジー」と言えます。

「矛盾」の英語訳

「矛盾」を英語に訳すと、次のような表現になります。

まとめ

以上、この記事では「矛盾」について解説しました。

「矛盾」の故事は有名で、日常生活でもよく使われる故事成語の一つです。

世の中は矛盾であふれています。ぜひ着目してみてください。