「エゴ」の意味とは?心理学での意味からエゴサーチまでわかりやすく

言葉

エゴとは「自分の利益や快楽のみを重視して、他者の利益を軽視する思考。またその考えの人」という意味です。

日常生活やビジネス上でも使われることがのある言葉ですが、意味を知らなくて会話についていけない経験をした人もいるのではないでしょうか。

この記事では、複数あるエゴの意味を詳しく解説します。

☆「エゴ」をざっくり言うと……

英語表記エゴ(アルファベット)
意味自分の利益や快楽のみを重視して、他者の利益を軽視する思考。またその考えの人
語源「私」という意味のラテン語の “ego”
類義語主観
主我など
対義語利他
お人よし

「エゴ」の意味

エゴ

自分の利益や快楽のみを重視して、他者の利益を軽視する思考。またその考えの人
例:それはあなたのエゴでしょう。

つまり、エゴには大きく分けると以下のような2つの意味があるのです。

  1. 自己の利益だけを優先し、他者や社会への損害を軽視する考え方
  2. 自分の利益のみを重視した考えの人・自分本位な人

つまりエゴは、「利己主義」で「自分中心的」な考え方という言い方もできます。

エゴは、自分の欲求や満足感だけを最優先し、自分の利益だけが全てと捉えるのが特徴です。

エゴの誤用

エゴはあくまで、自分本位な考え方を表す言葉です。

自分を優先する結果として他者を軽視することはありますが、「悪意を持って他人を傷つけたり、妨害したりする」という意味はないので注意しましょう。

「エゴ」の心理学での意味

エゴは、もともと心理学用語として、精神分析学者のフロイトが創った言葉でした。

心理学の中でエゴとは、「意思決定を行う意識の主体」という意味を持ちます。

定義としては、以下のように説明されます。

感覚の刺激や肉体的要求の知覚と、身体運動との間を調節する心理装置。自己保存の役割を果たす。

少し難しいので、詳しく説明します。

まず、人間の意識には以下の3つの層があります。

  1. イド・エス
    欲求や感情がむき出しになる動物的本能
  2. エゴ
    イドとスーパーエゴの間で意思決定を行う部分
  3. スーパーエゴ・超自我
    周囲からのしつけや社会規範を守ろうとする理性

人間がイドにのみ従っている場合、ルールや法律などを無視して本能のままに動いてしまいます。

しかし、私たちがそのような行動をしないのは、スーパーエゴが欲求を押さえつけ、社会的に理想とされる行動を促しているからです。

スーパーエゴは、道徳心や理性などと言うこともできます。

エゴは、相反するイドとスーパーエゴの間で、最終的な意思決定を行う役割を担っています。

 

たとえば、お金をまったく持っていない人が、コンビニのレジの中のお金を目にします。その時の葛藤は、「イド」「スーパーエゴ」「エゴ」に、分けると、次のようになります。

  • イド
    今すぐに新作のゲームをしたいから、盗んでしまおう。
  • スーパーエゴ
    万引きは法律的にも道徳的にも絶対に行ってはいけない。
  • エゴ
    警察に捕まるリスクや将来を棒に振うリスクを考えて、アルバイトをして購入することにした。

イドによる欲求が非常に強い場合や、スーパーエゴによる抑制力が弱い場合には、イドに従った判断を下すこともあります。

このような相反するイドとスーパーエゴとの間で、意識的に判断をくだす自分の意識が、心理学で言うエゴなのです。

日常生活で使われる「エゴ」の意味

エゴがビジネスや日常生活の中で、心理学用語としての意味で使われることは非常に少ないです。

ほとんどが、自分本位という意味で使われます。

「エゴ」の使い方

エゴは以下の例文のように、相手を批判する意味で使われることが多いです。

  1. 彼は会議の中で、エゴをむき出しにしていた。
  2. 両親のエゴによって、彼女の人生はめちゃくちゃになってしまった。
  3. 自分のエゴのために、周りの和を乱さないでください。

また、エゴを使う際には以下のような点に注意しましょう。

  1. 目上の人に使わない
  2. 「他人に迷惑をかける」というだけの意味で使わない
  3. 「自分の意見と異なる」という理由だけで使わない

目上の人に使わない

エゴを他人や他人の発言などに対して使うと「あなたは自分勝手なことを言っていますよ」というニュアンスになります。

そのため、目上の人に使う言葉としてはふさわしくありません。

「他人に迷惑をかける」というだけの意味で使わない

エゴはあくまで「自分本位」という意味の言葉であるので、単に人に迷惑をかけているという意味では使うことはできません。

「自分の意見と異なる」という理由だけで使わない

エゴという言葉を、自分と意見が対立している相手に使ってしまう人がいます。

しかしエゴは、自分本位という意味の言葉なので、自分と意見が異なっているからと言って相手の意見がエゴであるとは限りません。

むしろ自分の方が自分本位な考えをしてしまっている可能性もあるので、感情的になってエゴを使わないようにしましょう。

「エゴ」の語源

エゴの語源は、「私」という意味のラテン語の “ego” です。

カタカナ語のエゴは、以下の用語の略称として使われています。

  • エゴイズム
    自己の利益だけを優先し、他者や社会への損害を軽視する考え方
  • エゴイスト
    自己の利益だけを優先し、他者や社会への損害を軽視する考え方の人

エゴイズムは、以下の英語で構成されている単語です。

エゴイズムの構成
  • ego
    自分
  • ism
    主義・主張

エゴイズムは「利己主義」という意味の英単語であることがわかります。

そしてエゴイストは、エゴイズムに「~な人」という意味の接尾語 “ist” を付けた言葉です。

心理学用語の「エゴ」の語源

フロイトは、主体である意識を表すために、ラテン語の “ego” を語源にエゴという言葉を造りました。

「エゴ」の類義語

エゴには以下のような類義語があります。

  • 主観
    その人ひとりのものの見方
  • 主我
    何事も自分を第一に考えて他を顧みないこと
  • 利己
    自分の利益だけを追い求めること
  • わがまま
    他人のことを考えず自分の都合だけを考えて行動する・こと
  • 自分勝手
    他人の都合を考えず、自分のことだけを考えること
  • 自分本位
    他の人よりも自分を優先して行動すること

「エゴ」の対義語

エゴには以下のような対義語があります。

  • 利他
    自分を犠牲にして、他人のために尽くすこと
  • お人よし
    他人に利用されたりだまされたりしやすいこと
心理学用語としての「エゴ」の対義語

「自我」という意味のエゴの対義語には、以下のようなものがあります。

  • 非我
    自我に対立して存在しているすべてのもの
  • 他我
    自我に対して、他人に存在すると考えられる我

「エゴ」の関連語


エゴの関連語には、以下のようなものがあります。

  • エゴイズム
    自己の利益だけを優先し、他者や社会への損害を軽視する考え方
  • エゴイスト
    自分の利益のみを重視した考えの人・自分本位な人
  • エゴサーチ
    検索エンジンやSNSなどを使ってインターネット上の自分の評判を調べること
  • エゴグラム
    人間関係の心理学理論に基づいて作られた性格診断テスト
  • エゴロック
    ボーカロイドの曲タイトル

「エゴ」のまとめ

以上、この記事ではエゴについて解説しました。

英語表記エゴ(アルファベット)
意味自分の利益や快楽のみを重視して、他者の利益を軽視する思考。またその考えの人
語源「私」という意味のラテン語の “ego”
類義語主観
主我など
対義語利他
お人よし

エゴには、複数の意味があることがわかりましたね。