今回ご紹介する言葉は、ことわざの「藪(やぶ)をつついて蛇を出す」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「藪をつついて蛇を出す」をざっくり言うと……
読み方 | 藪(やぶ)をつついて蛇を出す |
---|---|
意味 | 余計なことや不必要なことをした結果、災いを招くこと |
由来 | 藪をつついた結果、藪の中で大人しくしていた蛇が出て来る様子から |
類義語 | 寝た子を起こす、平地に波瀾を起こす、手を出して火傷するなど |
対義語 | 触らぬ神に祟りなし、君子危うきに近寄らず、参らぬ仏に罰は当たらぬなど |
英語訳 | It is ill to waken sleeping dogs.(寝ている犬を起こすのは、間違いだ。) |
このページの目次
「藪をつついて蛇を出す」の意味をスッキリ理解!
「藪をつついて蛇を出す」の意味を詳しく
「藪をつついて蛇を出す」は、余計なことをした結果、災いを招くことを意味することわざです。また、余計なことをした結果、状況がさらに悪化するということも表します。
多くの場合、「良かれと思ってやった」結果として、失敗した場面で使われます。
同じ意味で、「藪を叩いて蛇を出す」と表現することもあります。また、略して「藪蛇(やぶへび)」と言うこともあります。
「藪から棒」との混同に注意
「藪をつついて蛇を出す」に似たことわざとして、「藪から棒」があります。「藪から棒」は、前触れなく、突然物事を行うことを意味します。
「藪をつついて蛇を出す」を「藪から棒」と混同して使っている場合がありますが、これは間違いです。
例えば、「彼は、藪をつついて蛇を出すかのように話し出した。」というような使い方は不自然なので、注意しましょう。
「藪をつついて蛇を出す」の使い方
- せっかく相手会社と和解しかけていたのに、上司が無理やり訴訟を起こした。これから泥沼の争いになりそうだ。藪をつついて蛇を出すようなことをしてくれたものだ。
- 駅前に怪しい男が立っていた。好奇心旺盛な彼女は、男に近寄っていった。藪をつついて蛇を出すことにならなければいいが。
- 僕がやったことが上手くいくか、あるいは藪をつついて蛇を出すことになるかは、今はまだ分からない。
「藪をつついて蛇を出す」の由来
「藪」とは、草や木が生い茂っている場所のことです。
必要がないにも関わらずに藪をつついた結果、藪の中で大人しくしていた蛇が出て来る様子を表しています。蛇は、災難のたとえです。
「藪をつついて蛇を出す」の類義語
「藪をつついて蛇を出す」には以下のような類義語があります。
- 寝た子を起こす:落ち着いているものに手をだして、問題を起こすこと
- 平地に波瀾(はらん)を起こす:穏やかなところに、もめごとを起こすこと
- 手を出して火傷(やけど)する:余計に手をだして、ひどい目に遭うこと
- 雉(きじ)も鳴かずば撃たれまい:余計な発言をしたばかりに、災いを招くこと
- 草を打って蛇を驚かす:何気ない行為が、予想外の災難につながること
- 打草驚蛇(だそうきょうだ):「草を打って蛇を驚かす」と同義
「藪をつついて蛇を出す」の対義語
「藪をつついて蛇を出す」には以下のような対義語があります。
- 触らぬ神に祟りなし:何事も関係を持たなければ、災いを招くことがないということ
- 君子(くんし)危うきに近寄らず:教養がある人は、危険なところに近づかないということ
- 参らぬ仏に罰は当たらぬ:何事も関係を持たなければ、災いを招くことがないということ
「藪をつついて蛇を出す」の英語訳
「藪をつついて蛇を出す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- It is ill to waken sleeping dogs.
(寝ている犬を起こすのは、間違いだ。) - Let sleeping dogs lie.
(寝ている犬は、寝かせておけ。) - It is not good to wake a sleeping lion.
(眠ったライオンを起こすな。)
まとめ
以上、この記事では「藪をつついて蛇を出す」について解説しました。
読み方 | 藪(やぶ)をつついて蛇を出す |
---|---|
意味 | 余計なことや不必要なことをした結果、災いを招くこと |
由来 | 藪をつついた結果、藪の中で大人しくしていた蛇が出て来る様子から |
類義語 | 寝た子を起こす、平地に波瀾を起こす、手を出して火傷するなど |
対義語 | 触らぬ神に祟りなし、君子危うきに近寄らず、参らぬ仏に罰は当たらぬなど |
英語訳 | It is ill to waken sleeping dogs.(寝ている犬を起こすのは、間違いだ。) |
「藪をつついて蛇を出す」人は、多くの場合悪気がありません。そのため、「藪をつついて蛇を出す」ことになっても、「仕方がない」とあきらめる方が良いかもしれません。
生きていく上で、当てはまる場面は少なからず多いと思います。ぜひ積極的に使ってみてください。