今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「エゴ」です。
「エゴ」の意味・使い方・語源・対義語についてわかりやすく解説します。
「エゴ」とは?
「エゴ」の意味を詳しく
「エゴ」とは、自分の利益や快楽だけを考え、他者や社会一般に及ぼす迷惑を軽視する思考のことです。また、そのような考えを持つ人のことも指します。
つまり「エゴ」には、大きく2つの意味があります。1つが、利己主義的・自己中心的な考え方です。もう1つが、利己主義的・自己中心的な人のことです。
利己主義のことを「エゴイズム」、利己主義的な人のことを「エゴイスト」といいます。これらの言葉を省略したのが、「エゴ」です。
たとえば、みんなで3時間話し合い、1つの結論に至ったとします。しかし、Aさんは決まった内容に納得できず、怒り出してしまいます。この場合のAさんの思考や、Aさん自身のことを「エゴ」と言い表すことが出来ます。
「エゴ」は、簡単に言うと「わがまま」「自分勝手」という意味です。
「エゴ」に関連して、頻繁に使われる表現として、「エゴサーチ」があります。「エゴサーチ」とは、自分の本名・ハンドルネーム・運営サイト等を自分で検索し、評価を確かめる行為のことです。
ラテン語の “ego” は「私」、英語の “search” は「検索する」という意味があることからできた表現です。
「エゴサ」と省略して使うこともあります。
心理学における「エゴ」とは?
「エゴ」は、心理学・哲学においては自分という意識の主体という意味になります。つまり、「自我」のことです。
精神分析学者のフロイトは、人間の心は「イド」「スーパーエゴ」「エゴ」の3つの領域からなると考えました。
「イド」とは、本能的欲求をつかさどる部分です。食欲、性欲、睡眠欲など人間にとって基本的な欲求は、「イド」からわき出します。一方、「スーパーエゴ」とは、規律や規律、道徳に関する部分です。社会的に理想とされる行動を促します。
「エゴ」は、相反する「イド」と「スーパーエゴ」の間に入り、意識的に決定をする役割です。
たとえば、お金をまったく持っていない人が、コンビニのレジの中のお金を目にします。その時の葛藤は、「イド」「スーパーエゴ」「エゴ」に、分けると、次のようになります。
- イド:お腹がすいた。店員を殴って、レジの中のお金を奪ってしまおう。
- スーパーエゴ:強盗は、刑法で禁じられている。絶対にやってはいけない。
- エゴ:警察に捕まるリスクを冒すくらいなら、働こう。
この例では、結果的に「働く」という判断を下しました。しかし、非常にお腹がすいて「イド」が非常に強い場合や、「スーパーエゴ」がもともと弱い場合には、「強盗をする」という判断を下すことになります。
このようにせめぎ合う「イド」と「スーパーエゴ」の中で、意識的に判断をくだす「自分」こそが、心理学における「自我」です。
「エゴ」の使い方
- 君は相手の気持ちも考えず、ただ自分が満足するためだけに告白しただろう。それはエゴにすぎない。
- 社会貢献をする人も、結局は承認欲求を満たされたいがためにやっているのであれば、それはある種のエゴではないか。
- 社長は頭の回転は非常に速い。しかし、行動1つ1つに自分自身のエゴが垣間見える。
「エゴ」の語源
「エゴ」の語源はラテン語の “ego” です。
ラテン語の “ego” には、「私」という意味があります。「自分中心の思考」を表す「エゴイズム」や、「自己中心的な人」を表す「エゴイスト」は、この「私」という意味に由来しています。
「エゴ」の対義語
- アルトゥリスト(altruist):利他主義者
- 非我(nonego):自我に対立して存在する一切のもの
まとめ
以上、この記事では「エゴ」について解説しました。
英語表記 | エゴ(ego) |
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意味 | 自分の利益や快楽だけを考え、他者や社会一般に及ぼす迷惑を軽視する思考 |
語源 | 「私」を意味するラテン語 “ego” |
対義語 | アルトゥリスト、非我 |
「エゴ」は「自我」という意味もありますが、多くの場合「自分の利益や快楽だけを考え、他者や社会一般に及ぼす迷惑を軽視する思考」という意味で使用します。
他人に「エゴ」と言われないように、日頃のふるまいには気をつけましょう。