マジョリティとは「多数派、大勢」という意味です。
マジョリティやマイノリティという単語はニュースなどでもよく使うので、何だろうと気になったことはありませんか。
そこで今回はマジョリティの意味や使い方を丁寧にわかりやすく解説します。
このページの目次
「マジョリティ」の意味
マジョリティ
多数派、大勢
例:権力者の提案に賛成するのがマジョリティだ。
マジョリティ(マジョリティー)とは、「多数派、大勢」という意味です。
たとえば、日本に住んでいる多くは、日本人(大和民族)です。
そのことを「日本に住むマジョリティは日本人」と表現できます。
他にも100人集めて「AかBか」の質問に答えてもらい95人がAを選んだとします。
その95人は多数派なので、マジョリティと呼べます。
一方で数が少なくても例外的に力を持つ集団のことをマジョリティと呼ぶ場合もあります。
たとえば、以下のグループです。
- 植民地の支配層
- 古代王朝の社会を支配する集団
「マジョリティ」が社会に与える影響
マジョリティは社会の大半を占めるので、マジョリティに合わせた社会づくりがされます。
なぜならば、多数決という物事の決め方をよく使うからです。
ある議題に対して賛成か反対かで、賛成が多ければ賛成派のマジョリティに基づいて社会づくりが進められます。
ちなみに、イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルは多数者によって物事が強制的に決められて少数派の権利が奪われることを「多数者の専制」という言葉を用いて批判していました。
このような数による圧政を「数の暴力」と呼ぶ場合もあります。
また、普段わたしたちが使用しているハサミは、マジョリティである右利き向けに作ってあることも多く、左利きは不便を強いられています。
「マジョリティ」を利用したゲームもある
多数決ゲームとも呼ばれる、マジョリティゲームがあります。
何かお題を出して目を瞑って賛成と反対に分かれて、少数派になったら負けというルールです。
「マジョリティ」の使い方
マジョリティは人数や集団について言及する時に使用します。
また、使用する分野はビジネスから学術までさまざまです。
実際の例文には以下のようなものがあります。
- マジョリティに有利な社会を作る。
- マジョリティのせいで少数の意見が通らない。
- マジョリティが権力を握っている。
- 賛成派はマジョリティが占める。
- アーリーマジョリティとなって商品を試す。
- レイトマジョリティなので少し遅れてしまった。
- マジョリティには個性がない。
- 現代の若者はサイレントマジョリティなのか?
- 大学受験して就活するのがマジョリティだよね。
- マジョリティの意見で公園が建設された。
マジョリティが「大多数」という意味を持つからといって、少数派に対して差別的な意味合いでは使わないので注意しましょう。
「マジョリティ」の語源
マジョリティの語源は英語の “majority” です。
以下のような意味があります。
- 大多数
- 大部分
- 大半
- 多数党
- 多数派
- 過半数
- 絶対多数
- (勝ち越した)得票差
似たような単語に「主流な」という意味の“major” があります。
“major” に、状態や性質を表す接尾辞“ity”を加えたのが “majority” です。
「マジョリティ」の類義語
マジョリティの類義語には以下のようなものがあります。
- メジャー
主流な - メインストリーム
王道 - 大部分
多くの部分 - 主流派
主な流派に属する人々 - ボリシェヴィキ
ロシア語の「多数派」
「マジョリティ」と「メインストリーム」と「メジャー」の違い
マジョリティとメインストリーム、メジャーの違いは分かりにくいので違いを解説します。
- マジョリティ
多数派の人々 - メインストリーム
考え方や見方が多数派、もしくは一般的なこと - メジャー
中心となる流派
マジョリティは、多数派の人々に焦点を当てているのに対してメインストリームは考え方です。
また、マジョリティとメジャーも似ていますが、メジャーはマジョリティほど少数派との対比を強調した単語ではありません。
「マジョリティ」の対義語
マジョリティの対義語には以下のようなものがあります。
- マイノリティ
少数派
マイノリティ(マイノリティー)と呼ばれる具体的な集団は以下の通りです。
- 少数民族
- 性的少数派
- 障がいを持つ人
- 一人親家庭
- 少数派宗教を信仰する人
また、マイノリティは他の表現と合わせて使うことも多い単語です。
たとえば、以下のようなものがあります。
- ノイジーマイノリティ
うるさい少数派 - ボーカルマイノリティ
好き勝手言う少数派 - ラウドマイノリティ
うるさく主張する少数派
「マジョリティ」の関連語
マジョリティの関連語には以下のようなものがあります。
- アーリーマジョリティ
新しい物やサービスなどを早く積極的に受け入れる人々 - レイトマジョリティ
新しい物やサービスなどの受け入れに消極的な人々 - サイレントマジョリティ
積極的ではない静かな大衆 - マジョリティオブマイノリティ
少数派の中の多数派
アーリーマジョリティとレイトマジョリティはマーケティング用語です。
新しい物やサービスなどを使用する人々を順番で分けたイノベーター理論のグループのひとつです。
- イノベーター
イノベーション(技術革新)を起こす人 - アーリーアダプター
新しい物やサービスなどを積極的に受け入れる人々 - アーリーマジョリティ
新たな商品やサービスへの関心が高い層 - レイトマジョリティ
新しい物やサービスなどの受け入れに消極的な人々 - ラガード
多くの人が使い始めてから自分も使うような人、もしくは全く使用しない人
また、この中でもサイレントマジョリティは使用頻度が高いので解説します。
「サイレントマジョリティ」の意味
サイレントマジョリティは「意見などを積極的に発言しない大衆」という意味です。
サイレントマジョリティはビジネスや政治でよく使います。
サイレントマジョリティは「自分はこう思う」といった意見を積極的に発信しないので、以下のような問題があります。
- ビジネスの場合
どういった商品やサービスが好みか分からない - 政治の場合
どういった社会にしたいのか有権者の本音が分からない
一方で、マジョリティなので人数から考えると大きな力を持っている層です。
そのため、ビジネスや政治において、このようなサイレントマジョリティに訴えかけて彼らの心を知ることが大切です。
ちなみに、サイレントマジョリティは1969年にアメリカのニクソン大統領が演説で使用したことから広まりました。
「マジョリティ」のまとめ
以上、この記事ではマジョリティについて解説しました。
読み方 | マジョリティ |
---|---|
意味 | 多数派、大勢 |
語源 | 英語の “majority” |
類義語 | メジャー メインストリーム 大部分 など |
対義語 | マイノリティ |
関連語 | アーリーマジョリティ レイトマジョリティ サイレントマジョリティ など |
マジョリティは政治やビジネスに限らず、日常で使用することが多くなってきた単語です。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方を覚えましょう。