自分本位とは「自分を中心とした物事の考え方」という意味です。
ネガティブな意味で使われる言葉ですが、言葉の本質を理解できていないと正しく使うことはできません。
そこでこの記事では、自分本位の使い方や成り立ち・類義語・英語訳を解説します。
このページの目次
「自分本位」の意味
自分を中心とした物事の考え方
例:彼女の自分本位な行動にはうんざりだ。
自分本位とは、「自分を中心とした物事の考え方」です。
自分を基準としたり、自分自身を中心に位置付けたりする行動や言動を指します。
自分本意は間違い
自分本意という言葉は存在せず、自分本位が正しい表記となります。
「本意」とは、本来の望みや本当の考えのことです。
「私の本意ではない」といった使い方をします。
一方、「本位」は考えや判断・行動をするときの基準になるものを指します。
誤字に注意しましょう。
「自分本位」の使い方
自分本位は、日頃の言動が常に自分を中心としている様子を指して使います。
- 彼は、自分本位な性格のせいで友人が少なかった。
- 自分本位なやり方で議論を進めてしまった。
- 自分本位な行動は慎んでほしい。
- 自分本位な人と仕事をすると疲れる。
- もう少し自分本位に生きた方が良いとアドバイスをもらった。
ネガティブな文脈で使われることが主ですが、まれに⑤のようにポジティブな意味合いで使われることがあります。
「自分本位」の成り立ち
自分本位の「本位」には、「もとの位」や「文位(ぶんい:勲功による位階に対する、普通の身分の位)」などの意味があります。
しかし「自分本位」として使うときは、「基準・標準・中心となるもの」の意味です。
「自分」+「本位」で、「自分を第一の基準とすること」という意味になります。
自分本位は以下のように成り立っています。
- 自分
その人自身
- 本位
基準・標準・中心となるもの
つまり、自分本位は、「自分を第一の基準とすること」を表します。
「自分本位」の類義語
自分本位には以下のような類義語があります。
- 自己中心的
他人とすり合わせすることなく、物事を自分中心に考えること - 自己本位
物事を自分を中心にして考えたり、行ったりすること - わがまま
無理な事でも自分がしたいままにすること - 自分勝手
他人のことを考えず、自分の都合を優先する態度 - 身勝手
自分の都合・利益だけを考えて行動すること - 勝手きまま
他人のことは気にせず、自分のしたいように行動すること - 好き勝手
自分が好きなようにふるまう様 - 独りよがり
他人のことを考慮せず、自分の考えを押し通そうとすること - 独善的(どくぜんてき)
他人のことを考慮せず、自分の考えを貫こうとする様子 - 自由奔放(じゆうほんぽう)
思うままにふるまうこと - 利己的
自分の利益だけを中心に考え、他人の立場などを考えないで行動する様子 - 我田引水(がでんいんすい)
自分の利益になるように仕向けること - ミーイズム
自分の幸福や満足を求め、他には関心を払わないこと - エゴ
利己主義
「自分本位」の対義語
自分本位には以下のような対義語があります。
- 他人本位
他人のことを一番に考え行動すること - 自己犠牲
目的のために、自分の欲望や幸福を捨てて尽くすこと - 利他的
自分を犠牲にして他人の幸福・利益のために尽くす様子
「自分本位」の英語訳
自分本位を英語に訳すと、次のような表現になります。
- self-centered
(自分本位の) - selfish
(利己的な) - egotistic
(自己中心の) - self-righteousness
(自分本位)
「自己本位」のメリット
自己本位であることには以下のようなメリットがあります。
- ストレスを溜めにくい
- 人に流されない
- 物事に集中して取り組める
自分本位な人は、我慢をせず自分を優先させるためストレスを溜めにくいのが特徴です。
さらに自分の意見に自信を持っており、他人の意見に惑わされることもなく、最初から最後まで一貫した姿勢で物事に取り組めるところが強みです。
また自分以外の所に注意を向けないため、一つの物事に集中して取り組むことができます。
「自己本位」のデメリット
自己本位のデメリットは以下のとおりです。
- 怒りで疲れてしまう
- 孤立しがち
- 人望がなくなる
- 仕事での評価が下がる
- 恋愛がうまくいかない
自分本位でいることは、他人の意見に反発し続けることであるため、それに伴う怒りの感情で疲れてしまうことがあります。
また、自分本位な人と接した人は自身が「振り回されている」と感じることが多いため、次第に避けられるようになります。
同時に仕事では上司・同僚・顧客などさまざまな人とコミュニケーションを取る必要があるため、自分本位な人は評価が下がる可能性があります。
また、自己主張が強いせいで相手を思いやれず、恋愛がうまくいかないというデメリットがあります。
「自分本位」な人の特徴
自分本位な人の特徴は以下の通りです。
- わがまま
- 頑固
- 他人に興味がない
- 気分屋
- 時間や約束事にルーズ
①わがまま
自分本位な人は、わがままと思われてしまうことが多いです。
他人の気持ちを考えず行動してしまうことが多いため、自己中心的であると認識されてしまうのです。
②頑固
自分本位な人は、自分中心に物事を考えるため、自分の意見を曲げない頑固なところがあります。
自分が納得できなければ意見を変えたくないという気持ちが強く、周りの声に耳を傾けることや他人の意見に従うことを嫌う傾向にあります。
③他人に興味がない
自分中心ということは、自分にのみ意識が向いており、周囲への関心が薄いと言えます。
友人と話していても、話題はいつも自分の事だったり、相手が話した内容などをすぐに忘れてしまったりする場合があります。
④気分屋
自分本位な人は、気分の落ち込みやいら立ちをストレートに表現してしまうという特徴があります。
自分の機嫌・感情を優先しがちであり、場の空気を読もうとしない傾向にあるためです。
⑤時間や約束事にルーズ
自分本位な人は、自分を最優先することが習慣化されているため、約束を破ったり遅刻したりすることを抵抗無くできてしまいます。
相手の気持ちを汲み取るのが苦手であり、相手の迷惑を考えられない一面があります。
「自分本位」な人への対処法
自己本位な人の対処法としては以下のようなものが挙げられます。
- わがままを指摘する
- 上手くおだてる
- 距離を置く
過度なわがままを指摘することで、自分本位な人に自身のわがままを自覚させることが効果的です。
指摘することで口論になることを避けたい人は、上手におだてることで主導権を握ってしまうのも1つの手です。
それでもわがままが改善されない場合は、一度距離を置いてみるのが良いでしょう。
「自分本位」を克服する方法
自分本位を克服する方法を以下でご紹介します。
- 素直に謝る
- ルールやマナーを守る
- 相手の話を聞く
- 相手の気持ちを考える
①素直に謝る
自分本位な言動に気付いたら、きちんと謝る癖をつけましょう。
自分が不快な思いをさせてしまったことに対する謝罪は、負けを認めることではなく当然の行為です。
謝ることで、人間関係は修復可能です。
②ルールやマナーを守る
良い対人関係を築くために、最低限のルールやマナーは守るように意識をしましょう。
少し気にそぐわないルールなども、他人に迷惑をかけないようにと見方を変えると行動が変わるかもしれません。
③相手の話を聞く
自分本位な人は、自分の価値観を押し付けたり、相手の話に興味を持とうとしない傾向があります。
相手の気持ちを理解するため、自分の意見と違っても相手の話を最後まで聞くようにしましょう。
さまざまな意見を聞くことで、自分の中の偏見を取り除くことができるかもしれません。
④相手の気持ちを考える
何かアクションを起こす前に、それをすることで相手がどう感じるかを想像してみましょう。
日常的に意識し、徐々に意識的に他者のことを考慮した行動がとれるようになると良いですね。
「自分本位」のまとめ
以上、この記事では自分本位について解説しました。
読み方 | 自分本位(じぶんほんい) |
---|---|
意味 | 自分を中心とした物事の考え方 |
成り立ち | 「基準・標準・中心となるもの」の意味がある「本位」と、「自分」が結びついた言葉 |
類義語 | 自己中心的 自己本位 わがまま など |
対義語 | 他人本位 自己犠牲 利他的 など |
英語訳 | self-centered selfish egotistic など |
メリット | ストレスを溜めにくい 人に流されない 物事に集中して取り組める |
デメリット | 怒りで疲れてしまう 孤立しがち 人望がなくなる など |
自分本位な人の特徴 | わがまま 頑固 他人に興味がない など |
自分本位な人への対処法 | わがままを指摘する 上手くおだてる 距離を置く |
自分本位を克服する方法 | 素直に謝る ルールやマナーを守る 相手の話を聞く など |
行動が自分本位になっていないか、都度自分の行動を振り返ると良いですね。