「千里の道も一歩から」の意味とは?類語や英語まで例文付きで解説

言葉

「千里の道も一歩から」とは「どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する」という意味です。

ことわざとしての意味はわかっていても、「英語に訳すとどうなるのだろう」「由来は何なのだろう」という疑問をもっている人が多いのではないでしょうか。

この記事では、「千里の道も一歩から」の意味や類義語、由来、英語訳などについて、詳しく解説します。

☆「千里の道も一歩から」をざっくり言うと……

読み方千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
意味どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
由来『老子』の一節「千里の行も足下より始まる」
類義語「千里の行も足下に始まる」「千里の行も一歩より始まる」など
英語訳A journey of a thousand miles begins with a single step.(千里の道も一歩から)など

「千里の道も一歩から」の意味

千里せんりみち一歩いっぽから

どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する

「千里の道も一歩から」とは、「どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する」という意味です。

前向きな意味合いであるため、「千里の道も一歩から」ということわざを人生の指針としているという人も多いです。

なお、「千里の道も一歩から」の意味は、「千里の道」の意味を知ると、より深く理解することができます。

ここからは、「千里の道」について詳しく解説します。

「千里の道」の意味

「千里の道」は、非常に長い道のりのたとえです。

「里(り)」とは、古代中国で使われいた “距離の単位” です。

一里は、およそ400m とされています。

このため、千里は以下のような計算で、4000km となります。

千里の計算
400m (一里あたりの距離) × 1000 (千里)
400,000m
4000km

このように、千里は、4000km という長距離を指しているのです。

したがって、「千里の道も一歩から」の意味は、「非常に長い道のりを、まずは少しずつ歩き始める」ということなのです。

「千里の道も一歩から」の使い方


「千里の道も一歩から」は、主に以下のような表現で使われます。

「千里の道も一歩から」の使い方
  • 千里の道も一歩からというから、〜。
  • 千里の道も一歩からとはよく言ったもので、〜。
  • 千里の道も一歩からの精神で、〜。
  • 千里の道も一歩からというように、〜。
  • 千里の道も一歩からとはまさにこのことだ。
  • 千里の道も一歩からだ。

具体的な例文を見てみましょう。

「千里の道も一歩から」の例文
  1. ダイエットは大変だけれど、千里の道も一歩からというから、まずは簡単なウォーキングを頑張ってみよう。
  2. 千里の道も一歩からとはよく言ったもので、地道な努力が営業成績に結びつくようになった。
  3. 焦らず、千里の道も一歩からの精神でコツコツ努力していけば、時間はかかっても必ず成功できますよ。
  4. 千里の道も一歩からというように、まずは自分にできることをやってみよう。
  5. 毎日少しずつ単語を覚えていったら、いつのまにか英語が得意になっていた。千里の道も一歩からとはまさにこのことだ。
  6. 私の座右の銘は、「千里の道も一歩から」だ。

「千里の道も一歩から」の由来

「千里の道も一歩から」の由来は、古代中国の書物『老子(ろうし)』にあります。

『老子』にある「千里の行(こう)も足下(そっか)より始まる」という一節から、「千里の道も一歩から」が生まれました。

「千里の行も足下より始まる」が登場する原文は、以下の通りです。

合抱之木 生於毫末 九層之臺 起於累土 千里之行 始於足下

上記の漢文を書き下すと、以下のようになります。

書き下し文
合抱(ごうほう)の木も毫末(ごうまつ)より生じ、九層の台も、累土(るいど)より起こり、千里の行も足下より始まる

この漢文には、次のような意味があります。

意味
両手で抱えるほど大きい木でも、小さな芽から成長する。

また、九層まであるような高い建物も、ひとつの土から始まる。

千里の道のりも、足元(あしもと)から始まる

この文章のなかで、老子は「大きな目標を達成するには、基本を忘れず、地道に努力することが大切である」と説いているのです。

このように、「千里の道も一歩から」は、『老子』の一節「千里の行も足下より始まる」から派生したことわざなのです。

『老子』とは

『老子』とは、老子という哲学者の思想をまとめたものです。

老子は、中国の春秋(しゅんじゅう)時代の哲学者で、道教(どうきょう)の始祖と言われています。

「千里の道も一歩から」の類義語

千里の道も一歩からには以下のような類義語があります。

  • 千里の行(こう)も足下(そっか)に始まる
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 千里の行(こう)も一歩より始まる
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 千里の行(こう)も一歩より起こる
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 千里の道も一歩より始まる
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 千里の道も一歩より起こる
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 万里(ばんり)の道も一歩から
    どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
  • 隗(かい)より始めよ
    大きな目標を達成するには、身近なことから始めると良い
  • まず隗(かい)から始めよ
    大きな目標を達成するには、身近なことから始めると良い
  • 雨(あま)だれ石を穿つ(うがつ)
    どれほど小さな力であっても、根気よく続けていれば、いつか成功する
  • 高き(たかき)に登るには卑き(ひくき)よりす
    高い目標のためには、身近なところから順番にやっていく必要がある
  • ローマは一日にして成らず
    大きな目標を達成するには、時間がかかるものだ

「千里の道も一歩から」と「ローマは一日にして成らず」の違い

「千里の道も一歩から」と「ローマは一日にして成らず」には、以下のような違いがあります。

  • 千里の道も一歩から
    「時間がかかる」という意味合いだけでなく、「小さな努力を重ねることが、大きな目標の成功につながる」という意味もある
  • ローマは一日にして成らず
    あくまでも、「大きな目標を達成するには、時間がかかるものである」という道理だけを説いている

「コツコツと地道に続ける」というニュアンスまで伝えたいときには、「千里の道も一歩から」を使いましょう。

「千里の道も一歩から」の英語訳

「千里の道も一歩から」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • A journey of a thousand miles begins with a single step.
    (千里の道も一歩から)
  • Little by little one goes far.
    (千里の道も一歩から)
  • Step after step the ladder is ascended.
    (千里の道も一歩から)
  • He who would climb the ladder must begin at the bottom.
    (はしごを登りたいならば、一段目から始めよ)
  • Rome was not built in a day.
    (ローマは一日にしてならず)

「千里の道も一歩から」のまとめ

以上、この記事では「千里の道も一歩から」について解説しました。

読み方千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
意味どれだけ大きな目標でも、まずは身近なことを着実に努力していけば成功する
由来『老子』の一節「千里の行も足下より始まる」
類義語「千里の行も足下に始まる」「千里の行も一歩より始まる」など
英語訳A journey of a thousand miles begins with a single step.(千里の道も一歩から)など

「千里の道も一歩から」には、類義語がたくさんあることがわかりました。

また、英語訳にも様々な種類があります。

由来もふまえたうえで、「千里の道も一歩から」を使いこなせるようになりましょう。

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