今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「賛否両論(さんぴりょうろん)」です。
言葉の意味・使い方・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「賛否両論」の意味をスッキリ理解!
「賛否両論」の意味を詳しく
「賛否」とは、賛成と反対のことを表します。「両論」とは、異なる二つの意見のことを表します。
つまり、賛否両論とは、「ある一つのことについて、賛成と反対という異なる二つの意見がある状態」をいいます。
また、「賛成と反対の優劣がつかない」という意味もあります。そこから、「賛成と反対の意見が対立して、結論が出ない」という意味合いに派生することもあります。
「賛否両論」の使い方
- 大ヒット漫画の実写映画化について、ファンの意見は賛否両論だった。
- 文化祭の出し物をお化け屋敷にすることについて、賛否両論の意見が出た。しかし、今週中に意見を取りまとめなくてはならない。
①で意見が分かれているのは、映画に対するファンの意見です。実写映画化することはすでに決まっているので、反対意見と賛成意見が対立したところで変化は起きませんね。つまり、この例文は、単に二つの意見が対立していることを表しているのです。「結論が出ない」という状況は表しません。
一方、②に書かれているのは、「賛成か反対か」というように意見を一つにまとめなくてはならない状況です。つまり、「賛成と反対の意見が対立して、結論が出ない」という意味も表します。
「賛否両論」の対義語
賛否両論には以下のような対義語があります。
- 衆口一致(しゅうこういっち):多くの人の意見や評判が完全にぴったりと合うこと
- 全会一致(ぜんかいいっち):ある集団において、反対意見を言う人を一人も出さずに意見をまとめ、採用すること
- 満場一致(まんじょういっち):その場にいるすべての人の意見が一致すること
- 異口同音(いくどうおん):多くの人が口をそろえて同じ言葉を言うこと
上記に挙げた対義語に使われている「一致」という語は、「完全にぴったりと合う」という意味を表します。
「衆口一致」の「衆口」は、たくさんの人の言葉や考えを表します。
「全会一致」は、主に議会で採決を取る際に使われるルールです。それに対し、「満場一致」は、正式なルールではありません。採決を拍手で行った際などに使われます。
「賛否両論」の英語訳
賛否両論を英語に訳すと、次のような表現になります。
- pros and cons
(賛否両論) - for and against
(賛成と反対) - divided over
(意見が分かれる)
“pros and cons” では、“pro” が賛成を、 “con” が反対を表しています。それぞれの複数形のsがついているのです。
また、“for and against” の “for”は「賛成」を、“against”は「反対」を意味します。
まとめ
以上、この記事では「賛否両論」について解説しました。
読み方 | 賛否両論(さんぴりょうろん) |
---|---|
意味 | 一つのことについて、賛成と反対という両方の意見があること。また、賛成と反対が対立し、結論が出ないこと |
対義語 | 衆口一致、満場一致、全会一致、異口同音など |
英語訳 | pros and cons(賛否両論),for and against(賛成と反対),divided over(意見が分かれる)など |
世の中にはいろいろな人がいて、様々な事情がありますから、どんなものごとにも賛否両論あるのは当然のことです。
周りに流されず、自分の意見をしっかり持つことが大切です。