ニュースでよく見る「欺瞞」!意味と使い方を徹底解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「欺瞞(ぎまん)」です。

多く使うことのない漢字で構成されている割には、「国家の欺瞞」や「自己欺瞞」といった形で見かけることが多い言葉です。そのため、「欺瞞」の意味にぴんとこなくてもどかしく感じている方も多いでしょう。

今回の記事では、「欺瞞」の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

スポンサードリンク

「欺瞞」の意味をスッキリ理解!

欺瞞(ぎまん):事実や真実をいつわり、人をだますこと

「欺瞞」の意味を詳しく

「欺瞞」とは、事実や真実をいつわって、他人をだますことを言います。名詞形でも動詞形でも用いる言葉です。

「欺」は「欺(あざむ)く」と訓読でき、言葉を上手く使って嘘を本当のことのように思わせることを指します。「瞞」は「瞞(だま)す」と訓読でき、「欺く」と同様の意味を持っています。

注意すべき点は、軽い冗談とは違い、「欺瞞」によって生じる不利益は極めて大きいものであるということです。犯罪や不正を隠したりなど、相手方に相当な被害を与えるのが「欺瞞」です。

「欺瞞」はマイナスの影響力が大きいことから、「政府の欺瞞」や「国民を欺瞞する」など、主体や目的語の規模も比較的大きいものになることが多いです。

「自己欺瞞」とは何?

「自己欺瞞」とは、本来は自分の良心に背くはずの言動を、もっともらしいものであると正当化することを言います。文字通り、自分で自分を欺いている状態である「自己欺瞞」は、自分を守ろうとする防衛本能の 1種だと言われています。

 

「自己欺瞞」の代表的な例を 2つご紹介します。

1つ目は、責任転嫁です。たとえば、Aさんの起床時刻が予定より遅くなってしまったとします。この時、親などの人に「起こしてくれなかったのが悪い」と責めるのは「自己欺瞞」です。

Aさんは、寝坊したことが自分の責任であることを、心のどこかではわかっています。しかし、自分がいけないことをしたという事実を認められず、結果として他者を責めてしまい、自分の良心を欺いています。

 

2つ目の「自己欺瞞」は、他人から評価されようとして自分を偽ることです。たとえば、Bさんが、引き受けたくない頼み事でも「やります」と答えてしまうことは「自己欺瞞」と言えます。

Bさんは、他者からの評価をあげようとする欲求を前にして、自分ではなく他に適任者がいるはずだという本心を欺いています。そして、結果として他者から評価されることで、偽りの自分を正当化しようとします。

 

以上のような「自己欺瞞」は、それが良心に背くとわかっていながらする場合と、無意識のうちにしてしまう場合があります。

どちらにせよ、「自己欺瞞」をしている人は、自分に問題があるということを認められていません。そのため、問題を解決する力が身につかず、結果として同じ問題を繰り返してしまいます。

また、「自己欺瞞」は、自分を欺くようなことはしていないという「自己欺瞞」へとつながり、次第に悪循環にはまることが懸念されます。ひどくなると、体調を崩したり、うつ状態になっていく危険性も指摘されています。

既述したように、「欺瞞」は相手方への不利益が大きいのです。「自己欺瞞」は、心身の健康にとって、決してよいものとは言えません。自分を大切にするためにも、自己を欺くようなことは避けたいものです。

軍事用語「欺瞞作戦」とは

「欺瞞」を用いた軍事用語に、「欺瞞作戦」というものがあります。「欺瞞作戦」とは、敵に偽りの情報を与えることで混乱させ、有利に戦いを進める戦法のことです。

「欺瞞作戦」には、主に次のようなものがあります。

欺瞞作戦の例
  • 兵力を、事実より小さく偽る。
  • 景色に溶け込んで見えないようにし、敵を油断させる。
  • 撤退するそぶりを見せ、相手も撤退したところを責める。
  • 敵をある場所に誘導して、囲い込む。
スポンサードリンク

「欺瞞」の使い方

  1. 都合の悪い事実を隠し、国民に欺瞞に満ちた言葉を伝えるようなことはあってならない。
  2. 実際に商品を購入してみたが、あの広告は欺瞞的だったと言わざるを得ない。
  3. 彼がしてきた数々の悪行のことを考えると、今回も彼の発言の欺瞞性は高い気がした。

①の「欺瞞に満ちた」はよく使われるフレーズです。嘘にまみれていることを指しています。

①のように、国家という大きな規模の話の中で「欺瞞」が登場することは多いです。国を支える政府などは、「欺瞞」などの不正をしていないか等、潔白性に関わる議論と常に隣り合わせです。

②の「欺瞞的」は、他人をだますようなものであることを表す形容詞的な表現です。

③の「欺瞞性」は、嘘らしさの度合いのことを指しています。「欺瞞性が高い」とは、つまり嘘である可能性が高く感じられるということです。

「欺瞞」の類義語

「欺瞞」には以下のような類義語があります。

  • 詐欺(さぎ):偽った事実や真実を他人に伝えること。金品をだまし取ること。
  • 虚偽(きょぎ):真実ではないことを真実のように見せかけること。
  • 瞞着(まんちゃく):事実や真実をごまかし、人をだますこと。
  • 欺騙(ぎへん):他人をだますこと。軍事において、敵軍に誤った情報を与えて混乱させること。
  • 欺罔(ぎもう):他人をだますこと。法律上、他人を欺いて間違いへと導く行為。

「詐欺」は、法的に人を欺く行為を言います。偽りの事実や真実を他人に伝え、それによって一定の不利益を相手方に与えることや、金品をだまし取る行為を指します。前者は民法で、後者は刑法で裁かれます。

「欺騙」は、主に軍事において敵をだます場合に使われます。先ほどご紹介した「欺瞞作戦」と同じく、敵を偽りの情報で欺き、戦況を有利に進める戦法のことです。

「欺罔」は、主に詐欺をする目的で相手方をだますことを言います。

スポンサードリンク

「欺瞞」の対義語

「欺瞞」には以下のような対義語があります。

  • 正直(しょうじき):嘘や偽りがないさま。
  • 信実(しんじつ):偽りがなく、まっすぐな姿勢であること。
  • 誠実(せいじつ):私欲に溺れず、まっすぐな姿勢であること。
  • 忠実(ちゅうじつ):真心があること。内容に一切のごまかしがないこと。

「欺瞞」は行為を表す言葉ですが、上記に挙げた 4つの対義語は物事の性質や人柄を表しています。

「欺瞞」の英語訳

「欺瞞」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • deception
    (ごまかすこと、だますこと)
  • deceit
    (悪意を持ったごまかし)
  • fraud
    (詐欺)
  • deceitful
    (偽りの、(外見が)見誤られるような)
  • deceive
    (だます)

“deception” の場合は必ずしも何かをだまし取ろうとしているわけではないですが、“deceit” の場合は詐取を目的にした強烈な悪意があります。

上記 5つの表現を用いた例文は以下の通りです。

例文
  • Our teacher saw through his deception.
    (先生は、彼のごまかしを見抜いた。)
  • She is incapable of depriving somebody of something by deceit.
    (彼女は、誰かから何かをだまし取ろうなんてことは出来ない人間だ。)
  • He was arrested on charge of fraud.
    (彼は、詐欺の容疑で逮捕された。)
  • The advertising I saw this morning was deceitful.
    (今朝見た広告は欺瞞的なものだった。)
  • They deceived me by using clever tricks.
    (彼らは、巧妙な手口で私をだました。)

ちなみに、「自己欺瞞」は self-deception、「欺瞞作戦」は military deception と表現します。

スポンサードリンク

まとめ

以上、この記事では「欺瞞」について解説しました。

読み方 欺瞞(ぎまん)
意味 実や真実をいつわり、人をだますこと
類義語 詐欺、虚偽、瞞着、欺騙、欺罔
対義語 正直、信実、誠実、忠実
英語訳 deception, deceit fraud, deceitful, deceive

「欺瞞」は、単なる冗談とは次元が違うダメージを伴う行為です。特に、「自己欺瞞」は無意識のうちに行われてしまうものでもあるため、日ごろから、見栄を張らずに正直でいることを心がけるようにしましょう。

スポンサードリンク