どう違う?「衒い」「外連」の 違い

違いのギモン

衒いと外連は使い方と意味が異なります。

そもそも衒いと外連の意味を知っているでしょうか?

どちらも難しい言葉ですよね。

そこで、この記事では「衒い」と「外連」の意味を解説し、違いを明確にします。

「衒い」と「外連」の違い

  • 衒い
    内面に関して見栄を張る
  • 外連
    外面に関して見栄を張る

以下で衒いと外連の意味について詳しく解説します。

「衒い」の意味

衒いは「自分の知識や才能を誇って得意そうに見せること、実際よりも良く見せること」という意味です。

「衒」という漢字は「見せびらかす、ひけらかす」という意味を持ちます。

「衒う」と使うこともあり、「奇を衒う」「学識を衒う」といった使い方をします。

この使い方からもわかるように、外見に関することではなく、知識や才能などの内面に対して使う言葉です。

「衒いがない」の意味

衒いは「ない」と否定の言葉を付けることで、「良く見せようとせずに素直であること、気取っていないこと」を表します。

以下のような言い回しがあります。

  • 衒いがない
  • 何の衒いもない
  • 衒いのない性格
「衒いがない」はポジティブなニュアンスで使われます。

「衒い」の使い方

衒いは、知識や才能などの内面に見栄を張る場合に使います。

例文
  1. 美術の課題で奇を衒いすぎて、最低評価を付けられてしまった。
  2. 彼は十分優秀な部下だが、自分の能力を衒うため周りから疎まれている。
  3. 彼女の衒いのない性格がとても魅力的に見えた。
①の衒いは「奇を衒う」で「わざと普通と違っていることをして人の注意を引こうとすること」を意味します。

②は「自分の知識や才能を誇って得意そうに見せること」という意味で衒いが使われています。自分の能力という内面に見栄を張っています。

③は「衒いのない性格」で「良く見せようとせずに素直であること、気取っていないこと」を意味します。褒め言葉として使われます。

「衒い」の類義語

衒いには以下のような類義語があります。

  • 見栄っ張り(みえっぱり)
    うわべを飾る
  • 気取り(きどり)
    体裁をつくろうこと
  • 格好つける(かっこうつける)
    できるだけさまになるように、気にしてふるまうさま
  • 鼻に掛ける(はなにかける)
    得意げになっているさま
  • 見識張る(けんしきばる)
    いかにも見識があるように振る舞うこと
  • 自己顕示(じこけんじ)
    自分の存在を目立たせ際立たせること
  • 器量自慢(きりょうじまん)
    才能を自ら誇ること

「衒」を使った熟語

「衒」を使った熟語を紹介します。

  • 衒学(げんがく)
    学問・知識のあることを自慢し見せびらかすこと
  • 衒気(げんき)
    他人に自分の才能などを見せびらかしたがる気持ち
  • 衒耀(げんよう)
    名誉・名声を得ようとして、盛んに自らを誇示すること

「外連」の意味

外連は「はったりやごまかしをきかせること」という意味です。

人の気を引いたり、自分を正当化するための大げさで不自然な行動を指します。

外連は、良い意味でも悪い意味でも使われます。良い意味では、優れた演出を評価する際などに使われます。

外連味

はったりやごまかしがあることを「外連味」もしくは「ケレン味」と表します。

「外連」の使い方

外連は、外面重視の演出に対して使います。

例文
  1. こないだ見た映画は、制作費をかけているだけあって外連な感じがした。
  2. 新しく入社してきた彼は、外連味が強くて好かない。

①は「はったりやごまかしをきかせること」という意味で外連が使われています。映画などに対して、演出の評価として使われます。

②の外連は「外連味」で「はったりやごまかしをすること」を意味します。

「外連」の由来

外連は、歌舞伎や人形浄瑠璃などにおいて、観客を楽しませるために用いられた演出を表す専門用語でした。

現在では一般的な言葉として定着し、演出過多というニュアンスで「はったりやごまかしをすること」という意味になりました。

「外連」の類義語

外連には以下のような類義語があります。

  • 誇張(こちょう)
    おおげさに表現すること
  • 広言(こうげん)
    口にまかせて大きなことを言うこと
  • 飾り(かざり)
    表面、外見をよく見せようと取り繕うこと
  • 風呂敷を広げる(ふろしきをひろげる)
    実際よりも大げさに言う
  • 尾ひれをつける(おひれをつける)
    事実でない誇張を交えて話すさま
  • はったり
    いい加減なことを大胆に本当らしく大げさに話すこと
  • ごまかし
    だまして人目を欺くこと

「外連」の対義語

外連には以下のような対義語があります。

  • 王道(おうどう)
    楽な道、ありがち
  • 正統派(せいとうは)
    穏健妥当な考え方や行動をする人
  • 正攻法(せいこうほう)
    正々堂々とした攻め方
  • オーソドックス
    穏健妥当な考え方や行動をする人

「衒い」と「外連」の英語訳


衒いと外連を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • pretension
    (衒い、仰々しさ、気取り)
  • show off
    (見せびらかす、よく見せる)

英語では衒いと外連を区別していないため同じ訳となります。

「衒いがない」と表現したい場合の英語訳を紹介します。

  • modest
    (謙虚な)
  • unaffected
    (気取らない)
  • no pretense
    (衒いのない)
  • no terrible
    (衒いのない)

米津玄師の「ピースサイン」で使われる「衒い」と「外連」

アーティストである米津玄師の「ピースサイン」という楽曲の中に、衒いと外連が登場します。

蹴飛ばして噛み付いて息もできなくて

騒ぐ頭と腹の奥がぐしゃぐしゃになったって

衒いも外連も消えてしまうくらいに

今は触っていたいんだ 君の心に

「衒いも外連も消えてしまうくらいに」は、「見栄がなくなるくらいに」という意味です。

「衒い」と「外連」の違いのまとめ

以上、この記事では、「衒い」「外連」の違いについて解説しました。

  • 衒い
    自分の知識や才能を誇って得意そうに見せること
  • 外連
    はったりやごまかしをきかせること
衒いは内面に対して、外連は外面に対して使う言葉でした。しっかり理解して、ひとつ上の語彙を手に入れましょう。

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シェスカ
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公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。