「忸怩(じくじ)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「忸怩(じくじ)」です。

言葉の意味、使い方、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

「忸怩」の意味をスッキリ理解!

忸怩(じくじ):深く恥じ入ること

「忸怩」の意味を詳しく


「忸怩」とは、深く恥じ入ることという意味をあらわす熟語です。

「忸」も「怩」も、どちらも訓読みをすると「はじる」となります。

「忸怩」は「恥じる」という意味の漢字を2つ組み合わせて、「とても恥ずかしい」という意味を表しているのです。

また、その恥ずかしさから反省する意も含まれているのが特徴です。

「忸怩」の誤用

「忸怩」は誤用が多いので注意が必要です。

「忸怩」には主に以下の4つの誤用があります。

  1. 「悔しさ」「憤り」などの意味で用いるのは誤用
  2. 「ぐじぐじ悩む」という意味で用いるのは誤用
  3. 他人の感情を述べる時に用いるのは誤用
  4. プライベートな場面で用いるのは誤用

それぞれの誤用について詳しく見ていきましょう。

誤用①:「悔しさ」「憤り」などの意味で用いるのは誤用

「忸怩」を「悔しい」「憤り」「悩み」などの感情を表す表現として用いるのは誤用です。

特に、「忸怩」は政治家が「忸怩たる思いです」と用いることが多いため、「悔しい」という意味だと勘違いしている人が多いようです。

「忸怩」はあくまで「深く恥じ入る」という意味なので注意しましょう。

誤用②:「ぐじぐじ悩む」という意味で用いるのは誤用

「忸怩」を「ぐじぐじ悩む」という意味で用いるのは誤用です。

「忸怩(じくじ)」と「ぐじぐじ」で言葉の響きが似ていることから、このような誤用が生まれたと考えられます。

誤用③:他人の感情を述べる時に用いるのは誤用

「忸怩」を他人の感情を述べる時に用いるのは誤用です。

「忸怩」はあくまで「自分が深く恥じ入っている」という意味だからです。

他人に用いると失礼な場合もあるため、注意が必要です。

誤用④:プライベートな場面で用いるのは誤用

「忸怩」はプライベートな場面で用いるのに適した言葉ではありません。

「忸怩」はフォーマルな場面で、何らかの深刻な事態を引き起こしたことについて、深く恥じ入る時に用いられます。

「人前に出るのが恥ずかしい」という場合や、「照れて恥ずかしい」という場合に用いる言葉ではありません。

もっと重々しい場面で用いられます。

「忸怩」の使い方

  1. 良かれと思ってとった行動が会社に損失を負わせる結果になり、忸怩たる思いだ。
  2. 総理大臣は自らの政策の失敗について「忸怩たる思いであります」と述べた。
  3. リーダーとしてこのプロジェクトが失敗に終わったことには、忸怩たるものがある。

3つの例文を見てわかる通り、「忸怩」は、「忸怩たる」という形で使うことがほとんどです。

特に多いのが、①と②の例文で使われている「忸怩たる思い」という使い方です。

「忸怩たる思い」とは、過去の自分の行動などを振り返り、それを恥じ入ること、またはそのように恥ずかしいと思う感情を表す言葉です。

そして、上記の例文のように、「忸怩」は政治家の会見やビジネスの謝罪場面などで用いられることが多い言葉です。

「忸怩」の類義語

「忸怩」には以下のような類義語があります。

  • 慙愧(ざんき)に堪(た)えない:自分の行いについて恥であると思い、反省すること
  • 慙愧の思い:自分の行いについて恥であると思い、反省すること
  • 自責の念に駆られる:後悔して自分を責める気持ちになること
  • 汗顔(かんがん)の至り:深く恥じ入ること
  • 不徳(ふとく)の致すところ:自分の不徳(不道徳なこと)のために引き起こしたこと
  • 恥じ入る:自らの行為の至らなさを自覚して恥ずかしく思う
  • 恥じる:自らの過ちなどを恥ずかしく思う
  • 羞恥心(しゅうちしん):恥ずかしく感じる気持ち

「忸怩」の対義語

「忸怩」には以下のような対義語があります。

  • 矜持(きょうじ):自分自身を誇りに思うこと、プライド
  • 自負心(じふしん):あることに対して自分に強い自信を持っていること
  • 自尊心(じそんしん):自らを尊重する心
  • 誇る:優れていると思って得意になる
  • 鼻が高い:誇らしく得意げな様子
  • 得意げ:誇らしそうにしているさま
  • 光栄:名誉に思うこと

「忸怩」の英語訳

「忸怩」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • bashful
    (忸怩たる)
  • ashamed
    (恥じ入って)
  • shameful
    (恥ずべき)
  • embarrassed
    (恥じる)

「忸怩」は基本的に「忸怩たる」という形容詞の形で使うことがほとんどです。そのため、英語訳はどれも形容詞になります。

まとめ

以上、この記事では「忸怩」について解説しました。

読み方忸怩(じくじ)
意味深く恥じ入ること
類義語慙愧に堪えない、慙愧の思い、自責の念に駆られるなど
対義語矜持、自負心、自尊心など
英語訳bashful, ashamed, shamefulなど

「忸怩」の意味や使い方など、理解することはできたでしょうか。

「忸怩」の漢字はあまり見かけることのないものですが、どちらも「はじる」と読むことを覚えておくと、意味もより押さえやすくなるでしょう。

使う場面はビジネスや政治など、限られた場面ばかりですが、テレビや新聞でも見かける言葉でもあるため、ぜひ読み方も意味も覚えておきたいですね。