今回ご紹介する言葉は、熟語の「忸怩(じくじ)」です。
言葉の意味、使い方、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
「忸怩」の意味をスッキリ理解!
「忸怩」の意味を詳しく
「忸怩」とは、深く恥じ入ることという意味をあらわす熟語です。
「忸」も「怩」も、どちらも訓読みをすると「はじる」となります。つまり、どちらも「恥ずかしく思う」という意味を表す漢字であり、「忸怩」はその二つの漢字を合わせた言葉です。
「恥ずかしく思う」という同じ意味の漢字を重ねた言葉だけあって、その恥ずかしさはかなり大きなものになります。また、その恥ずかしさから反省する意も含まれているのが特徴です。
また、自分の行動や考え方などを反省し恥じるというのが「忸怩」の正しい意味です。したがって、「悩み」「怒り」しかなく、「恥じ」「反省」という感情が含まれていない場面では「忸怩」は使うことができません。誤用しやすいため注意が必要です。
そして、「忸怩」は、「恥じる」対象が他人ではなく自分です。つまり、自分のしたことに対して恥ずかしいと思った時に使うのです。
「忸怩」の使い方
- 良かれと思ってとった行動が会社に損失を負わせる結果になり、忸怩たる思いだ。
- 彼の顔からは忸怩たる思いが感じられ、相当反省しているのが見て取れる。
- リーダーとしてこのプロジェクトが失敗に終わったことには、忸怩たるものがある。
3つの例文を見てわかる通り、「忸怩」は、「忸怩たる」という形で使うことがほとんどです。特に多いのが、①と②の例文で使われている「忸怩たる思い」という使い方です。
「忸怩たる思い」とは、過去の自分の行動などを振り返り、それを恥じ入ること、またはそのように恥ずかしいと思う感情を表す言葉です。
「忸怩」の類義語
「忸怩」には以下のような類義語があります。
- 慙愧(ざんき)に堪(た)えない:自分の行いについて恥であると思い、反省すること
- 慙愧の思い:自分の行いについて恥であると思い、反省すること
- 自責の念に駆られる:後悔して自分を責める気持ちになること
- 汗顔(かんがん)の至り:深く恥じ入ること
- 不徳(ふとく)の致すところ:自分の不徳(不道徳なこと)のために引き起こしたこと
「忸怩」の対義語
「忸怩」には以下のような対義語があります。
- 矜持(きょうじ):自分自身を誇りに思うこと、プライド
- 自負心(じふしん):あることに対して自分に強い自信を持っていること
- 自尊心(じそんしん):自らを尊重する心
「忸怩」の英語訳
「忸怩」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- bashful
(忸怩たる) - ashamed
(恥じ入って) - shameful
(恥ずべき)
「忸怩」は基本的に「忸怩たる」という形容詞の形で使うことがほとんどです。そのため、英語訳はどれも形容詞になります。
まとめ
以上、この記事では「忸怩」について解説しました。
読み方 | 忸怩(じくじ) |
---|---|
意味 | 深く恥じ入ること |
類義語 | 慙愧に堪えない、慙愧の思い、自責の念に駆られるなど |
対義語 | 矜持、自負心、自尊心など |
英語訳 | bashful, ashamed, shameful |
「忸怩」の意味や使い方など、理解することはできたでしょうか。
「忸怩」の漢字はあまり見かけることのないものですが、どちらも「はじる」と読むことを覚えておくと、意味もより押さえやすくなるでしょう。
使う場面はビジネスや政治など、限られた場面ばかりですが、テレビや新聞でも見かける言葉でもあるため、ぜひ読み方も意味も覚えておきたいですね。