「篭絡」の意味とは?読み方は?使い方から英語までわかりやすく解説

言葉

篭絡とは「巧みにてなずけて、自分の思い通りに操ること」という意味です。

馴染みのない漢字が使われていることもあり、難しい言葉だと思っている方も多いでしょう。しかし、日常会話の中でも活用できる意味の言葉なので、この記事で使い方をマスターしましょう。

☆「篭絡」をざっくり言うと……

読み方篭絡(ろうらく)
意味巧みにてなずけて、自分の思い通りに操ること
語源「かごに入れて絡めとる」という意味の漢字から
類義語懐柔、擒縦など
関連語欺罔、瞞着、詐取など
対義語切り捨てる、見放すなど
英語訳inveigling(誘い込むこと・ 人を騙して~させること)
ensnaring(魅了すること・篭絡すること)
cajoling(甘言で釣って~させること)

「篭絡」の意味

篭絡ろうらく

巧みにてなずけて、自分の思い通りに操ること

他人をうまく丸め込んで、自分の言うことを聞かせたり、自分の思うがままに動かしたりすることが篭絡です。

また、篭絡には「人を利用する」「策略によって手懐ける」というマイナスのニュアンスが含まれます。

「悪だくみ」のようなイメージがあるため、使用する場面には気をつけましょう。

篭絡の恋愛関係における意味

篭絡は、「恋愛関係において相手を手なずけたり思い通りに操る」という意味で使われることも多いです。

「篭絡」の使い方

篭絡を使用する際のポイントは2点あります。

「篭絡」を使うポイント
  1. 書き言葉として使うことが多い
  2. ほめ言葉としては使えない

篭絡は、難しい響きの言葉であるため、日常的な会話の中で話し言葉として使うことは少ないです。

もちろん、話し言葉として使うこともできますが、基本的には書き言葉として使われることが多いことを覚えておきましょう。

ほめ言葉としては使えない

篭絡は、「人を利用する」「策略によって手懐ける」というマイナスのイメージで使われます。

ほめ言葉として使用するには不適切なので気をつけましょう。

例えば、対面で「社長は人を篭絡するのがうまいですね」などと発言することは失礼に当たります。

篭絡を使った文章の例を見ていきましょう。

  1. 彼女は持ち前のコミュニケーション能力を利用して、周りの男を篭絡する。
  2. 彼は部長に完全に篭絡されているので、期待しないほうが良いでしょう。
  3. 彼は天性の人たらしなので、篭絡できない人間などいないだろう。

「篭絡」の語源

それぞれの漢字には、それぞれ以下のような意味があります。

「篭絡」の漢字の意味
  • :かご・かごに入れる・包み込む
  • :絡まる・絡めとる

つまり、「籠絡」と「篭絡」の漢字の意味は、「籠に入れて絡めとってしまうこと」です。

籠に入れられてしまえば、自由に動くことはできません。

その上、紐のようなもので体をからめとられてしまえば、操り人形のようになってしまいます。

ここから、「籠絡」「篭絡」が、「他人を思い通りに動かすこと」「他人を巧みに操ること」という意味になりました。

「籠絡」の漢字表記

「篭絡」は「籠絡」と書かれる場合がありますが、「籠」の漢字の意味も「篭」と同じです。

「篭絡」の類義語

篭絡には多くの類義語があります。

熟語の類義語と、熟語ではない形での類義語があります。

まず、熟語の形の類義語を見ていきましょう。

熟語の形の類義語
  • 懐柔(かいじゅう)
    うまく扱って、自分の思う通りに従わせること
  • 擒縦(きんしょう)
    他人を意のままに操ること
擒縦の漢字の意味

  • :捕まえること
  • :逃がすこと

「捕まえるのも逃がすのも思いのまま」という意味の漢字から、擒縦が「思いのままに相手を操ること」という意味になりました。

また、熟語ではない類義語には、以下のような言葉があります。

熟語ではない形の類義語
  • 取り込む
    人を丸め込むこと
  • 取り入る
    相手の機嫌をとることで気に入られること
  • 誑(たら)し込む
    うまいことや甘いことを言って騙すこと
  • 手なずける
    うまく扱って味方になるようにしむけること
  • 飼いならす
    人をこちらの都合のよいように手なずけること
  • 宥め賺す(なだめすかす)
    相手の心をやわらげて、こちらの都合のいいように利用すること
  • 丸め込む
    相手を自分の思うとおりに操ること
  • 抱きこむ
    巧みに味方につけること
  • 取り込む
    人を丸め込むこと
  • 手玉にとる
    手玉をもてあそぶように、人を思いどおりにあやつること
  • 手のひらの上で転がす
    相手を思い通りに動かすこと

「篭絡」と「懐柔」の違い

篭絡に最も意味が近く、言い換えとして使われやすいのは「懐柔」です。

篭絡と懐柔はどちらも「相手を思うように操る」という意味を持つ言葉ですが、これら二つの熟語には次のような違いがあります。

  • 篭絡
    心理的に人をコントロールすること
  • 懐柔
    パワー(権力・財力など)によって相手を従わせること

篭絡と懐柔はどちらも「相手を思うように操る」という意味を持つ言葉です。

篭絡は「心理的に人をうまく丸め込む」という心理に重きを置いた表現です。

一方で懐柔とは、「相手を従わせること」に重きを置いた表現です。

つまり、懐柔では相手を従わせるために権力やお金など、様々なものを使うのです。

「篭絡」の関連語

「篭絡」の類義語として次のような言葉が挙げられることがあります。

  • 欺罔(きもう)
    人をあざむき、だますこと
  • 瞞着(まんちゃく)
    ごまかすこと。騙すこと
  • 詐取(さしゅ)
    相手を騙して金品などを取ること

これらには、確かに「相手を騙すこと」などの意味はあります。

しかし、「思い通りに動かすこと」という意味は含まれていないため、類義語とは言えないでしょう。

「篭絡」の対義語


篭絡には、明確な対義語は存在しません。

そのため、ここでは篭絡とは対照的な意味を表す言葉を取り上げます。

熟語や四字熟語など、さまざまな形の対義語があります。

それぞれに分けて説明します。

熟語の形の対義語
  • 威圧
    威光や威力で、相手をおさえつけること
  • 抑圧
    むりやりおさえつけること

篭絡が、「うまく相手を動かしながら言うことを聞かせてしまう」という意味を持つのに対して「威圧」や「抑圧」は「力ずくで押さえつける」という意味があります。

四字熟語の形の対義語

独立独歩は、「そもそも他人を利用したり操ろうとしたりしない」という意味で、篭絡の反対の意味を持つ言葉だと言えます。

熟語でない形の対義語
  • 切り捨てる
    不要なものとして捨て去ること
  • 見放す
    見切りをつけて従来の関係を断つこと
  • 排除する
    いらないものを取り去ること
  • 駆除(くじょ)する
    害を与えるものを追い払うこと
  • 放逐(ほうちく)する
    その場所や組織から追い払うこと
  • 駆逐(くちく)する
    邪魔なものを追い払うこと
  • 駆除する
    害を与えるものを追い払うこと

これらは、「人を取り入れて操るのではなく、相手を退ける」という意味であるという点で、篭絡の対義語だと言えます。

「篭絡」の英語訳

篭絡を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • inveigling
    (誘い込むこと・ 人を騙して~させること)
  • ensnaring
    (魅了すること・篭絡すること)
  • cajoling
    (甘言で釣って~させること)

どれも動詞を名詞化した形の単語であることに注意しましょう。

ちなみに、懐柔を英語訳すると次のような表現になります。

「懐柔」の英語訳
  • propitiation
    (なだめること・懐柔すること)
  • ensnaring
    (機嫌を取ること・懐柔すること)
  • placation
    (落ち着かせること・懐柔すること)

「篭絡」のまとめ

以上、この記事では「篭絡」について解説しました。

読み方篭絡(ろうらく)
意味巧みにてなずけて、自分の思い通りに操ること
語源「かごに入れて絡めとる」という意味の漢字から
類義語懐柔、擒縦など
関連語欺罔、瞞着、詐取など
対義語切り捨てる、見放すなど
英語訳inveigling(誘い込むこと・ 人を騙して~させること)
ensnaring(魅了すること・篭絡すること)
cajoling(甘言で釣って~させること)

篭絡の意味だけでなく、類義語や英語訳まで覚えてしまいましょう。