今回ご紹介する言葉は、熟語の「闊歩(かっぽ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「闊歩」をざっくり言うと……
読み方 | 闊歩(かっぽ) |
---|---|
意味 | 堂々と歩く様子、威張って好き勝手に行動する様子 |
類義語 | 横行、跋扈、肩で風を切る |
対義語 | 謙虚、敬虔、恭謙 |
英語訳 | strut、swagger、stride |
「闊歩」の意味をスッキリ理解!
「闊歩」の意味を詳しく
「闊歩」は、大股でゆっくりと、堂々と道を歩く様子を表す熟語です。そこから転じて、威張った態度で好き勝手に行動する様子も表します。
「闊(かつ)」は訓読みでは「闊(ひろ)い」と読まれ、「広くゆとりがあること、間が空いていること」を表す漢字です。
ここから、広く間を空けて歩くこと、つまり堂々と威張った態度を取るという意味になりました。
難しく見慣れない漢字のように思われますが、意外と使われる機会は多くあります。
うっかりしているという意味の「迂闊(うかつ)」や、細かいことにこだわらずのびのびしていることを表す「闊達自在(かったつじざい)」などに使われています。合わせて覚えておきましょう。
「闊歩」の使い方
「闊歩」は文中では以下のように使われます。
- 町長が街を闊歩する様子を苦々しく見送る。
- 夜、すっかり人気のなくなった大通りを闊歩する。
- 元取締役は退陣した後も、我が物顔で社内を闊歩していた。
「闊歩」の類義語
「闊歩」には以下のような類義語があります。
「横行」は自由に歩き回るという意味が転じて、「悪事が取り締まられることなく好き勝手に行われていること」を表しています。「組織の内部で汚職が横行していた」といったように使われます。
「跋扈」は「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」という四字熟語としても使われます。これは、「権威を無視し、悪人などが好き勝手にふるまうこと」を表します。
「肩で風を切る」は慣用句です。勢いに乗っている人物が、胸を張り得意げに歩く様子を表しています。
「闊歩」の対義語
「闊歩」には以下のような対義語があります。
- 謙虚(けんきょ):控えめなこと、つつましいこと
- 敬虔(けいけん):つつしみ、他者を思う気持ちが深いこと
- 恭謙(きょうけん):つつしみ深く、へりくだること
「闊歩」の英語訳
「闊歩」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- strut
(もったいぶって歩く、見せびらかす) - swagger
(いばりながら歩く、自慢する) - stride
(いばりながら大またに歩く、元気に歩く)
strut は名詞になると「いばった歩き方」という動詞を名詞化した意味の他に「支柱、突っ張り」という意味も持ちます。
- The investigator strutted around.(調査員はもったいぶりながらあたりを歩き回った。)
- The student walked with a swagger because he got a good score on the test.(その生徒はテストで良い点を取ったため、自慢げに歩き回った。)
- She walked with rapid strides.(彼女は大またで素早く歩いて行った。)
ここでは swagger , stride を名詞として使いましたが、どちらも動詞としても使うことのできる英単語です。
まとめ
以上、この記事では「闊歩」について解説しました。
読み方 | 闊歩(かっぽ) |
---|---|
意味 | 堂々と歩く様子、威張って好き勝手に行動する様子 |
類義語 | 横行、跋扈、肩で風を切る |
対義語 | 謙虚、敬虔、恭謙 |
英語訳 | strut、swagger、stride |
日常的に使われることの多い熟語なので、意味や使い方をしっかり覚えておきましょう。