サイレントマジョリティーの意味を簡単に解説!反対語も紹介!

言葉

サイレントマジョリティーとは「積極的に自分の意見を主張しない一般大衆」という意味です。

欅坂46の楽曲によって一気に知名度を上げた言葉ですが、本来の意味や語源を知る機会はなかなかないですよね。

この記事では、サイレントマジョリティーの意味や語源を詳しく解説します。

☆「サイレントマジョリティー」をざっくり言うと……

英語表記サイレントマジョリティー(silent majority)
意味積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
語源「静かな多数派」という意味の英単語 “silent majority”
類義語物言わぬ大衆
物言わぬ多数派など
対義語ボーカルマイノリティー
ノイジーマイノリティーなど

「サイレントマジョリティー」の意味

サイレントマジョリティー

積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
例:サイレントマジョリティーが多くいる。

サイレントマジョリティーとは、政治に関する意見を声高には言わない多数派のことです。

もともとは、政治の分野で自分の政治的意見を主張しない一般大衆を表す意味でした。

ここから、政治的な主張に留まらず、「積極的に自分の意見を主張しない一般大衆」という意味も持つようになりました。

「サイレントマジョリティー」は多数派を表す

サイレントマジョリティーは、あくまで「多数派」を表す言葉です。

そのため、世間の中で多数派であり、力を持っている側の支持者が特に声を挙げない状態をあらわす言葉なのです。

政治で言えば与党の支持者であり、それ以外の場面でも、大衆に人気のある作品や考えを肯定的に捉えている人がサイレントマジョリティーに含まれます。

 

逆に少数派で、世間の中で一般的だとされている事柄や考えに否定的な考えを持つ人は、その反対意見を主張することが多いです。

多数派であるからこそ「わざわざ肯定の声を挙げる必要はない」と考えてサイレントマジョリティーになるのです。

「サイレントマジョリティー」の政治的な意味

サイレントマジョリティーという言葉には、政策に対して反対意見があったとしてもそれは一部の意見であり、意思表示をしない大多数は肯定しているという解釈が含まれています。

サイレントマジョリティーは単に「意見を主張しない多数派」という意味だけを持つ言葉ではありません。

「大衆は個人的な意見を述べることが少ないが一人一人に主張があるはずだから、一般市民の意見にこそリーダーは耳を傾けるべきだ」という主張が含まれているのです。

サイレントマジョリティーにマスコミは含まれない

サイレントマジョリティーは、政治的な意見を強く主張しない有権者を意味します。

この有権者たちの中には、主張の機会の多いマスコミは含まれず、主に一般市民のことを指します。

「サイレントマジョリティー」の具体例


サイレントマジョリティーは、政治以外にもさまざまな場面で見られます。

たとえば、少し過激な表現のあるテレビ番組があるとします。

視聴率は良くても、その過激さゆえにクレームが入ることもあります。

この場合、クレームを言う人ではなく、番組に意見は言わずに家で番組を楽しんでいる大多数の人がサイレントマジョリティーに当たります。

商品やサービス、番組などに対してクレームや意見を述べる人はごく一部であり、大半の人は意見を言わない消費者です。

クレームや意見を述べる人は、消費者の意見を取り入れるうえで重要な存在ですが、その意見だけを全て聞くことが必ずしも消費者の意見の反映に繋がるとは限りません。

商品を購入するのは一部の特殊な消費者層ではなく、何も言わずに楽しんでいる大多数のサイレントマジョリティーであるからです。

「サイレントマジョリティー」の使い方


サイレントマジョリティーはもともと政治的な意味で使われていました。

しかし、現代では政治的な場面以外でも使われることが増えました。

また、以前は政治家から一般大衆に向けて使われていた言葉でした。

しかし近年では、当事者たちが「自分たちは意見を主張しない」と自覚して自らに対してサイレントマジョリティーを使う場合が増えています。

  1. サイレントマジョリティーの意見に耳を向けるべきです。
  2. 君たちはあくまで少数派で、世間にはサイレントマジョリティーがたくさんいますよ。
  3. サイレントマジョリティーが主張すれば、政治は大きく変わるだろう。
  4. 私たちがサイレントマジョリティーのままでは、方針は変わらないだろう。
  5. サイレントマジョリティーが多すぎて、会議が成立しない。

「サイレントマジョリティー」の語源

サイレントマジョリティーの語源は英語の “silent majority” です。

“silent majority” は、以下のような単語で構成されています。

  • silent
    黙っている・無言の・静かな
  • majority
    大多数・過半数

つまり、 “silent majority” は直訳すると「静かな大多数」「黙っている過半数」という意味になります。

「サイレントマジョリティー」が広まった理由

サイレントマジョリティーという言葉が広まった要因になったのは、アメリカ大統領であったニクソンの言葉です。

彼はベトナム戦争中、自らの演説で以下のように発言しました。

“the great silent majority of my fellow Americans”
(私を支持する、アメリカのたくさんのサイレントマジョリティーの皆さん)

ニクソンは、ベトナム戦争が泥沼化している最中の1968年にアメリカ合衆国大統領に就任しました。

その就任演説で、選挙公約のベトナム戦争の早期解決をめざし、米軍の段階的撤退を政策として行うと話しました。

しかし当時のアメリカ国内では、ニクソンのこの計画を批判し、ベトナムから即時全面撤退すべきと主張する反戦運動も盛んに行われていました。

早期撤退はベトナムに大惨事を引き起こすとして避け、最善の方法としての段階的撤退をサイレントマジョリティーに訴えたのです。

 

ニクソンは国民に「サイレントマジョリティー」と呼びかけることで、意思表示をしていない大多数のアメリカ人が自分を支持している肯定派であることをアピールしたのです。

サイレントマジョリティーは、この演説の中で「声の大きな少数派だけでなく、声なき多数派の意見にも耳を傾けなければならない」という文脈で使用されました。

日本とアメリカではニュアンスが違う

もともとサイレントマジョリティーは、意見をしない多数派の存在を大切にしなければならないというニュアンスで使われていました。

しかし日本では、「政府や政治家が意見を無視しても投票行動に変化のない相手」という軽視された存在という意味でも使用されるようになっています。

「サイレントマジョリティー」の類義語

サイレントマジョリティーには以下のような類義語があります。

  • 物言わぬ大衆
    積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
  • 物言わぬ多数派
    積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
  • 声なき声
    積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
  • 静かな大衆
    積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
  • 大多数
    ほとんど全部と言ってよいほど多い数
  • 多数派
    属する人数が多いほうの派

「声なき声」の意味

「声なき声」は、1960年に岸信介総理が用いました。

当時、安保闘争への議論が盛んで、政府に対する反対意見も多くありました。

このときに、「意見を発していない支持者が多くいる」というニュアンスで、安保闘争に参加していない人々を表した言葉です。

「サイレントマジョリティー」の対義語

サイレントマジョリティーには以下のような対義語があります。

  • ボーカルマイノリティー
    政治に関する意見を表明する少数者
  • ノイジーマイノリティー
    声が大きく多数派に見えてしまう少数者
  • ラウドマイノリティー
    政治的主張や意見を声高にしつこく、うるさく主張する少数派
  • 少数派
    属する人数の少ないほうの派

上記の3つの対義語は、同じ意味だと考えられることが多いですが、以下のような違いがあります。

  • ボーカルマイノリティー
    しっかりと政治的な反対意見を表明する少数派
  • ノイジーマイノリティー
    多数派を攻撃的に批判する少数派
  • ラウドマイノリティー
    多数派を攻撃的に批判する少数派

つまり、ノイジーマイノリティーとラウドマイノリティーは「うるさい」「攻撃的」というマイナスのニュアンスがある言葉なのです。

「サイレントマジョリティー」がつく楽曲

欅坂46のシングル曲に『サイレントマジョリティー』があります。

サイレントマジョリティーは、もともと一般的な言葉ではありませんでしたが、この曲をきっかけに広く浸透しました。

「サイレント魔女リティ」の意味


「サイレント魔女リティ」とは、石田衣良(いしだ いら)の発言から作られた架空のキャラクターです。

発端になったのは、毎日新聞サイト 「MSN毎日インタラクティブ」 に掲載された作家の石田衣良のコラム『石田衣良の白黒つけます!!』です。

 

2006年10月31日に掲載された「中国、韓国と仲良くした方がいい? しなくてもいい?」というアンケート結果と、それに伴うコラムがネット上で話題になりました。

このコラムでは「日本は中国や韓国と仲良くすべきか、そうでないか」 という回答を募っており、「しなくてもいい」 という意見が全体の過半数を大きく超えました。

しかし、この結果を受けて、石田衣良は、以下のようなコラムを掲載したのです。

ふー、びっくりした。うーん、今回は簡単だとぼくは思っていた。

だって、中国と韓国はおとなりの国だものね。これからもずっとつきあっていかなければならないのだ。

この質問のこたえなんて考えるまでもない。けれど、最近の東アジア情勢を、みんながどんなふうに感じているのか、それが探りたくてこのテーマにしたのだ。

するとあらら、不思議。寄せられたのは厳しい反韓国・反中国のメールばかりだった。なぜなのかしらん?

(中略)

ふー、びっくりした。でも、反対派の意見はほぼ一点に集中している。

中国や韓国は反日だから、仲良くする必要はないというもの。それ、ほんとなのかなあ。

今回のこたえは数字のうえでは「しなくていい」派が圧倒的だったけれど、応募しなかった多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。

中国・韓国とは仲良くしたほうがいい。

アンケート結果をひっくり返した無理矢理すぎる結論と、「ふー、びっくりした」「サイレントマジョリティ」などの表現が特徴的で、ネット上で大きな話題となりました。

その結果、ネット上で作り上げられたのが「サイレント魔女リティ」というキャラクターです。

石田衣良が毎日新聞に掲載していた『サイレント魔女リティ』という漫画の登場人物で、アニメ化もされたという設定になっています。

「サイレントマジョリティー」のまとめ

以上、この記事ではサイレントマジョリティーについて解説しました。

英語表記サイレントマジョリティー(silent majority)
意味積極的に自分の意見を主張しない一般大衆
語源「静かな多数派」という意味の英単語 “silent majority”
類義語物言わぬ大衆
物言わぬ多数派など
対義語ボーカルマイノリティー
ノイジーマイノリティーなど

サイレントマジョリティーは政治的な言葉であったことがわかりましたね。