今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「唯一無二(ゆいいつむに)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「唯一無二」の意味をスッキリ理解!
「唯一無二」の意味を詳しく
「唯一」は「ただ一つしかないもの」、「無二」は「二つとないもの」を意味する類義語で、それぞれ単独で使われることもあります。
つまり、これらを二つ重ねた「唯一無二」は、この世でただ一つしかなく、代わりがないものという意味を強調した四字熟語です。
もともとは、天皇や王といったこれ以上ないくらいに身分が高い存在や、神や仏といった比べるものがないような存在を対象に使われていました。「他と並ぶもののない存在」として、絶対的な存在をたてまつる意味があったのです。
しかし、最近では心理学やカウンセリングの場でも使用されます。「他と比べることのないただ一つの存在」として自分自身を認識することで、他者と比べるのではなく、自分に自信を持たせる方法があります。このような場面では、自分自身を唯一無二の存在と形容します。
このように、「唯一無二」は「他と並ぶもののない存在」を表すだけでなく、「他と比べることのないただ一つの存在」を表すこともできるのです。
「唯一無二」の使い方
- アッラーは、イスラム教の唯一無二の神である。
- 交友関係が狭い僕にとって、彼は唯一無二の親友だ。
- これが、現場に残された唯一無二の証拠です。
①の例文では、神であるアッラーを「他と並ぶもののない存在」と表現するために使用しているのに対し、②の例文では親友を「他と比べることのないただ一つの存在」として表現するために使用しています。
神に対して使う四字熟語を、人間など他の対象にも使うことで、いかに「この世でただ一つしかなく、代わりがないもの」という意味が強調されるかが分かります。
「唯一無二」の類義語
唯一無二には以下のような類義語があります。
- 唯一不二(ゆいいつふじ)
- 唯一無双(ゆいいつむそう)
- 不同不二(ふどうふじ)
- 無二無三(むにむさん、むにむざん):ただ一つしかなく、代わるものがないこと。転じて、一つの物事に心を傾けてそれに打ち込むさま
「無二無三」以外の類義語は、唯一無二と同じ「世の中に一つだけで他に並ぶものがないもののこと」という意味をもちます。
「唯一無双」の「無双」は、並ぶものがないほど優れていることを表します。
「無二無三」は、もとは法華経(ほけきょう)の文章に由来をもつ仏教語です。仏になるための道は、何通りもあるのではなく、ただ一つしかないことからこのように書きます。「唯一無二」との違いは、一つのことにひたすら没頭するという意味ももつことです。
「唯一無二」の英語訳
唯一無二を英語に訳すと、次のような表現になります。
- unrivaled
(競争相手のない、無比の) - peerless
(二つとない、無双の) - nonpareil
(この上ない、ずば抜けた) - one and only
(たった一つの存在。または、最愛の人) - like no other
(何にもまして。また、唯一無二で)
“unrivaled” という単語に含まれるrivalは、「張り合う」という意味の動詞です。張り合う相手がいないことから、無比という意味になります。
このほかにも、「調和する」という意味の “match” の否定形 “unmatched” で「唯一無二の、比類のない」と表現したり、「同等である」という意味 “equal” の否定形 “unequaled” で「匹敵するもののない」と表現したりすることもできます。
まとめ
以上、この記事では「唯一無二」について解説しました。
読み方 | 唯一無二(ゆいいつむに) |
---|---|
意味 | この世でただ一つしかなく、代わりがないもの |
類義語 | 唯一不二、唯一無双、不同不二、無二無三など |
英語訳 | unrivaled(競争相手のない、無比の), one and only(たった一つの存在。または、最愛の人),like no other(何にもまして。また、唯一無二で)など |
唯一無二は、小説などではもちろん、教科書や実用書でも見かける四字熟語です。
頻繁に使用するのではなく、特別であることを表現したい時に使うと、一味違った印象になるでしょう。