今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「先手必勝(せんてひっしょう)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「先手必勝」の意味をスッキリ理解!
「先手必勝」の意味を詳しく
「先手」は人よりも先に行うこと、「必勝」は必ず勝つことを指します。
ゲームの局面(将棋や囲碁などの盤の表面)で言うことが一般的です。しかし、ゲームだけでなく、試合や勝負事、日常生活においても、先に行動を仕掛け、相手の出鼻をくじくことで有利にする際に使われます。
「先手必勝」の使い方
- 彼女は試合が始まると同時に、先手必勝とばかりに攻撃を仕掛けた。
- 我が家の食卓は先手必勝のため、急がないとおかずを全部食べられてしまう。
- スクープを狙う新聞や雑誌の記者には、他紙よりも早く、先手必勝で記事を書くことが求められる。
先手必勝は、座右の銘としてもよく用いられる四字熟語です。
スポーツなどの勝負事はもちろん、ビジネスシーンでも使われますが、②のように日常生活を表現することもできます。
「先手必勝」の由来
先手必勝の由来は、日本の将棋や囲碁にあります。
将棋や囲碁のように、二人で交互に着手して展開するゲームにおいて、最初の一手(初手)を着手する側を先手(せんて)、着手しない側を後手(ごて)と言います。
先手の方が後手よりも、勝率が少し高いことが分かっているため、先手必勝という四字熟語が出来たとされています。
「先手必勝」の類義語
先手必勝には以下のような類義語があります。
- 先制攻撃(せんせいこうげき):相手よりも先に攻撃すること
「先手必勝」の対義語
先手必勝には以下のような対義語があります。
- 後手必勝(ごてひっしょう):ゲームや試合において、後手が必ず勝つこと
先手必勝の対義語は、「先手」のみ対義語にした「後手必勝」となります。
なお、後手が必ず破れるとは言い切れないため、「後手必敗(ごてひっぱい)」という対義語はありません。
「先手必勝」の英語訳
先手必勝を英語に訳すと、次のような表現になります。
- First come, first served.
(先着順、早い者勝ち) - Whoever strikes first wins.
(最初に攻撃した方が勝つ) - victory goes to the one who makes the first move
(先手必勝) - being quick to take action leads to victory
(先手必勝) - The devil take the hindmost.
(早い者勝ち) - The early bird gets the worm.
(早起きの鳥は虫を捕らえる) - The foremost dog catches the hare.
(一番先の犬がウサギを捕らえる)
“The devil take the hindmost.” には、元々「逃げ遅れたものは悪魔に食われろ」という意味があり、そこから転じて「早い者勝ち」という意味になりました。「悪魔に食われろ」は、暗に「どうとでもなれ」という意味を含みます。
“The early bird gets the worm.” は、日本語のことわざの「早起きは三文の得」とも訳されますが、早く行動した者が得をするという意味では、四字熟語の先手必勝としても当てはまります。
“The early bird gets the worm.” と “The foremost dog catches the hare.” は、それぞれworm(虫)やhare(野ウサギ)といった獲物をつかまえることが出来るという意味です。自然界でもスピードが速い者が有利とされていることが分かります。
まとめ
以上、この記事では「先手必勝」について解説しました。
読み方 | 先手必勝(せんてひっしょう) |
---|---|
意味 | 先に行動した者が成功するということ |
由来 | 将棋や囲碁において、先手の方が勝率が高いとされることから |
類義語 | 先制攻撃など |
対義語 | 後手必勝など |
英語訳 | First come, first served(先着順、早い者勝ち), The devil take the hindmost(早い者勝ち), The early bird gets the worm(早起きの鳥は虫を捕らえる)など |
将棋や囲碁といった日本の伝統的なゲームから生まれた四字熟語ですが、現在も幅広い意味で使われています。
何事にも先手必勝で、勝利をつかむことができると良いですね。