今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「サイレントマジョリティー」です。
以下では、「サイレントマジョリティー」の意味・使い方・対義語についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「サイレントマジョリティー」とは?
「サイレントマジョリティー」の意味を詳しく
「サイレントマジョリティー」とは、政治に関する意見を声高には言わない多数派のことです。「サイレント」は沈黙しているさま、「マジョリティー」は多数派を意味します。
「サイレントマジョリティー」は、声なき声とも表現され、政策の大枠のところでは賛成しているとみなされます。
初出はアメリカの大統領のニクソンが行なった演説で、彼が多くの国民から支持を得るために使用したフレーズです。
「サイレントマジョリティー」の使い方
- 私はサイレントマジョリティーの意図を汲める政治家になりたいと考えています。
- 私はずっとサイレントマジョリティーだったが、もう我慢がならない。
上の例文のように、「サイレントマジョリティー」は主に政治家の側から大衆に向けて使われますが、近年では当事者たちが自覚的にこの言葉を使う場面も増えています。
「サイレントマジョリティー」の対義語
サイレントマジョリティーには以下のような類義語があります。
- ボーカルマイノリティー:政治に関する意見を表明する少数者
- ノイジーマイノリティー:声が大きく多数派に見えてしまう少数者
「サイレントマジョリティー」には大きく2つの対義語があります。一方は「ボーカルマイノリティー」で、もう一方が「ノイジーマイノリティー」です。
どちらも同じような意味に見えますが、「ボーカルマイノリティー」がしっかりと政治的意見を表明するマイノリティーであるのに対し、「ノイジーマイノリティー」は攻撃的な側面を持つマイノリティーのことを指します。
「ノイジーマイノリティー」は「ラウドマイノリティー」ともいい、“noisy“(うるさい)や“loud“(声が大きい)という言葉通り、不快な印象を感じさせます。
「ボーカルマイノリティー」の中で特に攻撃的で声の大きな個人・集団が「ノイジーマイノリティー」であると言えるでしょう。
ニクソンの演説
「サイレントマジョリティー」は、ベトナム戦争を継続中のアメリカで、大統領であったニクソンが自らの演説の際に使用した言葉です。
“the great silent majority of my fellow Americans”(私を支持する、アメリカのたくさんのサイレントマジョリティーの皆さん)
ニクソンはこのように呼びかけ、意思表示をしていない大多数のアメリカ人を肯定派であるととらえました。
「サイレントマジョリティー」は、この演説では「声なき多数派の意見にも耳を傾けなければならない」という文脈で使用されていました。
しかし、日本では、この言葉が多用されるようになって「サイレントマジョリティー」は耳を傾ける対象ではなく、為政者が意見を無視しても投票行動に変化のない相手、という文脈でも使用されるようになっています。
まとめ
以上、この記事では「サイレントマジョリティー」について解説しました。
英語表記 | サイレントマジョリティー(silent majority) |
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意味 | 積極的に自分の政治的意見を言わない一般市民 |
対義語 | ボーカルマイノリティー、ノイジーマイノリティーなど |
ニクソンの演説 | “the great silent majority of my fellow Americans“ |
「サイレントマジョリティー」は近年有名になった言葉ですが、その本当の意味を正しく理解している人は少ないです。
政治に関わる大事な言葉であるため、正しく覚えられるといいですね。