今回ご紹介する言葉は、ことわざの「善は急げ(ぜんはいそげ)」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「善は急げ」をざっくり言うと……
読み方 | 善は急げ(ぜんはいそげ) |
---|---|
意味 | 良いと思ったことは、ためらわず、すぐに行動に移すべきであるということ |
由来 | ダンマパダという、仏教で最も古いお経の一節 |
類義語 | 思い立ったが吉日、先んずれば人を制す、先手必勝、旨い物は宵に食えなど |
対義語 | 急いては事を仕損じる、待てば海路の日和あり、騒ぐ烏も団子一つ騒がぬ烏も団子一つ、など |
英語訳 | Make hay while the sun shine.(日の当たっているうちに干し草を作れ) |
このページの目次
「善は急げ」の意味をスッキリ理解!
「善は急げ」の意味を詳しく
「善は急げ」は、良いと思ったことは、迷わずにすぐに行動に移すべきであるという意味のことわざです。また、すぐに行動しなければせっかくのチャンスを逃してしまうという意味や、好機は逃すべきではないという意味もあります。
実は、「善は急げ」には、これに続くことわざがあります。それは、「悪は述べよ」です。
もともとは、「善は急げ、悪は述べよ」で全文でした。
しかし、現代では一般的に、「善は急げ」で意味が通じます。このことわざは、使われているうちに短縮されてしまったと言われています。
「善は急げ、悪は述べよ」は、良いと思ったことは、すぐに行動に移すべきであるが、後回しにしてしまえば、行動する必要すらなくなってしまうかもしれない、という意味です。
例えとして、学生時代の夏休みを思い出してみてください。夏休みに入ると、勉強なんかせずに遊びたい、と思った人が大半ではないでしょうか。
長期間の休みであるために、宿題も先延ばしにしてしまいがちです。しかし、後回しにしすぎると、人間誰しも徐々に面倒臭く感じますよね。
宿題を始めるのが後になればなるほど、焦る上に、復習に時間を割く必要が出て来るでしょう。この場合は夏休みの最初のうちに宿題をこなすのが、結局一番楽だったのです。
以上の様に夏休みの宿題は「善は急げ」の典型的な例であるといえます。
「善は急げ」の使い方
- 良い戦略が思いついた。善は急げだからすぐに取り掛かろう。
- 善は急げと言うし、面倒臭いけど宿題は早めに終わらせよう。
- 結果的に、善は急いだ方が良いことが多い。
「善は急げ」の由来
「善は急げ」は、お経から派生した言葉だと言われています。「善は急げ」の由来となったお経は、ダンマパダという、仏教で最も古いお経です。
このお経には、以下のようなことが書かれています。
「善を為すのを急げ。悪から心を退けよ。善を為すのにのろのろしたら、心は悪事をたのしむ。人がもし悪いことをしたならば、それを繰り返すな。悪がつみ重なるのは苦しみである。人がもし善いことをしたならば、それを繰り返せ。善いことがつみ重なるのは楽しみである。」
[引用:http://www.koukokuji.com/sermon/pg298.html]
なんでも心構えが大切だ、という意味だと捉(とら)えることができます。
ちなみにこのお経から、「善は急げ」と同じように派生したことわざがあります。
それは、中国の「小人閑居(しょうじんかんきょ)して不善を為す」ということわざです。このことわざは、つまらない人が暇であると、ろくなことがないという意味です。
「善は急げ」の類義語
善は急げには以下のような類義語があります。
- 思い立ったが吉日:何かしようと思いついたら、すぐ実行するべきであるということ
- 先(さき)んずれば人を制す:他人よりも早く行動すれば、優位に立つことができるということ
- 先手必勝(せんてひっしょう):相手よりも先に行動すれば、必ず勝つことができるということ
- 旨い物は宵(よい)に食え:チャンスだと思ったことは、すぐに行動したほうがいいという例え
「善は急げ」の対義語
善は急げには以下のような対義語があります。
- 急(せ)いては事を仕損じる:物事を慌ててやれば、損をするということ
- 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):今がよくない状態であっても、待てばチャンスがやってくるということ
- 待てば甘露の日和あり(まてばかんろのひよりあり):根気よく待っていればそのうち良いことが起こること
- 騒ぐ烏(からす)も団子一つ騒がぬ烏も団子一つ:騒いでも騒がなくても、目の前の団子は一つだから、どう行動しても大して変わらないということ
「善は急げ」の英語訳
善は急げを英語に訳すと、次のような表現になります。
- Make hay while the sun shine.
(日の当たっているうちに干し草を作れ) - As good soon as syne.
(後でよりも、すぐの方が良い)
まとめ
以上、この記事では「善は急げ」について解説しました。
読み方 | 善は急げ(ぜんはいそげ) |
---|---|
意味 | 良いと思ったことは、ためらわず、すぐに行動に移すべきであるということ |
由来 | ダンマパダという、仏教で最も古いお経の一節 |
類義語 | 思い立ったが吉日、先んずれば人を制す、先手必勝、旨い物は宵に食えなど |
対義語 | 急いては事を仕損じる、待てば海路の日和あり、騒ぐ烏も団子一つ騒がぬ烏も団子一つ、など |
英語訳 | Make hay while the sun shine.(日の当たっているうちに干し草を作れ) |
「善は急げ」は、すぐに行動できていない時に使うことが多いことわざです。使わなくて済むように、良いと思ったことはいつでも迷わず行動できるのが理想ですね。